抽象と具象

2009年2月18日 水曜日

早嶋です。



有名な頭の体操があります。ちょっと考えて見て下さい。



「4枚のカードがあります。AとDと書かれたカード、3と6と書かれたカードです。ゲームのルールです。母音が記されたカードの裏には必ず偶数が記されています。この規則が正しいことを証明するためにはどのカードをめくればよいでしょうか?」



※1:回答は下に記しています。



このゲーム、意外に正解率が低いのです。間違いとして多い回答例は、Aと6のカードをめくる!です。うーん、という方、もう一つ別の頭の体操を考えてみて下さい。



「4人のお客さんがバーで飲んでいます。一人はコーラを飲んでいます。一人は16歳です。一人はビールを飲んでいて、一人は25歳です。さて、法律を守っているかどうかを調べるためには、誰の身分証明書を見ればいいでしょうか?」



こちらのゲームは簡単ですね。実際、ほとんどの方が正解します。ビールを飲んでいるお客さんと16歳のお客さんです。



抽象と具象では、初めのゲームと2つ目のゲームをよく比べてみましょう。実は全く同じ問題であることがわかります。このゲームは心理学者であるリダ・コミデス氏が考えた問題です。何が違うかといえば、初めのゲームは抽象的な数字で、2回目のゲームは人間が登場して具象化されています。つまり、人間は抽象的な概念よりも、具象的な問題解決の方が理解しやすいのです。



これって、コンセプチャル・スキルに通づるものを感じます。概念化能力。ハーバードのロバート・カッツ氏が唱える3つのスキルのうちの1つです。頭の中を整理したり、概念を人に説明するときの能力や問題解決能力です。頭の中で、抽象的な内容を具象化したり、物事をフレームワークを使って整理したり、体系化してとらえたり。すべては、頭の中で考えやすくしているのかも知れません。



Aと捉えるか、ビールと捉えるかなのです。





※1:Aのカードと3のカードをめくる。



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