原です。
何かの役に立ちたいという思いを目的に、自分が叶えたい人生の「未来の姿」を描き、その未来に向けて一歩ずつ進んでいくことが「心の豊かさがある働き方」であると考えます。
そして、未来の姿を叶えるためには、叶えたい姿を描く思いと創造力、失敗を恐れない課題解決への勇気と行動力、仲間づくりへの共感力が必要です。
内閣府の国民世論調査では、心の豊かさを求めている人は約65%、物の豊かさを求めている人は約35%というデータがあります。当然、生活していくため、経営を継続していくためにはお金が必要なので物やサービスをお客様に提供するなど稼ぐことが必要です。ただし、稼ぎ方に心の豊かさがあるかどうかが重要です。
私の実家は、林業を営んでいました。しかし、低価格の外材が輸入されるなどの時代背景から林業では生活できなくなりました。そこで、両親は新たにお米の加工業であるライスセンターを創業しました。ライスセンターは、お米の稲刈り後の籾を乾燥脱穀し、玄米にすることが主な業務内容です。
物の豊かさの視点で考えれば、作業工程にミスなく玄米をお客様に届けることで目的は達成できます。この仕事のやり方では、同業他社との違いは特にありません。違いを出すとしたら価格ぐらいになるでしょう。
しかし、心の豊かさの視点では、満足度はどうでしょうか。
実家ライスセンターは、2018年末で創業から約30年が経ちます。30年継続できた理由には、お客様の心の豊かさを大切にしてきたことがあります。それは、「お客様が自分で育てたお米を自分で食べたい」という要望に応えてきたからです。通常のライスセンターでは、1乾燥機の稼働率を上げるために、数件の農家のお米を混ぜ合わせます。しかし、実家ライスセンターは、1乾燥機に1農家のお米で対応してきました。これは、乾燥機の稼働率を考えると非効率なのですが、お客様の心の豊かさに応えるために、両親は「1乾燥機に1農家のお米」を創業当時から継続してきました。両親としては、お客様の心の豊かさに貢献することで、自分の働き方を満足していたように思えます。そして、非効率なことをできるだけ改善するために工夫も繰り返しながら、生産性向上を実現することができました。
私は、高校時代から現在まで、繁忙期の休日には実家のライスセンターを手伝っています。理由としては、「自分が育てたお米を自分で食べたい」というお客様の心の豊かさを体験できることが、私の働き方の原点だからです。
昨今では、残業削減による生産性向上が働き方改革のように捉えられていますが、何かの役に立つために、自分が「この仕事をしたい。この業務をしたい。」と心から思えることで、仕事の集中力や満足度や創造性が高まり、結果として付加価値などが高まることが生産性向上につながるのではないでしょうか。これが、心の豊かさがある働き方になるのではないでしょうか。
2月24日(日)13:30〜15:00開催の「わくわく塾」では、「心の豊かさがある働き方」をテーマに、ワークショップ・セミナーを開催いたします。ご参加のご連絡お待ちしています。
2019年2月6日 のアーカイブ
心の豊かさがある働き方
ジョブ・クラフティング
安藤です。
以前、投稿したこともありますが、ギャラップ社の調査世界の中で日本は、「熱意ある社員:6%のみ 日本132位と日本経済新聞に掲載されていました(2017年5月26日付)
この「ジョブ・クラフィティング」の考え方を活用している企業もあります。よく例で挙げられるのがディズニーリゾートの例です。東京ディスニ―リゾートで働くカストーディアルキャスト(園内外の清掃をする従業員)は、写真撮影や道案内だけでなく、時には絵を箒で描いて、客に驚きを提供するなど、さまざまな仕事を主体的かつ柔軟に自分の仕事として取り組んでいきます。
このように『取り組んでいく行動』が、ジョブ・クラフティングです。いわば、“やらされ感覚のある仕事” を “やりがいのある仕事” に自ら変えることで生産性を上げる方法です。
満足度を高め、貢献度を最大限にするために、小さいことから自分の仕事を変えていくことです。考え方や時間の使い方を少しだけ変えていきます。組織にとっても、生産性を向上させるためには、個人のモチベーションは欠かせません。
ジョブ・クラフティングには3つの視点があります。
一つは、社会的な交流の質や量を見直すこと。二つめは、自分と周囲の環境の状態を視野を広げてとらえ仕事の意義を拡げること。三つ目は、仕事のやり方や範囲を見直すことです。
その3つを実践するためのポイントも3点あります。 1つ目は、自分の役割を柔軟に見直すことです。
私たちは、「引き継ぎでこれをやれと言われたから」などと、自分の仕事を限定的にとらえてしまいがちです。そこで、改めて、自分の役割とは何か、自分の所属する部署やポストは何のためにあるのか、といったことを問い直してみます。今やっていないことであっても、実はやるべきことがあるのではないか。そしてそこに、自分の強みや、関心のあることを取り入れていくことができます。
2つ目は、日々できる、些細なことから始めることです。
仕事を見直すといっても、いきなり大きなことをやろうとすると、なかなか前に進みません。例えば、「普段話さない上司に少し話をして感触を探る」「仕事をする際に現場の人の声を少し聞いてみる」「この業務に詳しい人から情報収集してみる」など、小さなことの積み重ねが、やがて大きなクラフティングにつながっていくと考えられます。
3つ目は、時間軸を延ばして考えてみることです。
日々仕事に追われていると、「これ以上仕事を増やすなんて考えられない」と思う人もいるでしょう。そういう場合は、例えば、10年後の自分の部署はどうなっているべきか、あるいは、自分は20年後にどうなっていたいか、という視点から、今の仕事でできることを、距離を置いて考えてみましょう。そうすれば、新たなアイデアが生まれやすくなると思います。
“やらされ感“ で仕事をしているのは人生を無駄にしていることにも繋がるのではないでしょうか。充実した人生を送るためにも、ジョブ・クラフティングを取り入れてみませんか。
『人材開発、人材育成に活かす外部キャリアコンサルタントによる企業内キャリアコンサルティング、組織にキャリアコンサルタントを育成したいなどのご相談がありましたら、弊社にご相談くださいませ。
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