試作と試験販売を得て論理的に「仮説を検証」する

2019年5月15日 水曜日

原です。

仮説を立てたら即実行では、リスクがあります。仮説を検証しないまま本格展開し、販売不振による手痛いダメージを被る企業もあります。少なくとも一度は検証する機会をもち、仮説を改善させてから導入することで、そうしたリスクは少なからず低減させることが大切です。

仮説の検証方法にはいつくかあります。ここでは、①インタビューによる検証、②実験による検証について解説します。
最初は、①インタビューによる検証についてです。
顧客へのインタビューは仮説を立てるとき、検証するとき、改善するとき、いずれの場合にも有効な手段です。
自分の出した仮説を自分で検証するという方法もありますが、客観性に欠けます。それよりも、他者との対話によって検証するほうが時間もかからずに効率が良いです。
インタビューによる検証は、社内での同僚、上司や部下に聞く。顧客に直接聞く。あるいは市場の流通関係者に仮説への声を聞く。たとえ流通関係者が仮説に納得していなくても、顧客が納得してくれれば商談の強力な説得材料にもなります。

続いて、②実験による検証についてです。
仮説を検証する場合、一番分かりやすいのは実験することです。試験的に、現場で商品を少しだけ販売してみるのです。
一般的に行なわれる現場での仮説検証の方法として、テストマーケティングがあります。
テストマーケティングとは、商品を販売する際に、当初限定された市場、チャネルなどで、本格販売と同じ条件でテスト的に販売することです。
テストマーケティングでは、初動、リピート、広告や販売促進との連動などが測定され、商品コンセプト、販売計画、訴求ポイントなどが本格展開に向けて改善されます。生産計画などのリスクを最小限に留め、効率のよいマーケティング活動を行うことができます。

例えば、筆者が関わった仮説検証の事例です。
販売不振の食品加工商品について、グループインタビューにより顧客の声を聞き分析し、商品改良の仮説を立てました。更に改良後の試作品についても顧客の声を聞き分析し、試作品の改善に取り組みました。
改善後にはテストマーケティングにより、既存チャネルだけでなく仮説による新規チャネルでも実験的に販売しました。結果的には、販売好調の事実が検証できました。その後、本格販売に向けて改良した商品の生産数を増加し本格販売に至りました。

このように、仮説を検証してみることで、顧客のニーズをつかむことができました。つまり、「仮の答え」を「答え」にまで進化させることができるのです。





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