ダイバシティーの落とし穴

2016年4月9日 土曜日

早嶋です。

企業が取り組んでいるダイバーシティ経営について、系統だった考えを持つことが重要です。例えば、ダイバシティーには2つの系統があります。タスク型とデモグラフィー型です。

タスク型の人材多様性とは、結論的に言えば知の多様性が期待できます。こらちの多様性は、業務に必要な能力や経験の多様性を指し、教育バックグラウンドやこれまでの職歴や経歴や積んできた経験等の違いを持った人材を集める取組です。

一方、デモグラフィー型の人材多様性とは、結論的に言えば知の多様性に対しての効果は期待出来ません。この手の研究結果によれば、むしろマイナスの影響を与えている結果も報告されています。

こちらの多様性は、同じデモグラフィーを持つメンバーで、年齢や国籍や性別を多様化させる取組です。日本の企業が進めているダイバシティー経営=女性にフォーカスしています。そこで近年新入社員にも女性を増やしている取組の企業がありますが、上記の観点からいうと意味がないのではと感じます。また、マネジメント職にも生え抜きの女性を活用するケースを観察しますが、ここも孤独を生み、結果的に成果を上げにくいのではと推察します。

理由は、同じデモグラフィーを持つ集団というのは、他のデモグラフィーを持つ集団よりも集まりやすく知の交流が促進されないからです。(知の交流は異なる考えがぶつかって新しい何かが出来るという考え)新入社員は経験の違いはあるとしても、マクロで言えばほぼ同じ。そこに、年齢が近く国籍が同じであればグループが偏ります。

もしこれらを活性化させたいのであれば、年齢の違う組×性別の違う組×国籍の違う組というようにデモグラフィーを敢えてごちゃごちゃにすることで知の交流が始まり、企業が目的とする新しい知の誕生が促進されます。

いずれにせよ、企業の目的に沿ってダイバシティーを唱えていても、人事や採用側が目的を理解せずに手法である採用に走ると結果、目的に反してガチガチのグループが出来て更に硬直させる原因になるのです。



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