原です。
私が共感できる人、企業・組織、製品・サービスに共通しているのが、人としての美意識の高さです。
また、美意識の高い人の共通点は、文学、音楽、絵画、建築物、古典芸能などを鑑賞または学ぶ探求心があります。ビジネスリーダーの多くは、探究心が旺盛なのか国内外を問わず伝統への美意識が高いと思います。
知識として暗記したものには美はなく、人間にとって、何が「真・善・美」なのかということを純粋に追求してきた伝統の型は、人の心を動かす「美」の一つであると考えます。
私は、30歳から古典芸能「狂言」を習いはじめました。きっかけは、26歳の時にアジア青年交流活動に参加し、自分の美意識の低さを体感したことです。
アジア青年交流の行き先は韓国と中国でした。交流内容は、現地青年との議論やホームスティによる家族との交流でした。韓国や中国の皆さんは、行く先々で母国の伝統芸を披露して頂きました。
一方、私達は日本の文化や芸を海外の方々に発信することができずに鑑賞しているだけで終わりました。
唯一、日本の仲間で堂々と日本の伝統芸を披露できたのは、沖縄の仲間が琉球舞踊を演じてくれたことでした。おかげで、改めて日本の伝統の美しさを知ることができました。
日本に帰省した私は、この反省から、日本の文化・伝統芸能への意識が高まりました。休日には、日本舞踊、茶道、太鼓、神楽、落語、水墨画などを鑑賞や体験する日々が続きました。
このような中で、約600年の歴史がある「狂言(きょうげん)」に興味を持ちました。狂言は、室町時代には台本がなく、口伝(くでん)といって、書物に記さず、稽古によってのみ師匠と弟子の信頼関係により相伝されてきました。
江戸時代には、セリフとして本に書きつけるようになって固定化したらしいですが、師匠からの口伝や作法の指導により、狂言の「型」を物真似し身につけていきます。
師匠から弟子への物真似である口伝は、自分ではない人になるという意味で、演じるという行為の根源になります。そして、「型」を個性・経験でアレンジすることで表現になります。
伝承による型を身につけ表現することで、伝統の美を伝えることができるようになるのです。
一般のビジネスでも、基本の型や美があると考えます。
知識として暗記したものは忘れていき使いものになりませんし、知識はインターネット社会では、いつでもどこでも入手可能です。
知識だけでなく、ビジネスの基本(型)を身につけ、実践で使いこなせるまで繰り返すことにより知識を知恵に変えていくことが必要です。
私の場合では、「論理的思考、発想法、問題解決思考」は型であり、この型に、
「経営哲学、マネジメント、マーケティング、リーダーシップ、共感力、コミュニケーション力など」が加わることでアレンジされながら型が進化していくのです。
繰り返すことで自分なりに表現できるまでになった型は、ビジネスにおいて技となり伝統の美になるのではないでしょうか?
そして、その型や技は、顧客や社会から価値として共感され、伝統の美として受け継がれていくのではないでしょうか?
2019年3月3日 のアーカイブ
伝統の美と共感力
ワーク・エンゲイジメント
最近、よく耳にする「エンゲイジメント」とは、言葉の意味では“約束” “契約” という意味ですが、人事の分野においては、企業と従業員が信頼しあい、互いに貢献しあう概念のことをいいます。また、「ワーク・エンゲイジメント」としても使われています。働く人の心の健康の新しい考え方として3つのポイントがあります。1つは、仕事に誇り(やりがい)を感じ 2.熱心に取組 3.仕事から活力を得て活き活きしている状態です。言わば、仕事に関して肯定的で充実した感情及び態度のことです。
過去の労働環境は、従業員がサービス残業で会社につくしたり、逆に会社が従業員に高い報酬を払って優秀な報酬を払って人材を確保したりと、一方的な関係性が主でした。しかし、これからの時代は、従業員エンゲイジメントを向上させ、従業員と企業の関係が対等になり、お互いが同じ方向に向かって成長していく時代です。
産業ストレス研究によると、心理的well-beingとの関連、仕事の要求度との関連、仕事の資源との関連、個人の資源との関連について研究されています。キーワードは、『活力・熱意・没頭』の3つです。エンゲイジメントとワーカホリズムの関連資料を見ると、ワーク・エンゲイジメント(活力・熱意・没頭)とワーカホリズム(働きすぎ・強烈的な働き方)と不健康、生活満足度、仕事のパフォーマンスを分析した結果、職業性ストレス簡易調査推奨尺度にも現行の尺度(仕事の負担・作業レベル資源・部署レベル資源、健康いきいきアウトカム)4つの中に、新版に情緒的負担、役職葛藤、ワークセルフバランス(ネガティブ)、役割明確さ、成長の機会、経済地位/尊重/安定報酬、上司のリーダシップ、上司の公正な態度、ほめてもらえる職場、職場のハラスメント他に加えて 従業員のいきいき“ワーク・エンゲイジメント”は追加になっています。
なぜなら、仕事の資源(上司や同僚からの支援:コーチング、パフォーマンスのフィードバック、仕事の裁量権、成長の機会など)や個人資源(楽観性、自己効力感、自尊心など)が豊富なほどワーク・エンゲイジメントが上昇することが明らかにされているからです。そして、そのことは個人と組織の活性化、生産性を上げることに繋がっていきます。
『人材開発、人材育成に活かす外部キャリアコンサルタントによる企業内キャリアコンサルティング、組織にキャリアコンサルタントを育成したいなどのご相談がありましたら、弊社にご相談くださいませ。
最新記事の投稿
最新のコメント
カテゴリー
リンク
RSS
アーカイブ
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年5月
- 2011年4月
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年11月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2009年2月
- 2009年1月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年9月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年6月
- 2008年5月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2008年1月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年8月
- 2007年7月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月
- 2007年3月
- 2007年2月
- 2007年1月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年9月
- 2006年8月
- 2006年7月
- 2006年6月
- 2006年5月
- 2006年4月
- 2006年3月
- 2006年2月
- 2006年1月
- 2005年12月
- 2005年11月
- 2005年10月
- 2005年9月
- 2005年8月
- 2005年7月
- 2005年6月
- 2005年5月
- 2005年4月