前回まで、
「営業マネジメント」のありかたを変える,具体的には“「事前管理」を行う事で,勝手な
行動は許さない”をとりあげました。今回はそれを具体的に週末の営業会議での会話に置
き換えてみましょう。
上司:西村君,来週の君の行動計画を聞かせてくれないか? 訪問予定は何軒だい?
部下:はい,来週は5件の予定です,あとは飛び込みで訪問するつもりです。
上司:そうかい,それに関して二つ尋ねたいんだ。まず,本来月間計画に沿って考えると,訪問すべきお客様は何軒だったの?
部下:当初の予定では12軒でした,なかなか予定通りにいかないんですよ。こちらの都合通りにアポイントを頂くこともできませんし。
上司:なるほど,アポイントが取れなくて訪問すべきお客様に訪問できないでいる訳か。それじゃあもう一つの質問だが,その5件にはアポイントは頂いているんだね?
部下:ええ,一応伺う事はお伝えしています,ご担当の方も恐らくいるだろうっておっしゃっていましたので。
上司:つまりはっきりとした約束を頂いているわけではないんだね,それでは君の訪問の目的は何なんだい? その5件に対して,それぞれどんな準備をするつもりなの?
部下:ええ,目的は情報収集です,まあ色々と情報を頂こうと思っています。
準備って・・・,サンプルの提案書をお持ちしようと思います。
上司:お話をお聞きできるところまでは進んでいるんだな,それで今週は何について情報を頂くつもりなの,進めるためにお尋ねすべきことはリストにしてあるのかい?
部下:そこまではまだ・・・
上司:いいかい,今から言う事を今日中に仕上げて報告してくれないか,15時までにね。一つは本来の予定通りに12軒全てのしかるべき人にアポイントを頂くこと。もう一つはそれぞれのお客様の訪問目的とゴール,そのために何を準備するかだ,いいね。
部下:はい,分かりました。
こんなシーンはありませんか,もしこんなことが起きているようなら赤信号です。成果を
挙げるためにはもう少しキメの細かい指導が必要ではないでしょうか。
2010年8月 のアーカイブ
上司のコーチング15
上司のコーチング 14
前回まで、
“行きやすい所にばかり行っている”という問題を解決するために「営業マネジメント」
のありかたを変える,具体的には「訪問計画を長い視点で考える」事をとりあげました。
そして管理先の顧客数,ABCのランクに分けた顧客軒数,一カ月に訪問できる回数を計算し
て,年間の訪問計画を立てるところまで進みました。ここで大事なことは,“80%以上の売
り上げや利益を頂く約20%の重要な顧客に,80%以上の時間を充てる”ことでしたね。
一般に営業パーソンはお客様を万遍なく訪問したがる,特に「好きな顧客,気が合う顧客,
気楽な顧客」に時間をかけたがるものです。お分かりのことでしょうが,これは意味がな
いばかりか有害です,マネジャーは何が何でもこれは阻止しなくてはなりません。
そのためにはアクション・コントロール(行動管理)が有効で,唯一効果的な管理方法だ
と思います。具体的に言うと,「事前管理」を行う事で,勝手な行動は許さないことです。
勿論,全員がそうではありません,正規分布の問題です。自分で考えて,効果的な訪問計
画を立てられる営業パーソンもいます,しかしそれは“100人に一人か二人”が実感です。
顧客ランク別に毎月の訪問回数を決めましたね,管理するというのは,“4回行くと決めた
顧客へは確実に4回訪問する”を確実に実行させることです。実際の指導の場面では,例
えば毎月の会議でなら,年間で計画したとおりに訪問計画を立てているか,計画の通りに
目的を明確にして訪問を計画しているかです。
「他にも大事な顧客があって,予定通りには訪問できません」などと言わせないでくださ
い。繰り返し言いますが,大事な顧客とは大きな売上計画を立てている顧客のことです,
担当者が行きたいところではないのです。
毎週のコーチングなら,その週に予定した顧客がもれなく訪問されるようになっているか
を問題にします。週間計画で大事なことは“訪問目的に照らして本来会うべき人にアポイ
ントをとっているか“です。「会うつもりでしたがアポが取れませんでした」とか,「訪問
したけど会いできませんでした」などと言わせないことです。
次回はこのやり取りを実際の会話に置き換えてお届けします。
セミナー報告
本日は、NTTラーニングシステム@新橋にて『「1-Day(ワンデー)MBAシリーズと超実践!シリーズ』の公開講座です。参加者の方々、よろしくお願いします。
—以下、参照—-
NTTラーニングシステムズ株式会社主催の人気講座「1-Day(ワンデー)MBAシリーズと、今年度から新たにラインナップに加わった「超実践!」シリーズが無料体験出来るセミナーです。1-Day MBAで理論・フレームを学び、超実践講座で現場での活用法を身につける。2つを組み合わせることでさらに大きな効果を発揮する両講座のエッセンスを、半日で体験頂きます。
今回は1-Day MBAシリーズから「1-Day MBA マーケテイング」、超実践!シリーズから、「超実践!プレゼンテーション力強化」セミナーを体験頂けます。
<日程>
1)2010年8月5日(木)13:30~17:00
場所:東京都港区新橋4ー21ー3 新橋東急ビル
★お問い合わせ
admin@eqpartners.com
上司のコーチング 13
前回まで、
“行きやすい所にばかり行っている”という問題を解決するには「営業マネジメントのありかたを変える」こと,具体的には、1)訪問計画を長い視点で考える。1)日常の指導は「行動予定」に対して行う。3)個々の顧客との取引の進め方を一緒に考える、でした。
つまり,営業マネジャーがマネジャーとしての仕事を確実に行う事です,しかもそれを適切なやり方で行う事が出来れば,目標達成の確率を上げることにつながります。近道はありません,地道にやって行きましょう。
今日は前回の続き,「年間行動計画」を立てるためのコーチングのシーンです;
上司:君のお客様の総数は何件だったっけ?
部下:総数ですか、約200軒です。
上司:すると管理対象の顧客は約40軒だね,どんな訪問計画を立ててるの?
部下:実はまだ立てていません,どうやって立てるのかよくわからなくて。
上司:今時間があるなら,ここで基本的な考え方を整理しておこう。資料を準備して。
部下:はい、分かりました。
上司:まず訪問回数の総数を考えてみようか,君の場合一カ月に何回訪問できるの?
部下:そうですね,一日5軒として,1週間に5日ですから,1か月で100回です。
上司:ちょっと待って,それじゃ余裕がないね,週に4日にしてはどうかな。
部下:そうですか,そうすると80回です。
上司:それで顧客をランクに分けたよね,A,B,Cランクはそれぞれ何軒だっけ?
部下:Aが5軒,Bが10軒,Cが25軒です。
上司:訪問頻度はどのように考えてるの?
部下:Aは月に4回,Bは月に2回,Cは月に1回です。
上司:4×5+2×10×1×25=65,全部で65回は管理先に充てるという事だね。
80回の訪問のうち,80%を主要な顧客に充てる訳だから妥当な数字だね。
部下:そういうことになりますが,他の顧客への訪問ができそうもないですね。
上司:80%以上の売り上げや利益を頂く顧客に,80%の時間を割くのは当然だよ。
これをもとにして,あしたの正午までに年間の訪問計画を立てて見せてくれないか。
部下:はい,分かりました。
こんな感じで進めて見ませんか?
Webショッピング
Web環境が整い、Webで買い物をすることも当たり前になりつつあります。初めてのショッピングのときは、カード番号を登録して送信ボタンを押すのが怖かった記憶があります。そのため、一度購入したサイトで実際の商品が届いたら、継続的にそのサイトを利用する傾向が強いです。
この感情をうまく利用しているサイトはやはりアマゾンでしょう。一度利用すると、再び、クレジットカード情報を入力することなく、ぽっちっとワンクリックする事で商品を購入する事ができます。きっと、多くの消費者は、様々なサイトで情報収集するでしょうが、実際に個人情報を登録しても良いと思っているサイトは数サイト程度でしょう。やはり、Web上での個人情報の登録に対しては保守的だと思います。
最近、Webでお買い物をするときに、思うことがあります。例えば、楽天や価格comなどのサイトは、欲しい商品を検索すると、関連する商品が沢山でてきます。実際、選択肢が多くてどれを選択して良いのか迷います。価格comは価格の違いがあるだけで商品は同じです。ただ、数万の商品に対して、価格差が数百円だったら、どこを選んだほうが良いのか?逆に戸惑います。
行動経済学では、このことをChoice of paradox と称し、人は6種類程度以上の選択肢があった場合、逆に選択する事に悩んだり、実際に自分が選択したモノに正当な理由付けが出来なくなるため、選択する事をあきらめる行動が言われています。Webは情報が溢れているので、この現象が頻繁に起きていると思います。
そんななか、専門家やその道のプロがお勧めするサイトが注目を集めています。あえて選択肢を提供せずに、商品を少数、或いは一品に限定して販売しているサイトです。こちらは選択の自由がないのですが、選択肢が多くて悩むこともありません。
Webの世界、一方がNGだったら、すぐにそれを補完する仕組みが出来ている。すごいスピードで対応している事は確かです。すごいです。
早嶋聡史
ビジョンを持とう!
最近、経営者や起業家、もしくは学生の方々に対して、将来の事を考える、いわゆるヴィジョン・ミーティング的なワークショップを開催しています。たまたま企業研修に参加して頂いた方が声をかけて下さり、早嶋にファシリテーターになってくれないか?という事がきっかけで不定期に開催しています。
将来について質問を投げかけると、多くの方が「老後の不安」を掲げています。しかし、一体老後の何に不安を抱えているのか?実際、どのような人生を送りたいのか?いろいろ聞いていると、老後の不安のせいにして、実は考えていないだけのことだった、というのが多いのです。
例えば、8割くらいの日本人は「将来のため」という項目で貯蓄をしています。しかし、その貯蓄の具体的な使い道を聞いても、あやふやな考えしか返ってきません。実際、貯蓄したお金は、お墓まで持っていくパターンがほとんどです。
世の中の統計をみると、海外では高齢者になるほど金融資産が目減りしていく、つまり消費していくのが普通です。一方、日本では年金の3割を貯蓄に回していると言われています。そのため平均的な日本人は高齢になるにつれ資産が増えていき、最終的に平均3000万円から3500万円の資産を残して死んで行くのです。
更に資産を運用する発想はほぼなく、貯金が唯一の方法かの如く、リターンが1%以下の金融商品に平気で置いているのが現実です。
定年後、確かに不安は在るでしょうが、年金も生命保険もあるのです。それなのにせっせと貯金する。そしてその目的は「いざというとき」。そして、いざというときを問うと、自分が寝たきりになったり、介護が必要になったことの事を話します。確かに年をとるとどうにもならなくなる場合もありますが、統計を見ると介護が必要な70代後半の割合は現在でも15%程度です。多くの人が介護が必要になる前に、元気に逝くか、病院で息を引き取っているそうです。
老後。
簡単な言葉ですが、もう少し人生の設計をして、自分がどうしたいのか?を含めて考えると、時間やお金の使い方に幅が出てくると思います。そして、自分がどうしたいのか?を具体化する事で、若いうちから取り組むべ事が見えてくるから、実際に達成する確率が高くなります。老後の心配にまわすお金を自分が設計する老後にフィットしたお金と時間の使い方が出来るので、堂々とお金と時間を使う事ができるのです。
先日、日本人の平均寿命が更に更新されたと報道が在りました。男性が79歳、女性が86歳です。この統計値は、生まれてからすぐになくなる方の総数なども含まれているので、今30代とか40代の人は、この平均寿命よりもさらに長くなるでしょう。
例えば、今40代だったら、男性は79歳より長く生きられう可能性があり、後40年以上。女性だったら86歳より長く生きる可能性があり、後50年くらいの余命があることになります。60歳でかりに会社を離れたとしても、実はたっぷり時間があるということがわかります。
もし、退職するその時まで、退職後の事を考えていなければどうでしょうか?退職してから時間があるから?では、実際に自分が何をしたいのか?も考えずに、これまで通り惰性で生きていくかもしれません。
もちろん、否定はしませんが。せっかく自分の人生です。自分でコントロールして生きていく方法もあることを知っておくことは、自身の生き方をワクワクさせることにつながるかもしれません。
早嶋聡史
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