早嶋です。
息子の幼馴染のお父さんが経営している小料理屋さんがあります。電話やメッセージをすると人数と目的を聞いて適当にふさわしいおもてなしをしてくれるのです。当たり前ですが、このようなサービスって心地が良いですよね。不満を覚えることもないし、毎回同じことを説明する必要も無いのですから。
20年頃前よりCTIという仕組みが普及しはじめました。Computer Technology Integrationの略称です。何だかすごそうですが、何のことは無く、電話とコンピュータを統合するしかけをさします。今ではローテクかもしれないけれども、めちゃくちゃ今のマーケティングをサポートする仕組みとしてはフィットしているのです。
特に、顧客とのコンタクトポイントが電話を主体とするサービスは、ネット予約やSNSなどが普及しても、やっぱりしばらくは電話に依存するので、電話の満足度を向上する意味でも検討に値します。しかし、導入率は関係者いわく、全ての業界平均で2%程度だというのです。これってチャンスですよね。
普及していない理由は認知度もあるのですが、当時から非常に高価な仕組みだったことがあり、一般に認知されなかったという理由があります。ひとこえ、数億の仕組みだったのです。しかし、現在では飲食店一店舗でも導入できる金額帯まで下がっており、CTIを導入した効果は、それから得られる効用と比較して遥かに高いのです。つまり投資回収も十分に見込める可能性があるのです。
そもそもCTIとはどういう仕組みかを説明します。先程、贔屓にさせて頂いていた小料理屋さんの話をしました。そのお店の大将は私のIDを電話番号ではなく、私自身の声、つまり大将の記憶によって認識しており、それに応じて適切な対応を瞬時に行ってくれた事例です。
例えば、以前このような会話をした記憶があります。「今、歯の治療をしていて、硬いものが食べにくいのです」と。するとその後の来店時には決まって、余り硬い食べ物は出てこないのです。私にふさわしい料理を出してくれるのです。仮に食べにくいものがあれば、少しカットの仕方を工夫してくださるのです。あるいは、他の顧客には内臓料理を進めるのですが、私は若干苦手なため、常に私の様子を見ながら勧め方を適宜変えているのです。これって、当たり前のことかもしれませんが、顧客としては、ちょっと嬉しいのです。
先日、たまに行く寿司屋を予約しました。これまでも過去に何度も行っているお店ですが、毎回電話対応がよそよそしいなと感じます。こちらは決まって食の好みを毎回ゼロから説明しないといけないことに若干のストレスを感じてしまいます。しかし味は最高、雰囲気も最高、そして店内でのサービスも最高です。だけど、電話対応はいつも不満がつのります。そのため結局、ふらっと行っても空いているわけでもないし、だからといってまた電話して予約するのも億劫になるので、毎回なんだか嫌だなーとなってしまい、食べに行くお店として想起するけれども、中々食べに行く行動にまで及ばないのです。
今度は、近年の店舗の内情について考察してみましょう。全員が正社員であればよいのでしょうが、時間帯によってはパートやバイトが対応することも当たり前の時代です。新人であれば、過去の顧客の状況を知らないのが当然だし、分かっていても直近来る顧客のことに限定されるでしょう。
しかし顧客は違います。常に私のように勘違いをしています。自分は特別だよ、だから特別に扱ってもらいです、と。だって顧客にとってはお店を覚えているし、大将を良く知っています。そして数回行けば、かってに常連のように勘違いしてしまいます。しかし、大将からするとたくさんの顧客のうちの一人で、多くの場合は忘れてしまうこともあるのです。当然顧客としては、そのような状況は理解できても、やっぱり不満なのです。
しかし、顧客としても特別扱いは不要です。前回の記憶や、ちょっとした特徴を理解した上で、要望を聞いて頂けるだけで良いのですから。しかし実際は慣れているベテランや規模が小さいお店では対応できるでしょうが、大きな組織や、複数にまたがる店舗では毎回一見さん対応をするしかないのです。
更に、近年の若者は基本的に誰だか分からない電話は取れません。スマフォには自分の知っている人からしか電話がかからないので知らない人からの電話は出ないのです。番号の登録がない電話に対しては居留守を使い、あとでその番号をググってから得体を確認してから電話する。これが若者の生態系なのです。おじさんやおばさん世代には理解し難いかもしれませんが、若者にとって電話に出ることは若干の恐怖体験を伴うのです。そして、何でも電話で済ませるという発想は若者にはなくて、SNSなどスマフォを活用したほうが嬉しいのです。
世の中がIT化して20年くらいが経過します。しかし店舗ビジネスなどのBtoCのビジネスは今でも多くのコンタクトポイントを電話に依存しています。しかし電話の対応は個人に任せて仕組み化されていないのです。個人の能力と記憶に完全に頼り切っているのです。これは危険ですよね。そしてこれらを解決する仕組みがCTIなのです。
例えば、店舗系の電話がコンピューターやスマートパッドに紐付いていることを考えて見ましょう。すると、電話着信と同時に、その番号に紐付いたデータが誰でも分かりやすく確認されます。飲食店の場合は、過去の利用履歴や申し送り事項、顧客の特徴が瞬時に表示されます。そのため新人からベテランまで共通に顧客の大切な情報を共有できるのです。
クリニックでは、電話口で名前を確認してから、カルテ情報を確認していたことでしょう。その間わずか30秒程度ですが、待つ人からすると永延に感じます。CTIではそれも解消されます。電話を取る前に誰だか分かるのですから。同時に過去の治療状況やちょっとしたユニット上での会話が共有されているのです。その前提で電話に対応できるため、患者さんに即したお話が自由にできるのです。
また悪質な営業電話や意味不明の勧誘などは常にシステム内で共有されているので、あえて取らなくて良いという判断もできてしまいます。人数が少ない店舗では、急ぎで電話を取ったら勧誘だったというがっかりも解消できるのです。
更に、最近はケータイやスマフォが普及しています。電話での予約確認事項を直後にSMSなどを活用して顧客に共有することも可能です。例えば、予約を伴うサービスの場合、予約終了後に顧客の許可があればSMSに予約時間と場所などのデータを共有することができます。また、予約前日、当日の朝にもリマインドを送ることも可能ですよね。相手が高齢な方であれば、その電話番号に紐づくデータから、予約情報等をハガキに印刷して郵送するサービスも可能です。
顧客とのフォローを気軽にコンピュータを活用して無理なく行うのがCTIの特徴なのです。
2019年2月 のアーカイブ
CTI、古くて新しい解決策
他責と自責
早嶋です。
世の中にはコントロールできることと、できないことの2つがあります。雨の日は憂鬱になり嫌だ。という出来事に対して、雨そのものを晴れにすることはできませんが、雨を楽しもうとする気持ちはコントロール可能です。しかし、多くの人はコントロールできないことのせいにし、自分でコントロールすることで良くする方向を考えません。きっと、雨のせいにしたほうが楽で良いのでしょう。
組織マネジメントに関わる方は、人でイライラすることが多いでしょう。部下が成績をあげない。思った通り組織が動かない。どうでもよいことでトラブってしまう。等々。しかし、そのようなマネジメントは全て他責にしていて、自責で捉えないからイライラくるものだと思います。
そこで雨の日の憂鬱を事例にすると、組織委マネジメントも雨によってイライラしているのであれば損です。自分のイライラの主導権を自分がコントロールできない人に握られているからです。考え方を変えて、部下が成績を上げるために自分として何ができるか。組織が思った通り動かない場合に自分として何ができるか。どうでも良いトラブルをそもそも置きないようにするためには何をすべきか。などとしたらどうでしょう。
きっとイライラの感情はおさられると思います。もし、それでもイライラがあれば、それは他人ではなく自分に対してですから、正常なものになっているでしょう。
自分ごとと他人事
早嶋です。
人材育成する際、該当者(Aさん)は育成する人(Bさん)から比較して視点が狭く、どこか他人事のようで取り組みにコミットしないと感じる方が多いです。例えばAさんを指導するBさんがいます。Bさんはクリニックの院長で、Aさんは、将来開業を目指すサラリーマンドクター。Bさんのクリニックに勤めています。
Aさんは、Bさんと違い周りが見えていません。同じ患者さんに対しての処置もBさんよりも長く時間をかけています。Bさんの処置を受けた患者さんは、なんだか時間がながかった。治療が辛かったと感じる方が多いです。その患者さんからのアンケート結果はAさんも共有しています。
Bさんからすると、Aさんは平行的に処置ができていないし、時間がかかっている。患者さんのゴールを考えた場合、その処置を80%程度で行い、100%を目指さなくても医療的にも問題無いといいます。しかしAさんは常に一生懸命の医療サービスを提供します。AさんとBさんに良くある温度差があるのです。
経営的に見ると、Aさんのペースで行うと、Bさんが考えている採算が取れません。将来Aさんが独立して開業した場合、現在の立地条件のように集客できるわけではないので、更に苦しくなるということをAさんに伝えています。が、Aさんは中々理解していません。分かっているのに、行動が変わらないようにみえます。
このような状況、上司と部下、親と子という役割の上下関係があるなかでの指導において、ある程度似たような構図が在るのではないでしょうか。では、なぜできないのだろうと考えた場合。一つのアプローチに環境があると思います。つまり、Aさんがいる環境下ではBさんの言われる通りに行わなくても、実際は大きいな問題が置きない。現に、今は患者さんのコメントは何人かはありますが、それによって劇的にNGというわけではありません。従って、Aさんとしては、行動や考えを変えなくても問題ない。とどこかで思ってしまうのです。
もし、Bさんがその医院を離れていき、Aさんのみで行えば、行動は変わるでしょう。あるいは、行動を変えないで経営の状況が悪くなり、はじめてBさんが過去に言っていたことを思い出すでしょう。当然、そのよな事態になった瞬間に多くの方はリカバリをすることができません。
多くの人は、今のやり方で問題が置きていない時に、将来のイメージをもって今の行動を変えることができないのです。また、上下の関係、特にAさんとBさんのように経営者と雇われという関係では圧倒的にリスクのとり方がことなります。本来、上記の関係であればAさんはBさんに指導料、コンサル料を払うべきです。極端ですが、Aさんは将来独立をしたくて、そのノウハウを得るためにBさんのクリニックで仕事をしているわけですから。もし、このような前提であればAさんは確実にBさんからの指導を身に着けていくことでしょう。
結局は、最終的にその本人が自分ごととして捉えることができるか?が鍵であり、上記の関係、つまり雇用関係においてはかなりそれを理解させるのは難しいのではないか?と思うことがあります。従って、過度に独りの役割で仕事が解決される状況をつくるのではなく、ある程度仕組みの中で、何人かが集まることで仕事が進むようにすることが大きな組織のポイントになるのではないかと思います。
心の豊かさがある働き方
原です。
何かの役に立ちたいという思いを目的に、自分が叶えたい人生の「未来の姿」を描き、その未来に向けて一歩ずつ進んでいくことが「心の豊かさがある働き方」であると考えます。
そして、未来の姿を叶えるためには、叶えたい姿を描く思いと創造力、失敗を恐れない課題解決への勇気と行動力、仲間づくりへの共感力が必要です。
内閣府の国民世論調査では、心の豊かさを求めている人は約65%、物の豊かさを求めている人は約35%というデータがあります。当然、生活していくため、経営を継続していくためにはお金が必要なので物やサービスをお客様に提供するなど稼ぐことが必要です。ただし、稼ぎ方に心の豊かさがあるかどうかが重要です。
私の実家は、林業を営んでいました。しかし、低価格の外材が輸入されるなどの時代背景から林業では生活できなくなりました。そこで、両親は新たにお米の加工業であるライスセンターを創業しました。ライスセンターは、お米の稲刈り後の籾を乾燥脱穀し、玄米にすることが主な業務内容です。
物の豊かさの視点で考えれば、作業工程にミスなく玄米をお客様に届けることで目的は達成できます。この仕事のやり方では、同業他社との違いは特にありません。違いを出すとしたら価格ぐらいになるでしょう。
しかし、心の豊かさの視点では、満足度はどうでしょうか。
実家ライスセンターは、2018年末で創業から約30年が経ちます。30年継続できた理由には、お客様の心の豊かさを大切にしてきたことがあります。それは、「お客様が自分で育てたお米を自分で食べたい」という要望に応えてきたからです。通常のライスセンターでは、1乾燥機の稼働率を上げるために、数件の農家のお米を混ぜ合わせます。しかし、実家ライスセンターは、1乾燥機に1農家のお米で対応してきました。これは、乾燥機の稼働率を考えると非効率なのですが、お客様の心の豊かさに応えるために、両親は「1乾燥機に1農家のお米」を創業当時から継続してきました。両親としては、お客様の心の豊かさに貢献することで、自分の働き方を満足していたように思えます。そして、非効率なことをできるだけ改善するために工夫も繰り返しながら、生産性向上を実現することができました。
私は、高校時代から現在まで、繁忙期の休日には実家のライスセンターを手伝っています。理由としては、「自分が育てたお米を自分で食べたい」というお客様の心の豊かさを体験できることが、私の働き方の原点だからです。
昨今では、残業削減による生産性向上が働き方改革のように捉えられていますが、何かの役に立つために、自分が「この仕事をしたい。この業務をしたい。」と心から思えることで、仕事の集中力や満足度や創造性が高まり、結果として付加価値などが高まることが生産性向上につながるのではないでしょうか。これが、心の豊かさがある働き方になるのではないでしょうか。
2月24日(日)13:30〜15:00開催の「わくわく塾」では、「心の豊かさがある働き方」をテーマに、ワークショップ・セミナーを開催いたします。ご参加のご連絡お待ちしています。
ジョブ・クラフティング
安藤です。
以前、投稿したこともありますが、ギャラップ社の調査世界の中で日本は、「熱意ある社員:6%のみ 日本132位と日本経済新聞に掲載されていました(2017年5月26日付)
この「ジョブ・クラフィティング」の考え方を活用している企業もあります。よく例で挙げられるのがディズニーリゾートの例です。東京ディスニ―リゾートで働くカストーディアルキャスト(園内外の清掃をする従業員)は、写真撮影や道案内だけでなく、時には絵を箒で描いて、客に驚きを提供するなど、さまざまな仕事を主体的かつ柔軟に自分の仕事として取り組んでいきます。
このように『取り組んでいく行動』が、ジョブ・クラフティングです。いわば、“やらされ感覚のある仕事” を “やりがいのある仕事” に自ら変えることで生産性を上げる方法です。
満足度を高め、貢献度を最大限にするために、小さいことから自分の仕事を変えていくことです。考え方や時間の使い方を少しだけ変えていきます。組織にとっても、生産性を向上させるためには、個人のモチベーションは欠かせません。
ジョブ・クラフティングには3つの視点があります。
一つは、社会的な交流の質や量を見直すこと。二つめは、自分と周囲の環境の状態を視野を広げてとらえ仕事の意義を拡げること。三つ目は、仕事のやり方や範囲を見直すことです。
その3つを実践するためのポイントも3点あります。 1つ目は、自分の役割を柔軟に見直すことです。
私たちは、「引き継ぎでこれをやれと言われたから」などと、自分の仕事を限定的にとらえてしまいがちです。そこで、改めて、自分の役割とは何か、自分の所属する部署やポストは何のためにあるのか、といったことを問い直してみます。今やっていないことであっても、実はやるべきことがあるのではないか。そしてそこに、自分の強みや、関心のあることを取り入れていくことができます。
2つ目は、日々できる、些細なことから始めることです。
仕事を見直すといっても、いきなり大きなことをやろうとすると、なかなか前に進みません。例えば、「普段話さない上司に少し話をして感触を探る」「仕事をする際に現場の人の声を少し聞いてみる」「この業務に詳しい人から情報収集してみる」など、小さなことの積み重ねが、やがて大きなクラフティングにつながっていくと考えられます。
3つ目は、時間軸を延ばして考えてみることです。
日々仕事に追われていると、「これ以上仕事を増やすなんて考えられない」と思う人もいるでしょう。そういう場合は、例えば、10年後の自分の部署はどうなっているべきか、あるいは、自分は20年後にどうなっていたいか、という視点から、今の仕事でできることを、距離を置いて考えてみましょう。そうすれば、新たなアイデアが生まれやすくなると思います。
“やらされ感“ で仕事をしているのは人生を無駄にしていることにも繋がるのではないでしょうか。充実した人生を送るためにも、ジョブ・クラフティングを取り入れてみませんか。
『人材開発、人材育成に活かす外部キャリアコンサルタントによる企業内キャリアコンサルティング、組織にキャリアコンサルタントを育成したいなどのご相談がありましたら、弊社にご相談くださいませ。
仕事の仕方が変わる
早嶋です。
バリューチェーン(VC)。昔は情報流、物流の制限があり大企業の成功パターンは全てを自前で揃えることでした。現在は情報流も物流もサードパーティの活用とICTのおかげで資本規模に関係なく柔軟に活用することが可能です。結果、全てのVCを持つ大企業は、それが重荷になっている場合もあります。一方、新しく事業を開始する小資本の組織は、得意な部分だけを担当し、他は外部を活用することで事業を柔軟に行うことが可能になりました。
例えば、研究、企画、製造、販売、フォローというVCをもつ企業は、ピーク時の活動に合わせて全ての部門を肥大化していきます。その結果、それぞの機能部にそれなりの人員がいます。経済が成長し、需要が供給を下回っている場合は良かったのですが、今は一部の機能がダブついている組織を多く観察できます。
また、新しい舵を切ろうとしても、肥大化した組織はすぐに動けません。仮に、新しい事業を始める意思決定をしても、まずは既存人材を活用することを第一に考えます。しかし既存の超細分化された、そして基本的に計画性の高い事業にどっぷり浸かってきた人材は、新しい事業への取り組みに不向きです。ワークしてもアイデアの質が乏しく、どれだけ時間を費やしても良いアウトプットは生まれません。仮に良いアイデアが創出できても、今度はそれを具現化することができません。どのように実現するか、イメージが持てず、更に初めの一歩を踏み出す勇気も無いのです。
小さな組織やこれからの組織は、得意な分野を自分たちが核となり動きます。そして、できない部分や苦手な部分、また非効率な部分は固定で人を雇うのではなく仕事単位でクラウドやパートタイム、あるいはプログラムを活用します。ここでいうパートタイムの仕事は従来のバイトの概念ではなく、そして仕事の内容も事務処理のような簡単なモノとは限りません。
例えば、ものづくりをイメージします。その組織は企画のみ自分たちで行うとします。しかし、試作するためのノウハウは無い。そのような場合は、クラウド上でその仕事を専門に行なっている人材を探して依頼します。そして、その図面や設計図を基に今度は小ロットでも試作を行ってくれる企業を世界中から探します。その結果、企画だけできる個人や少人数であっても、小規模で小ロットでの試作も可能なのです。クラウドファンディングなどを活用して、事前にそのアイデアを対象マーケットに問いかけ賛同を得られたら、事前に小ロット分の開発費まで手にすることも可能です。こうなればリスクは限りなく小さくなり、自由度の高いものづくりが可能になります。
この概念はもモノづくりのみならず、ちょっとしたWebサイトの製作や、販促物の製作、またアプリなどのサービス開発でも同じように行うことができます。従来、大企業は仕事の流れを細分化して、そこに人材をあてがいました。しかし需要と供給のバランスが崩れた時、その人員がこなす仕事の量は減り、代わりに、時間を埋めるために本来その方が行う必要が無い仕事までをその人員に提供するようになります。結果、本来の成果を出すための仕事よりも、付加価値が低い仕事を多くすることで創造性や生産性、そしてやる気までを損ねる結果になっているのです。
しかし、その専門の仕事を企業や業界を超えて受注する発想は今だったら十分に可能なのです。上記で説明した概念は、今のスタートアップであったり、現在活躍している一部フリーランスや小規模事業者の発想に近いです。
例えば、大企業で通信販売の販促の企画を行っている担当者は、自社商品に加えて、他社や他業界の企画を行うことで、企画の幅と精度とスピードがあがることでしょう。大きな視点からものを俯瞰して、小さな取り組みに注目したほうが、全体最適の視点から創造性も作業性も成果も出しやすくなるのです。もし、そのようなことができたら、その人は複数の企業や組織から柔軟に報酬を得ることも可能です。
スタートアップ企業がIPOの準備をする際、選任の人材を雇うには早い場合、専門のコンサルを入れます。しかし規模が小さいときはそのコンサルも個人の場合が多いです。当然IPOの専門はその企業にはいないでしょうが、これまで財務経理を担当していたスタッフがそのコンサルの指示や教えに沿って準備をしていきます。そして、そのコンサルはその企業にどっぷり浸かって仕事をしているわけではなく、複数の企業を同時にコンサルしています。またに、このようなスタイルの仕事が多くの業界、多くの仕事で可能になるのです。
スマフォが世の中に普及して10年以上。これらの変化の中で、シェアの発想を活用したビジネスモデルはぐんぐん伸びています。シェアのビジネスモデルは、資産(ヒト、モノ、アイデア、カネ、ジョウホウ)を活用したい組織個人と資産を提供して良い組織個人をマッチングする仕組みです。合理的に仕事の内容を細分化でき、その仕事を内部と外部を加味しながら最も効率良く振り分けることができ、その仕事の流れを監査して計画通り進め、最後に統合することができれば、かなり多くの仕事に対して対応することが可能です。
となると、一つの抽象度の高い仕事を複数の概念に分解することができる力。分解された仕事を適任者をみつけ社内外関係なく振り分け指示する力。複数の人材を同時進行的に監査できる力。また、分解された仕事を業界や商材関係なく対応できる力。そして、そのような仕事を高度にマネジメントできる力。を持つ人は、一つの組織に属さなくても引く手あまたで、自分の都合で、自分の自由度に応じて、自分の好きな場所と時間で仕事ができるようになるのです。一方で、その力がない人は、相変わらず指示された具体的な仕事を行うか、何らかのサポートを行うかになるのでは無いでしょうか。
確実に仕事の仕方や概念、そして組織の在り方が変わっていくのです。
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