パッケージ

2009年1月26日 月曜日

早嶋です。



本日は、朝から山口大学で仕事でした。現在、新幹線の中、小倉を過ぎたところでしょうか。



ブログ「マーケティングミックス」でコメントしましたが、プロダクトの中のパッケージについてです。



デルモンテは桃の缶詰をカンから瓶に変えただけで、その売上を伸ばしました。消費者は、瓶詰めの桃を見て、おばあちゃんが作ってくれた桃のデザートを彷彿としたのです。そして、ガラス瓶入りの桃の方がおいしいと評価しました。



アイスアイスクリームも四角の容器に詰めたときよりも、丸い容器に詰めたときの方が良く売れるというデータがあります。消費者に味覚テストをした結果、丸い容器の方をおいしいと評価したのです。もちろん、中のアイスクリームは変わりません。



これらはまさにパッケージの効果です。パッケージを変えるだけで、価格を少し高くしても消費者は喜んで購入するのです。別にアイスクリームにトッピングを加えたりしたわけではありません。



これに関して、消費者をだましている!と考える方がいるかも知れません。四角の容器の代わりに丸い容器にアイスクリームを詰めるだけで価格を少し上げているからです。しかし、消費者はおいしいと感じるアイスクリームに価値を感じ対価を支払っているだけのことです。



アイスクリームにトッピングをした方をおいしいと感がるように、丸い容器に入ったアイスクリームがおいしいかもしれない!と消費者は考えるのです。もちろん、トッピングの有無については明確に分りますが、丸い容器のアイスクリームが以前のアイスクリームよりおいしいかどうかの違いは分りません。



これをずるい!と考えるか?



メーカーはアイスクリームの味やトッピングのように実感できる改良によってでしか利益を上げてはならないという決まりは存在しません。本当においしくない商品は、パッケージだけではごまかせないでしょう。実際、味はとても重要です。しかし、全てではありません。消費者は味だけでおいしいと判断するのではありません。



食べ物を口に入れた瞬間、味らい、という唾液腺で感じた味を反応します。加えて見た目の印象のような視覚情報、記憶や想像力を伴って得た感覚にも反応します。つまり、味だけに注力するのは、人の感覚の一部に注力しているということになります。丸い瓶のパッケージは全体を意識し、より消費者のことを考えていると言えるのです。



アイスクリームに限らず、商品の中身、つまり機能だけを考えるのではなく、使用状況や使用方法をよく考えてトータルで商品を完成することが大切です。パッケージはそのための1つの構成要素なのです。



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