品質も顧客が決める

2011年7月11日 月曜日

早嶋です。

メーカーでのモノづくりに更けると、いつしか市場が要求している以上の品質にこだわる傾向があります。悪いとは言いませんが、いいとも言えません。それは誰が決めるのか?メーカーが決めるという発想はプロダクトオリエントです。何だって、結局はお金を出す顧客が決めると思います。

市場が成長し、徐々にテクノロジーが市場の要求に合致していく時期は、メーカーが主体となったモノづくりも大切だったと思います。しかし、市場が成熟し、テクノロジーの追求に追いつかなくなった消費者の知覚を超えたところでの争いは、高額な価格設定を行う結果になりかねません。

先日、クライアントの製造業のオーナー社長とお話をしていました。非常に高品質な商材が求められる市場から、別の市場に進出する際の話です。従来の市場と、新しく進出する市場。求められる品質レベルは全くことなります。従来よりもかなりスペックダウンしても問題なかったのです。しかし、長いこと品質にこだわって商品を提供してきたので、新しい市場ではものすごく高い商品になっていました。

そこで、様々に議論した結果は、どの品質を選ぶかは顧客に決めてもらおうと考えました。勿論、その品質には価格も含まれます。超良い商品で超高い。これでは誰も買うことが出来ません。きっと品質と価格は相対的なもので、全体のバランスが必要なのです。結果、はじめの仮説通り、既存の市場で提供していた品質をかなり下回ったスペックにそれなりの価格設定を行った商品が最も売れ筋がよくなりました。

品質も消費者が決める時代かも知れません。



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