クロスSWOT分析

2008年7月5日 土曜日

早嶋です。



本日は、終日戦略について考える1日でした。参加者の方々お疲れ様でした。



戦略と言っても、メインはクロスSWOT分析です(クロスSWOT分析については、BOS分析を参照)。クロス分析とは、SWOTで抽出した強み、弱み、機会、脅威のそれぞれの組み合わによって「何が出来るか?」を考えることです。



ポイントは、外部要因(自社でコントロールできない要因:機会と脅威)を先に考えて、それを内部要因(自社でコントロールできる要因:強みと弱み)で何が出来るか?という順番です。



上記を説明するために、機会と強みに焦点を当ててみましょう。先ず、世の中で何が起こっているか?を考えます。世の中で起こっている変化は自社ではコントロールすることが出来ません。しかし、その中で、誰かが、何かに困っていることがあるでしょう。そして、その困っていることに対して自社が解決できることは何か?自社の強みを活かして解決できることは無いか?と考えていきます。もし自社でソリューションを提供出来るとしたら?それを戦略的に実行する!といった発想です(詳しく知りたい方は、講演会を参照)。



同様に、機会と弱みの組み合わせ、脅威と強みの組み合わせ、脅威と弱みの組み合わせで、それぞれ何が考えられるか?をごにょごにょと考えることがクロスSWOT分析の極意です。



クロスSWOT分析をすすめていく上で、有用なフレームがあります。外部要因と内部要因、それぞれをみてみましょう。



まず、外部要因を考える場合、外部要因を1)マクロ要因と2)ミクロ要因に分けます。



1)マクロ要因は、外部要因の中で更に大きな外部環境といったイメージで、P-SETを考えると良いでしょう。これは、P:政治、S:社会、E:経済、T:技術について、それぞれどのような変化が起きているかを考えることを意味します。それぞれについて自社にとってプラスになる事があれば機会と捉え、マイナスになる事があれば脅威と捉えます。



2)ミクロ要因は、ファイブ・フォースが便利です。ファイブ・フォースとは、業界を取り巻く構造を理解するために、競合環境、代替品、新規参入、売り手と買い手の5つの要因を調べていくことです。やはり、これらの要因について自社にとってプラスになる事があれば機会と捉え、マイナスになる事があれば脅威と捉えます。



このように外部環境は、1)マクロ要因と2)ミクロ要因をそれぞれ分けて考える事によって機会と脅威の抽出にモレが少なくなります。



次に、内部要因です。こちらは、バリューチェーンの概念が便利です。バリュー・チェーンとは、企業が顧客に価値を届けるまでの一連のプロセスを示したものです。バリュー・チェーンを明確にした後、そのプロセスごとに自社の強み、弱みを考えていくことでやはり、モレが少なくなります。



強み、弱み、機会、脅威の抽出が終わったら、クロスさせて何が出来るかを考える。クロス分析において、企業が進む方向性を考える場合は、成長マトリクス(アンゾフ??・多角化経営)が便利です。他にも、企業のポジショニングを考えるときは、ポーターの競争戦略を使ったり、ブルーオーシャンを使ったり、戦略のフレームを利用するとクロス分析がやりやすくなるでしょう。



クロスSWOT分析、実に奥深い戦略のツールです。



コメントをどうぞ

CAPTCHA