ギグ・ワーカー

2020年1月5日 日曜日

早嶋です。

ギグ・エコノミー(Gig Economy)は、スマフォ経済によって2つの次元が昔と比較して自由度が高まったことで生まれた経済空間です。時間によるタイムシフト、場所によるロケーションシフトの2つです。このシフトが実現することで、その経済圏にいる人の働き方が変わります。そこで誕生した働き手をギグ・ワーカー(Gig Worker)と称します。

Gigは英語の俗語(スラング)でミュージシャンが単発ライブを行うことをギグと呼んでいたことから、単発の仕事を指す言葉として使われるようになり出来上がった言葉です。

表向きは働き方改革、実際はコストカット等の一つの手法として正社員が行っていた仕事を外注する企業が増えています。従来は一つの仕事を案件単位で請け負ってもらい案件を仕上げていきました。しかし、新たな経済圏により空いているスキマ時間で仕事を担って頂くような外注の依頼が可能になってきたのです。

ウーバーなどはまさにそのような形態で、本業の合間のわずかな時間でも自家用車でタクシーの運転手が可能です。決まった時間や場所に居なくてもスマフォによって仕事の依頼と受注が出来るため従来では考えられなかった自由な労働ができるようになりました。

従来のフリーランスやアルバイトと異なる点は、仕事を提供する側と仕事を受ける側の間にプラットフォーマーが介在する点です。労働を提供する側はプラットフォーマーと雇用契約を結び単発の仕事を行います。派遣のような概念ですが、仕事の単位が数ヶ月とか1ヶ月ではなく単発の仕事単位で互いに自由に仕事の依頼ができるようになったのです。派遣と違って事前の登録に手続きも必要なく簡単に始めることが可能です。

ギグ・ワーカーの利点は自分の好きな時間に自由に仕事が出来る点です。従い、日本でも隙間時間を活用して仕事を行い、給与に加えてお小遣いを得たいという感覚ではじめる人も多いと思います。また、縛られること無く自分の最良で必要な金額を稼ぎその他の自由な時間を自分のために使う。という目的でギグ・エコノミーに参加している人もいるでしょう。子育て中の主婦、家族の介護をしている方、学生など何らかの理由で長時間労働はできないけれども金銭が必要な方からしても良い仕組みです。

一方で、仕事を提供する側からすると同様の仕事を日本人以外の世界中の方々に同時にオファーするチャンスを得ることが可能になりました。限られたエリアで、限られた人材を集めて仕事をお願いするという発想をなくすことができるのです。

当然、ウーバーのように物理的なロケーションがある程度重要な仕事は別ですが、文字の入力やPCを伴う仕事などは時間も場所も関係ありません。そのような仕事に関しては仕事を得たい人が増えれば増えるほど仕事の取り合いになり、結果的に労働単価は安くなるか、単発の仕事であっても過去の仕事の仕方が上手な人にオーダーがいく仕組みが確立されるようになるでしょう。競争が世界規模になり、先進国は多くの後進国の人たちと小さな仕事を取り合うことが予測されます。結果的に時給が下がるという構図が見えてきます。

また、国が進めるように最低時給を1,000円以上にすると経営者は定期雇用という選択肢をしなくなるでしょう。更に同一賃金という概念が浸透すれば割高な給与を支払っている人に対して賃金を下げる格好の理由になります。私は政治家が目論んでいる世界と真逆の方向に経済が進むと考えられます。そこにギグ単位で仕事が発注できるとなると、ますます競争は激しくなるのです。資本家や経営者からするとハッピーな仕組みですが、労働者からすると実に恐ろしい仕組みだと私は思います。



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