睡眠と生産性について

2022年3月7日 月曜日

安藤です。

EAP,スクールカウンセリングの現場では、睡眠についての相談が増えています。日本では、5人に1人は睡眠障害といわれています。そして、睡眠に問題があるひととない人との間には、生産性に少なくも約3%の差が生まれるため、「睡眠不足で日本のGDPは2.9%損なわれている可能性があり、最大で15兆円」とした、アメリカ・ランド研究所の有名な推計があります。https://doi.org/10.7249/RR1791

厚生労働省では、生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善等に関する課題について目標等を選定し、国民が主体的に取り組める国民健康づくり運動として「健康日本21」を推進しております。また、合わせて睡眠について設定された目標に向けて具体的な実践を進めていく手だてとして「健康づくりのための睡眠指針2014」を策定するなど、より良い睡眠を取ることの重要性を啓発しています。

睡眠と業務生産性の関係について、睡眠の役割から考えてみましょう。睡眠は、健康的な生活をサポートする重要な役割があります。今回は4つ挙げます。1点は、身体と脳の休息(副交感神経が優位・脳の老廃物除去)、 2点めは記憶の整理と定着(エピソード記憶、身体で覚える事柄の記憶、忘れる)、3点めはホルモンバラナスの調整(成長ホルモンの分泌:骨や筋肉を作る、代謝をサポート)、4点めは免疫力向上(免疫細胞の役割を正す、免疫細胞の働きを促進)です。 睡眠障害、不眠は、上記の4点からも理解できるように業務においてローパフォーマーにつながる、また、メンタル不調者になっていく可能性が高いと考えられます。よって、良い睡眠は健康だけでなく、ハイパフォーマーとして日中高い集中力を発揮し、判断力にも長けています。

次に睡眠障害、不眠の原因について記します。①生活習慣の乱れによる不眠(就寝前のパソコン・TV画面、明るい光、残業など、②身体的疾患に伴う不眠(頭痛、腹痛、アトピー性皮膚炎、喘息、前立腺肥大など、③生理学的な不眠(時差ボケ、交代勤務、短期間の入院など ④心理学的な不眠(心理的ストレス、不安、緊張など ⑤精神疾患に伴う(うつ病など) ⑥薬の作用に伴う不眠(降圧薬、ステロイド剤、中枢神経刺激剤など)があるといわれています。⑥に関しては、年代によって特徴的な症状が違います。若年者(10代、20代)の不眠の傾向は、概日リズム睡眠障害が多い生活リズムが極端にうしろにずれる、深夜まで(朝、起きられない)、自分はダメなんだ、起きれないから仕事も無理などがあります。その場合は、平日、休日の起きる時間を一定にすること、睡眠に対する正しい知識を習得が必要です。睡眠リズム改善の基本は、早寝ではなくて早起きから開始することが良いといわれています。中高年者の不眠の特徴は、高齢になると、活動量が減り、身体的疲労も少なくなり、必要な睡眠時間が減ります。生活リズムが前にずれる(早期覚醒)です。対策としては、日中の活動量を保つ、朝早くから太陽の光を浴び過ぎない、1日をメリハリある生活にする、睡眠に対する正しい知識の習得が良いとされています。

良い睡眠は、ハイパフォーマに影響してきます。そして、日頃睡眠時間が短い場合は、仮眠をおすすめします。仮眠は午後の生産性をあげるためにとても有効な手段です。15分~20分程度が適切です。

最後に、厚生労働省が案内している「スマート・ライフ・プロジェクト」※公式サイトをご案内しておきます。人生100年時代、健康寿命には「良い睡眠」は必須です。サイトは、こちらです。https://www.smartlife.mhlw.go.jp/sleep
何かお役にたてることがありましたら、気軽に弊社にご相談くださいませ。




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