早嶋です。
この一週間で、空気が一気に冷え込んだ。子どものソフトボールの応援も、夏の装いから冬の防寒へ。秋がなくなったように感じるほどだが、ふと見渡せば、木々は確かに紅葉している。秋は、まだそこにいる。
プラットフォームから、今年も新米が届いた。BBTからも同じく、長野の秋の恵みが届く。袋を開けた瞬間に広がる、あの香り。新米を研ぐ水の冷たさに、季節の深まりを感じる。熊本からは、旬のれんこんを使ったからし蓮根。地の辛味が鼻を抜ける。近くの和食屋では、銀杏の焼きと揚げ。独特の苦みが舌に残り、心にスイッチを入れる。台所では、妻が栗の皮を剥き、渋皮煮を仕込んでいる。その姿は、我が家の秋の風物詩だ。
ベランダの紅葉は風に吹かれながら衣替えを始め、葉の先から少しずつ赤く染まり出した。並木道のけやきと銀杏も、まるで合図を交わすように、いっせいに秋の色へと変わっていく。
旧暦では、今は霜月のはじめ。霜が降りるほどに空気が澄み、しかし自然はまだ、秋の光を惜しむように柔らかい。冬の入口で、秋が最後の輝きを見せている。









