世界は一つ?

2006年7月8日 土曜日

早嶋です。



「フラット化する世界」の1節から。



03年、インディアナ州政府は、失業保険給付申請を処理する週のコンピュータシステムのアップグレードの下請けを入札で決めた。落札したのは?インドのタタ・コンサルタンシー・シービシズのアメリカの子会社、タタ・アメリカ・インターナショナルだった。タタの入札額は1520万ドルで、最も価格が近かった、NYに本店の在るデロイト・コンサルティングとアクセンチュアの入札額を810万ドルも下回っていた。大仕事だったので、インディアナ州の企業は1社も入札に加わらなかった。(以上、抜粋)



つまり、インドのコンサルティング会社が、インディアナ州政府の失業保険担当の下請け事業を請け負うことになったのです。タタは、州政府とともに仕事を行うために、社員を現地に派遣し、地元の下請け業者にも呼びかけを行ってプロジェクトを遂行する予定でした。



このプロジェクトは一度承認されたのですが、当時の知事の急な死去によって、協和等がこの契約を選挙の争点に取り上げたのです。そう、インディアナ州の失業問題を訴える候補者が、インドの会社に下請けするのはおかしいと。



結果的に、この契約は取り消され、今後、同じようなことが起こらないように法的な障壁まで設定されたのです。そして、インディアナ州の企業も入札に参加できるように契約を細分化することも行いました。



果たして、これは朗報なのか?短期的に見ると、インディアナ州の企業はうれしいかも知れない。また、失業問題を解決することが出来るかもしれない。



タタが参入する時に、現地のエンジニアを使う予定もあり、少なくともインディアナ州の雇用は創出されたかもしれない。そして、圧倒的な価格で実現できるタタによって、州の予算が大幅に節約できたのも事実です。



つまり、インドの会社もインドの技術者も、インディアナ州の失業者も、そしてインディアナ州の住民も貴重な税金を節約できた。長い目で見れば、その余った予算で、別のプロジェクトを発足することができ、失業問題にも取り組めたかもしれない。



大前さんが唱える旧世界であったり、トーマス・フリードマンが唱えるグローバリゼーション2.0の世界では、バリューが垂直に創られてきました。つまり上下の関係が明確で、何処で誰が利益を上げているかが明確でした。しかし、新世界や、グローバリゼーション3.0という世界は違います。フラット化がはじまったことで、バリューは水平に生み出されたことが多くなったのです。つまり、従来とおり、上下関係でものごとを考えたのでは判断に無理が生じてくるのです。



これは、何やら大きな話なので、関係ない。ということにはならないと思います。地元を優先するからといって、小さな枠の中で考えていても、実際は、世界が一つになっていることを理解したほうがより良い解決さくが生まれるかもしれません。経済学でも政治学でも、製造や研究開発の分野であっても当事者はこの水平化ということ、または新世界や、グローバリゼーション3.0で説明される世界をもとに判断を行う必要があるのです。



—ただ今、ブログマーケティング実験中。—



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