早嶋です。
モラトリアムとは返済猶予制度ともいわれ、中小企業向けの融資や個人の住宅ローン返済を猶予するための法律です。借入返済を今すぐせずに、少し待って、と金融機関に言えるというのが大きなメリットでした。リスケジュールと異なり銀行が行う格付けが下がらないというのが当時の触れ込みでした。
そもそもの目的は中小企業及び住宅ローン利用者に対して金融の円滑化を図り、国民経済の健全な発展というもの。中小企業等で金融機関に対して債務弁済が難しくなった場合、当該債務の返済負担軽減を金融機関に申し出ました。その際、中小企業の事業について改善、再生の可能性を勘案して、できる限り貸し付け条件の変更、旧債の借り換え、当該債務を消滅さえるための株式取得などを行うよに勤めるという内容です。
民主党に政権交代して金融担当相に就いた亀井静香・国民新党代表(当時)が強硬に導入を主張、中小企業金融円滑化法として実現されました。法令により、一斉に返済を猶予するモラトリアムの実施は、借りた資金を返せるのに返さない(モラルハザード)企業等がでる可能性もあるとということで導入当初は反対論が多かったはず。
そこで個別の融資案件毎に金融機関が審査して返済条件を見直すというルールができました。これによって表面上のモラルハザードを回避しようと言うのです。しかし、実際はざる。中小企業の要望があれば、できる限り返済条件の変更に応じるといるという努力義務がいつしか、金融担当相の繰り返す指示により、義務になるかのごとく金融機関が受け入れ始めたのです。
結果、膨大な件数の融資条件の見直しが行われます。申し出があった企業の経営状況を把握して、理解して、見込みがある等と勘案することむせず、只只モラトリアムを実行する始末。ひん死状態の中小企業にとってはありがたい話ですので、成立した2009年12月から申し込みは殺到。実際、金融機関にとっても、貸し付け条件の変更やDESなどによって、多額の損失で発生していた債務超過が解消される可能性があるということで、追加融資を進んで実行しました。
ある小売店は、近隣にオープンした量販店の影響を被り売上が従来の2/3に減少、2期連続で赤字を計上して債務超過になりました。事業収支による借入金の返済は不能に、しかし小売店の代表が個人貸し付けで返済を行い、アフターサービスに力を入れて赤字を解消するという事業計画を練り直します。金融機関は、代表からの借入金を自己資本とみなして債務超過とならず、特段の問題のない貸付先として評価しました。
ある製造メーカーは、技術本意で売上を伸ばしていましたが、昨今の急激な円高に対応が遅れ債務超過に転落します。省力化やグローバルビジネスに対応するために融資を受けたくても出来ません。そこで金融機関は技術力を評価して、新たな事業計画をベースに、資本性借入金への条件変更を認め、債務超過を一気に解消します。ある種のDESの実行です。資本性借入金の金利は業績連動型となっており、投資効果が現れるまでは金利負担は低く、それだけ資金繰りが楽になりました。
モラトリアムは、先延ばしという意味が含まれ、戦争や天災等で債券の回収が困難になった場合、信用制度の破滅を防ぐために返済に猶予を与える仕組みです。モラトリアム法は、信じられないような救済事例が星の数ほど存在します。しかし、これには期限があります。2013年3月。駆け込み需要の懸案以上に恐怖なのは、期限後に顕在化する大量の倒産事例の発生です。
金融庁のまとめによると、法律が施行された2009年12月から中小企業で融資条件の見直しを申請したのは、累計で313万社を超えます。そのうち見直しが実行されたのは289万社以上。申請した企業の9割以上が実行された計算になります。そして、その債券の総額は約79兆円。内訳も、地銀や第二地銀などの地域銀行が130万件、37兆円あまり、信用金庫が98万件、18兆円あまりです。
正確な数字が良く分っていない背景に、同じ融資で条件見直しを複数回行うなどの重複があり、実際の債券額のどの程度がモラトリアムの対象となり潜在的な不良債権になっているのかが不明なようです。しかし、多くの専門筋は40万社、80兆円の融資が潜在的に不良債権になっていると指摘しています。
そのような最中、銀行の株式保有の5%ルールが見直されています。一般事業会社への出資上限を20%まで引き上げるというのです。モラトリアムが終了すると、金融機関にDESを推進させるかのように、貸し出しを資本に変えなさいと言わんばかりの金融庁のお達し。
例えば、未上場企業で資本金が3000万円で負債が5億円等はざらにあります。ここに5%のルールが崩れたら、DESを行い金融機関が株式を保有するのです。しかし、実際は、金融機関もDESの行使を拒むと思います。倒産する企業が目に見えているのに解は無い。もちろん、DESを行っても金融機関は損をするだけです。
国も、金融機関も、政府もなす術がないのです。言えるのは当時の金融担当相の亀井静香が原因ということだけ。自民党は直ちに何をすべきかを決めなければ、安倍政権が訴えた経済の立て直しの直後に最悪の倒産件数を記録することになります。民主党3年間に埋められた時限爆弾にスイッチが入ったかのごとく。
結局、倒産すべき企業を無理くり延命させることに要因があったのです。企業倒産は絶対の悪ではありません。経済活動の中で競争によって強弱ができることは自然な姿。企業は互いに切磋琢磨しなければ資本主義経済は成立しません。倒産する企業が世の中にとって必要不可欠な場合は、会社更生法によって再生が図られます。融資をしている銀行は債権放棄をし、株主が減資で利益を失います。これらも経済活動の正しい側面です。
モラトリアムはそれらを意図的に止めてしまった結果です。本来は倒産して整理される債券だけがつり上がり、金融機関から見ると不良債権が際限なくふくれ上がる。ゾンビのような企業がはびこってしまう。それを金融機関も支えることが出来なり共倒れする。そして国がケツを拭くはめに、つまるところ結局は国民のツケとなる。我々の税金が原資となるのです。
2012年12月 のアーカイブ
モラトリアム
社会資本
選挙でぼやけた感があります。笹子トンネルの事故。日本の行動経済成長がスタートした1970年代から徐々に公共工事が盛んになり、交通インフラなどの整備が進みました。現在、インフラ投資が積極的に行われた時代から30年、40年が経過します。社会資本は道路、港湾、上下水道、橋などで、今回の笹子トンネルは、今後おこりうる社会インフラの前兆のように感じます。
国土交通省の資料を見れば、現在の社会インフラを維持更新するための資金は爆発的な金額になるようです。
参照:図表152 従来通りの維持管理・更新をした場合の推計(国土交通白書2012)
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h23/hakusho/h24/html/n1216000.html
この資料から考えられることは、これまで通りのインフラ維持は正解ではないようです。マネジメントの徹底的な効率化を図り、社会資本にも選択と集中が必要になると思います。残す社会資本、残さない資本。それをどのような順序で行うのか?これを真剣に考えなければ税金がいくらあっても足りません。
運営する資金についても、再検討が必要です。公的資金に頼らずに、効率的に資金を集めるPFI等の推進。官民の癒着を回避するためにこれまで以上に国民の関与が必要になるでしょう。
今回の笹子トンネルの事故もそうですが、常に責任の所在と罰則が不明確です。従って、なんとなく時間が過ぎると風化して、トンネル事故で終わってします。そもそも、トンネルの天井に意味も無く1枚1トンの板を何故つけてるの?と思いました。そのようなトンネルが全国に数十、数百もあります。のの根本は社会資本に巨額なお金が投資しているグレイな背景があったことをかいま見ることができました。
そのような視点で社会資本を眺めると、なんで?と思うことが多数あります。田舎に行くと誰も歩いていないのに、歩道が車道と同じくらいの幅で整備されている。河川では、自然の姿を取り壊してコンクリートの壁で塗り固められる。年度末になるために、道が掘り返されて再び埋められる。地方の自治体の施設は、全て最新の設備で作られているのに省エネということで電気が止められ、誰も使っていない。
笹子トンネルの事故を悲惨な事故で終わるのではなく、過去からの癒着や無作法な管理などを正しく洗い出し、今後、どのように維持管理すべきかを議論する。加えて、追加での社会資本に対しても日本全体のビジョンのもとに計画していく。少なくともピンポイントで発生的な穴埋めはしない等を検討して欲しいものです。
ダイソーの改装
100円ショップ大手のダイソーが既存店の改装に力を入れています。背景は、1)施設の老朽化、2)売上のテコ入れ、3)ターゲット層に合わせた店舗プレゼンテーション、です。
ダイソーの店舗展開は、2000年頃に集中しており、結果、一気に店舗の老朽化が進んでいます。売上も2012年3月期で3415億円で、ほぼ7年以上も横ばいが続いています。それからダイソーの顧客層の7割が女性で、うち30代から40代の主婦層が5割とハッキリしています。
今年の10月に改装開業した兵庫県尼崎市の大型ショッピングセンター内にある店舗では、改装後の売上が前年比で5割増えています。そこで2013年以降の新規出店を抑制して、既存店の改装に投資を集中する意思決定をしています。
従来の店舗は内装や外装の色がバラバラで、陳列方式も店舗任せでした。これを今後は、ピンク等のパステルカラーを基調とした内装に統一。また、陳列棚と棚の間の通路の間隔を従来の倍にして、証明を明るくするなど、30代から40代の主婦層に合った内装に様変わりします。
改装のペースは、年間に600店。全国におよそ2600店舗あるのでこのペースだと5年で全て様変わりする計画です。
さて、この戦略で7年間ステイだった売上に変化が現れるか、注目ですね。
インターンと採用
早嶋です。
大学3年生の夏、春の長期休暇を活用して、実際の就職、社会の体験を積むことで、生徒と企業のミスマッチを防ぐ目的があります。近年の就職情報サイトには、インターンの情報も充実されています。
インターンの先進国アメリカでは、無給扱いのインターンが9割を占めます。インターンは企業が学生を大学入学時から職場体験をさせて、卒業するまでにその職場で必要となるテクニカル・スキルを引き上げる目的もあるようです。就職難の米国では、インターンシップは就職にはほぼ必須。個人のインターンシップが既に採用選考の1つのプロセせうになっているようです。
そもそものインターンの理由は大きく2つあります。
1)超優秀な学校を「エリート候補」として青田買いして、インターンを通じてキャリア形成支援をして新卒で入社してもらうこと。
2)その他の学生は「非エリート候補(課長どまり)」として、採用選考のリスクなくコストを極力安く獲得すること。
上記は主に欧米の理由です。従って欧米では、大きく2つの対象者に対してのインターンプログラムが準備されています。冒頭のコメントは、ミスマッチの解消という社会的な観点にフォーカスしていましたが、実質的には採用選考プロセスの一助をなすものと理解したほうが良いのかも知れません。
一方、日本でのインターンは次の理由が多いでしょう。
1)いわゆるメディアで言われるインターン。採用選考プロセスとは別に、学生の就業感形成と就職活動時のミスマッチ解消を目的としたもの。
2)実質は早期採用選考。インターンを通じて、他企業より先に良い学生を囲い込むためのもの。
社会で定着しているインターンは、1)ですね。そもそも経団連が独自に決めた倫理憲章のような位置づけで、経団連に参加している大企業が、あくまで自主的に守っているルールに過ぎないものという性質があります。つまり、参加していない企業やそもそも大多数を占める中小企業は、守んなくても誰にも何も言われません。
経団連憲章の1)は、2)の行為を禁じていますが、参加していない企業は2)の行為をしたところで別に何の問題もないです。ユニクロは経団連の定めた倫理憲章に疑問を呈しているため、まったく無視しています。
http://blogos.com/article/42747/
大企業と中小企業の差からみても、1)よりも2)を中心にインターンに参加する学生のほうが多いようです。ちょっとグレーな制度ですが、インターンと採用はかなり結びつきが強まっていると思います。
就職率の低下
早嶋です。
大学生の就職率が落ちています。これに対して、職が減っている、大学が増えすぎている、純粋にマッチングしない、など様々考えられます。一方で、卒業したら直ぐ就職というマインドを切り替えるチャンスなのかも知れません。例えば、30歳くらいまでは放浪しながら自分や世の中をしっかりと見つめなおす期間にする。昔と違って、人生50年から今は100年の時代です。自己がないままに社会に出ても、その後のペースが作れなくなるかも知れません。
一方で、就職活動が厳しくて、簡単じゃないかも知れない。そんな環境で自分の将来が見えなくても、例え中小企業であっても就職して、そこで働く人たちと触れ、企業を知り、社会を体験する。そのような体験を通しながら将来のすべきこと、やりたいことを見つけるのが望ましい姿だ。このように考えるのも正解だと思います。
きっと、賛否両論に別れる話ですね。
私自信の場合は、大学生活で漠然と考えた将来を一度諦め、就職しました。勤めていた時の前半の技術系の仕事、後半の企画系の仕事、両方の視点から自分のことを見つめなおすいい時間でした。就職したことによって、大きな組織のモノの考え方や進め方を垣間見ることができました。そして、その中で沢山の学びがありました。ある意味、就職した時点で、ゆるい環境を得れた3年間と自分を追い詰めていった4年間がありました。社会人になってから、結果的に自分のこと、将来のこと、世の中のことを考えながら仕事を行い、、結果、今の仕事を始めるきっかけを得ることができたと思います。
30歳を絶対的な期限にするのではなく、その頃までに一度、自分の強みや弱み、夢中に取り組めることや、絶対にやりたくないこと。所謂自分とは何か?を知る期間として真剣に考える。そんな時間に捉えると良いのかも知れません。この次期はカラダも頭も一番動きます。体力だって有り余るくらいあります。そのような次期に、将来の自分が見えるときっと、更に人生が強くなると思います。
一方で、意思が弱い人が、卒業してから就職をせずに放浪期間を経ると、全くの怠け者になる可能性もありますね。何もすることなくぷらぷら過ごし、将来も考えない。結果的に婚期が遅れ、少子化の加速の一助をなす。であれば、逆に就職前に見つけるための仕組みを提供する、或いは自分から探すことも重要なのかも知れません。インターンを含めて、高校生や大学生の頃からもっと企業や社会を身近に考える世の中を考える必要もあるのかも知れません。
この話題に関して、リンダグラットン著のワークシフトに興味ふかい記述がありました。未来のキャリア形成で主流になるのは、カリヨンリー型(添付カリヨンツリーのイメージ)のキャリアという内容。次のような記載です。
”精力的に仕事に打ち込む期間と、長期休業して学業やボランティア活動に専念したり、仕事のペースを落として私生活を優先させたりする期間を交互に経験し、ジグザグ模様を描きながら仕事のエネルギーや技能を高めていくのである”
リンダグラットン「ワークシフト
参照:http://www.lifehacker.jp/2012/09/120928book-to-read.html
著書の背景は、2000年以降に産まれる子供の半数以上が100歳まで生きるという仮説をベースにしています。現在の制度では、一般的な退職年齢である65歳以降、自分の望む生活水準を維持出来るほどの年金を享受できません。加えて、定年後の余生が長過ぎるから、何もしないで居る事に耐えられず、社会の一員として貢献したいと考える人が急激に増えていくのです。
冒頭にも書きましたが、人生50年から100年の時代。早急に何かを決めてずっと取り組まなくても、少しゆるく始めた所で、なんとでもなる。こんな楽観的な考え方も、場合によってはありだと思います。まあ、最終的にはその人が良かった!と思った人生が正解です。意図して道を選んでも、意図しないで選んでも、壁に当たったときに、心が折れない精神力。たとえズタズタになってもリカバリする力。自分から興味を示し、自ら学び、死ぬまで何かを吸収していく好奇心。そのようなことを人生を通じて体験することができることがあれば良いですね。
となれば、道は手段であり、そのような道をとっても正解。悟ることはより深いみのりのある人生。少なくとも自分でそう思える人生。就職率の低下に考えたことでした。
中国と日本の関係悪化
早嶋です。
日中の関係悪化から、日本企業の対中投資(10月)は前年比32.4%の減少になっています。注目すべきは、この報道が中国側からなされていることです。
このデータの各国・地域別の対中投資動向を見ると、香港、台湾、日本、シンガポールで上位を占めています。割合は香港が60%で日本の割合は4%。
日本の構成比を鑑みれば、中国は日本が投資を控えたことによるダメージは大きくはないと踏んでいるのでしょうか?その場合、日本が投資を控えたことによる経済的なダメージよりも経済大国の日本が中国を敬遠し始めたという第三国が受け取るイメージの悪化を懸念していることになります。これは、他の第三国が同様に引きづられて対中投資を減少させる引き金になりかねません。
参考:各国・地域ごとの対中投資動向(2009・2010) P61
http://www.jbic.go.jp/ja/investment/report/2012-002/jbic_RIJ_2012002.pdf
一方、もう少し深掘りして考えることもできます。対中投資の60%が香港という点です。この数字の裏は、全てが香港企業でけと考えると早合点したことになる可能性があります。
香港企業から中国大陸への投資あh主に不動産関連を中心としてここ数年増加していると考えることができます。ここには香港経由で投資する外資企業(もちろん一部日本も含む)も含まれていて、香港企業100%ではないと考えたほうが妥当です。このことは同様に、台湾からの投資等にも外資企業の投資が含まれていると考えることができます。
外資が香港経由で投資する理由に、為替決済の問題や税制等様々なものが考えられます。加えて、中国に直接投資すると共産主義の国家であるため、撤退する際には労働争議が発生する、少数株主含めた全員一致、補償金など撤退条件が厳しく、難儀する事が多いなども考えられます。従って、香港企業に投資し、その香港企業が大陸に投資する、
あるいは香港で合弁企業を作るといった形態で大陸に投資するケースがあるのではないでしょうか。
従って、先に示した対中投資額の日本の占める割合は4%よりも遥かに大きくなる。と見ることもできます。するとやはり中国からするとそのインパクトは大きい。いずれにせよ、中国も今の状況を良く思っていないという視点が垣間見れる内容ですね。
女性と経営
早嶋です。
経営の世界に女性の活躍が目立ちます。しかし、全体の比率を比較するとまだまだです。以下は、国際女性経営幹部協会からのデータです。男性と女性の比率が近い国はノルウェーで、次いでスウェーデンと北欧の国が目立ちます。一方、日本や韓国は2%以下で、まだまだ経営の世界は男性のイメージが強いことがわかります。
(出所:国際女性経営幹部協会、日経新聞2011.8.12経済教室)
女性役員比率の国別ランキング
1 ノルウェー 44.2%
2 スウェーデン 21.9
3 ブルガリア 17.0
4 ラトビア 17.0
5 フィンランド 16.8
6 米国 15.2
7 クロアチア 15.0
8 リトアニア 15.0
9 カナダ 14.0
10 デンマーク 12.5
37 韓国 1.5
38 日本 1.4
39 バーレーン 1.0
40 アラブ首長国連邦 0.8
41 カタール 0.3
42 サウジアラビア 0.1
42カ国平均 8.8
(出所:国際女性経営幹部協会、日経新聞2011.8.12経済教室)
例えば、ダウ平均採用銘柄の女性CEOは4名。日本での女性さy超の上場企業は29社で、東証の上場企業数の約1.2%なので、上記の統計とほぼ同数です。
ダウ平均採用銘柄の女性CEOは4人
http://plaza.rakuten.co.jp/gonchan02/diary/201110270000/
日本では、女性社長の上場企業は29社、東証の上場企業数の約1.2%
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1011/10/news035.html
以前、コンサルの仕事をさせて頂いた企業は女性CEOでした。その会社では女性社員の能力・キャリア開発の支援が他の会社よりも積極的だったのを覚えています。女性が活躍できる環境と体制を推進し、女性リーダー推進室という部隊が整備されていました。
知人がデンマークの企業に勤めていたので話を聞いたことがあります。その企業でも女性リーダーを作るということで、良く女性リーダー研修を行なっているそうです。しかし、各国のディレクターの考え方がバラバラで浸透しにくいという課題があるようです。「なぜ、女性を特別に扱う必要があるのか?」と。「逆差別だ」と。女性先進企業であっても解決が難しく、実行するハードルが意外と高いということでしょう。
ただ、近年の技術の発展によって、勤務形態が変化してきました。3Dや他のデジタル技術を使い、在宅勤務の出社する勤務携帯の在り方にギャップをなくす取り組みが進んでいます。結果、子育てを抱えた出産後の社員でも徐々に職を続ける方々が増えています。
企業のIR担当者と女性と経営という点で議論したことがあります。やはり、近年、IRと言う観点でも重要視されている問題の1つが女性と経営です。日本では馴染みは薄いのですが、欧州ではESGが企業価値を測る新しい基準ということで浸透し始めています。
ESGはE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の略で、これを重視している投資家が増加しているのです。ということは企業も対応する必要がましてきます。そのIR担当者は、次のようにいっていました。
IRとして議決権行使を行ってもらうために投資家周りを例年行う。その際に、ダイバーシティ関連の質問が増えていると。「女性の管理職の人数は?」 「女性の役員の数は?」「社外取締役に女性はいるか?」などです。
仮にこれらが彼ら彼女らの基準に沿っていなければ、議決権を行使しない、あるいは株主総会の決議事項に反対する投資家も増加しているそうです。また、極端な場合は、投資対象外として、そもそも面会も拒否される方々も出始めているそうです。
※EGSの参考記事
日経トレンディネット「機関投資家はESGを重視」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/tvote/poll.jsp?MODE=RESULT&POLL_ID=20100325
NSJ日本証券新聞 「SRIはもう古い、世界の潮流はESG」
http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=202443&dt=2010-03-19
スバル
早嶋です。
スバル車が米国で人気です。フォーチュン(Fortune)誌によると、米国ではスバルが一番ホットという紹介がありました。日米ともに富士重工のシェアは3%以下にも関わらず、カスタマーサーベイレベルではトップになっているのです。
最近、車を探していた時、スバルも候補として検討しました。福岡の狭い町並みでもキビキビ走る大きくない車を中心に選択していたときのスバルの印象です。運転者としての目線では、やっぱり水平対向エンジンでポルシェとスバルというマニアックな印象と近年のアイサイト(ぶつからない仕組み)はインパクトがありました。
スバルは元々寒冷地ユーザーに強いメーカーでした。WRCでの人気と水平対向エンジンにより、寒冷地以外にマニア層を獲得していきます。そしてアイサイトの搭載で安全志向と走りという両極を求める層に訴求できた。しかも欧州の高級車と比較してリーゾナブル。外観のデザインも近年は格段に良くなっているのも後追いでしょうか。
参照:アイサイトは非常に低コスト
http://allabout.co.jp/gm/gc/192200/2/
他の自動車メーカーがリーマン・ショックで大きく販売台数を落とす中、北米で売上を伸ばしています。従ってリーマン・ショック後も北米では社員を解雇することはありませんでした。暖かい経営の会社としても受け入れられているのかも知れません。
US市場需要
07年 1611万台
08年 1321万台
09年 1041万台
10年 1150万台
これに対して、スバルのUSでの販売台数は
07年 18.7万台
08年 18.8万台
09年 21.7万台
10年 25.0万台
今後のスバルの世界展開を考えると北米市場は重要です。日本市場が縮小する中、将来の成長を考えると海外市場の進出が必須です。トヨタやホンダに比べて企業規模が小さなスバルは、全方位的な世界展開、つまりリーダーの戦略やチャレンジャーの戦略には不向きです。従って、利益が高く稼げる先進国にフォーカスをする選択は自然です。
北米市場はスバルにとって魅力的。既に向上もあり、既存の資産も活用しやすい市場の1つでしょう。そこで、再び北米の市場に経営資源を費やした結果が、いまの人気を創りだしたのではないでしょうか。
実際、スバルは徹底的なニッチマーケティングを実施しています。それはゲイ・コミュニティーに対しての発信です。元々この層は高い所得を得ている層ですので、ニッチな切り口としては自然です。
http://www.subarupedia.org/subaru-voted-most-lgbt-friendly-car-company/
他の幾つかのサイトを見ても、スバルはLGBTマーケットでは絶大な人気を得ています。少々武骨な感じもする個性的なスタイリングに惹かれているのでしょうね。
http://gaywheels.com/2012/11/with-the-2013-subaru-legacy-subaru-explores-its-indiana-roots/
http://en.wikipedia.org/wiki/Gay-friendly
参照:スバルホームページより
<国内市場>
国内での自動車全体需要は、年度前半は震災影響による各社の生産台数減少により、大きく前期を下回りました。しかし、年度後半は生産の回復に加え、エコカー補助金がスタートしたこともあり、大きく挽回し、年度としては登録車で前期比103.1%、軽自動車で前期比103.7%、全自動車で前期比103.3%といずれも前期を上回りました。
このような全需動向の中、スバルの国内での登録車販売は、フルモデルチェンジを実施した「新型インプレッサ」が前期を上回る好調な推移となったことなどにより、売上台数は80千台と前期に比べ12千台(17.6%)の増加となりました。一方、軽自動車は、2月に生産を終了した「サンバー」が駆け込み需要により前期を上回る推移となったことにより、売上台数は92千台と前期に比べ2千台(2.5%)の増加となりました。
以上の結果、国内での売上台数合計は172千台と前期に比べ14千台(9.0%)の増加となりました。
<海外市場>
海外市場につきましては、年度後半の生産回復に伴い、北米を中心として「新型インプレッサ」が売上台数の増加に貢献しましたが、年度前半の震災による生産遅れの影響が大きかったことなどにより、売上台数の合計は468千台と前期と比べ31千台(6.3%)の減少となりました。地域別には、北米で309千台と前期に比べ2千台(0.5%)の増加、中国で48千台と14千台(22.6%)の減少、ロシアを含む欧州で55千台と5千台(7.8%)の減少、豪州で37千台と4千台(10.3%)の減少、その他地域で19千台と10千台(34.7%)の減少となりました。
以上の結果、国内と海外を合わせた売上台数は640千台と、前期に比べ17千台(2.6%)の減少となり、為替の円高もあったことから、自動車事業全体の売上高は1兆3,891億円と前期に比べ631億円(4.3%)の減収となりました。セグメント利益につきましては、394億円と前期に比べ410億円(51.0%)の減益となりました。
http://www.fhi.co.jp/ir/finance/achievement.html
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