原です。
私たちは、地域の「活性化」という言葉を聞いたり話しに出したりします。
しかし、地域の「活性化」とはいったい何を意味するのでしょうか。
この「活性化」という言葉は、「地域」という言葉と同様、決して明確に使用されているものではありません。
したがって、その内容を正確に定義的に捉えなければ、かえって地域経済や地域社会の衰退を引き起こすことにもなりかねません。
また、従来の主な地域活性化策と言えば、大型プロジェクトの誘致、企業の進出などがあります。
これは、空港や高速道路、港湾、工業団地のプロジェクト型の開発を図りながら企業を誘致して雇用を創出するという考え方からです。
一方、産業構造の転換や経済のグローバル化のなかで、企業が撤退あるいは規模を縮小し、多くの地域が社会の衰退や持続可能性の危機に悩んでいます。
現代の地域活性化には、地域住人と地域自治体が自ら主体的に地域を創り出していくことが必要です。地域発展の視点に立ち、これまでの地域活性化策を見直すことが必要です。
ここで、私が体感した「地域活性化」と言えるエピソードを書きます。
私の出身地は、大分県です。大分県内で日本の有名観光地に成長した地域に湯布院町があります。今は、平成の合併により由布市湯布院町です。
昔は、鄙びた温泉地で別府温泉の奥別府とも言われたぐらい知名度は低かったです。
しかし、中谷健太郎さんと溝口薫平さんの2人の地域リーダーを中心に、南ドイツの視察やユニークなまちづくりを企画実行し、コロナ禍を除いた近年では年間400万人近くの観光客を集める日本でトップクラスの人気観光地になっています。
また、湯布院町には、地域ビジョン「33の行動計画」があります。
このビジョンは、湯布院町の地域経済団体が作成し提言。その後、コミュニティマート構想モデル事業、商店街活性化に取り組むなど町の総合計画の素案資料になりました。
以前、私は大分県内の地域経済団体で働いていましたが、当時の湯布院町の会長は溝口薫平さんでした。
地域懇談会で初めて溝口会長にお会いした時には、ドキドキしながら「湯布院では33の行動計画を作成されているのですよね?今でも活用されているのですか?」と質問したところ、「今でも活用しているよ」。さらに、「33の行動計画を見てみたいです」とお願いしたところ、「良いですよ、いつでも見に来なさい。」と答えて頂いたことを覚えています。
このオープンかつ穏やかな回答の仕方には、地域づくりを実践し多くの課題解決を乗り越えてきた地域リーダーとしての人間力の大きさを感じたことを今でも覚えています。
多くの地域や組織が多様な地域に視察へ行きますが、果たして視察から学んだことを実行しているでしょうか。ただの観光旅行で終わっているのではないでしょうか。
一方、溝口さんらは、当時としては命がけで南ドイツ・バーデンヴァイラーを視察し個性のある温泉地づくりを学び、個性のある湯布院づくりを実行しています。
また、多くの地域や組織は景観を壊してまでの公共工事に取り組んでいないでしょうか。
一方、溝口さんらは、悪用目的に農地買収する人への対抗手段を考え、景観が壊れないようにと地主に売買しないでくれと説得に回ったこと。地域づくりのために数え切れない程のアイデアや行動を繰り返しています。
このように、地域のビジョンと行動計画を地域経済団体自らが主体的に策定し提言し、計画を絵に書いた餅に終わらせることなく自治体や地域住民を巻き込みながら実行を継続していることが、「地域発展の視点に立った地域活性化」と言えるのはないでしょうか。それが、地域活性化の定義と言えるのではないでしょうか。
2021年2月 のアーカイブ
地域活性化「33の行動計画」
コンフリクト・マネジメント
安藤です。
ダイバーシティ―・複雑化する働き方の時代、異なる立場や意見の人々に配慮し、どのようにうまくやっていくべきか、今、注目されているのが「コンフリクト・マネジメント」です。また、パワハラ,社員の離職防止などもコンフリクトの状況をいかに読み解き、権力、感情、変化を理解して自分や組織の活性化していくべきかその点が要となっています。心理的安全性の視点でも同様です。更に、EQ(感情知数)の視点では、管理者、リーダーに求められるのは状況を読む解くスキルにあたります。
コンフリクト・マネジメントは、ロジックではなく感情の持ち方が大事という視点で、自分のパワーの考え方や能力を伸ばす方法を学ぶことで、職場のコンフリクトの場で活かせます。
コンフリクト・マネジメントの知識が組織で有益な点としては、①~④などが挙げられています。
①コンフリクトの建設的な交渉は組織内のリーダーシップ、意思決定、リソース、リスク管理の質を改善する。(オンブズマン)
②より強固な人間関係、チームワークを築くことで、会社の利益に貢献する。
③職場での理不尽な使われ方に我慢をする習慣を取り除き、職場でのコンフリクトに対処するための適応力
(コンフリクト・マネジメント)を学ぶことにより、当事者の対応力、関係性問題解決力を育成しより健康的、透明性のある職場環境をつくれる
④職場のコンフリクトが不満や燃え尽き症候群、うつ病、自殺などに進展することを妨げるロジックではなく感情の持ち方が大事という視点で、自分のパワーの考え方や能力を伸ばす方法を学ぶことで、職場のコンフリクトの場で活かす
コンフリクトに対して知性ある行動をしていると判断するにはどうしたらよいのかという視点で、6つの基準があります。①マインドフルネスを実践する ②戦略的であること ③感情を認識すること ④状況変化に対応すること ⑤時を意識すること ⑥規範的であることです。そして、コンフリクト・インテリジェンスを高め、
コンフリクトが良い結果をもたらすための行動基準には3つ(Aコンフリクトの状況、Bコンフリクト・マインドセット、Cコンフリクト・インテリジェンスに基づく戦略で実施されています。
具体的項目Aは、①感情ある責任 ②指令・監督 ③協調的依存 ④不幸な忍耐 ⑤独立 ⑥パートナシップ
⑦敵陣、 Bは ①仁愛 ②支配 ③サポート ④譲歩 ⑤自立 ⑥協調 ⑦競合 Cは ①現実的な仁愛
②建設的支配 ③賢明なサポート ④戦略的譲歩 ⑤選択的自立 ⑥協働 ⑦3Fに基づく競合です。
*3Fとは、公平(Fair)・ゆるぎない(Firm)、有効(Friendly)に基づいた競合を意味します。
状況をいかに読み解き、権力・感情・変化を理解して、自分や組織を活性化していくためのこれから必要な
マネジメントスキル“コンフリクト・マネジメント”をご案内しました。
人的資源開発, キャリアドッグ,EAP,心理学を活用したコミュニケーション,EQ,メンタルヘルス等に ご興味・ご関心がある方は気軽に弊社にご相談くださいませ。
オンライン営業のポイント
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、数回に分けてお伝えしています。
今回は「オンライン営業のポイント」というテーマでお届けします。
昨今のコロナ禍において、営業パーソンの仕事の仕方も変化せざるを得ない状況です。在宅リモートでの業務が増え、これまではお客様の所に出向いて対面でお話しさせていただいていたところが、対面禁止になり「オンラインでお願いします」と言われることもあるかと思います。
すでに切り替えてオンラインで成果をあげておられる方もたくさんいらっしゃることでしょう。私の前職の生命保険会社でも、早々にオンライン営業に切り替え成果をあげている営業パーソンがいるようです。(以前は会社からあれだけお客様に会いに行くように言われていたものが、今はできるだけオンラインと郵送で対応するようにと指示されているようです)
一方で「オンラインで契約がとれるわけがない」「会いに行かないなんてお客様に失礼だ」「やり方が分からず億劫だ」といった声も聞こえてきます。
オンライン営業のメリットとデメリットを整理してみましょう。メリットとしては、時間とコストの節約です。移動、場所、距離を気にする必要がありませんので、商談の回数が増えたり、遠方のお客様と商談することができます。デメリットは、営業お客様双方に環境面の整備が必要です。ネット環境やパソコンが揃っていないお客様とはオンライン営業ができません。その上で、オンラインだと実際にお会いするより伝わりにくい、人間関係構築しにくいなどデメリットと感じる方が多いようです。
ではどのように対処するのか、今回はポイントを絞って2点ご紹介します。
まず1点目は全般的な事ですが、オンライン商談の時間は対面商談より短く区切るべきです。
小さな画面を見続けるのは疲れるものですし、お客様の集中力も対面の時ほど続きません。その上、オンライン商談では営業パーソンが一方的に話す時間が続きがちで、そうなるとお客様も飽きてこられます。
オンライン商談は30分ほどがいいでしょう。短いと感じられるかもしれませんが、オンラインの特徴を活かして時間の長さより回数を重ねる商談の方が効果的です。ザイオンス効果と言って何度も繰り返して接触することにより、好感度や評価等が高まっていくという人間の心理があります。短いCMを何度も流すあれですね。
よって、短時間で効率よく商談する工夫をしたほうが、間延びせずお客様に伝わります。
2点目はオンラインで名刺交換もしたことのない方と人間関係を構築する方法です。
オンライン商談だといきなり本題に入ろうとする方がおられますが、やはり対面の時と同じように最初は雑談(時節の話題やあいさつ)や自己紹介から始めるべきです。せめて2分ぐらいは頑張って時間をかけましょう、実際オンラインの雑談で2分はけっこう長く感じるものですが。
その際、こちらのプロフィールは事前にお送りしておく、お客様のことは事前に情報収集しておくことが肝要です。対面の時と同じようにお客様に興味を持つことが会話を活性化させます。同じくこちら(営業パーソン)にも興味を持っていただけるような自己紹介を工夫しましょう。
そして、表情や反応、手振りを通常の1.5倍を心掛けることです。オンラインではなかなか伝わりにくい感情も少し大げさに「そうなんですか!」と驚いたり、「それはうれしかったですね!」と共感することでお客様に伝わり、つられてお客様も笑ったり驚いたりしてくださいます。そうやって打ち解けていき関係構築します。
心理学用語でミラーリングと言って「鏡の法則」とも言いますが、こちらが笑えば相手も同じように笑ってくれます。こちらが声を張ると相手もつられて声のトーンをあげてくれます。そのようにオンライン営業を盛り上げ、人間関係を構築していきます。
今回はオンライン営業のポイントを2点に絞ってご紹介しました。今後自社の営業にオンラインを活かしていきたいとお考えの経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
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