原です。
成熟化していくこれからの時代、精神的な充実を求める声が一段と強まり、物質主義は後退するでしょう。
私は、今年の4月に地元が山崩れ災害に遇い、幼馴染や知人を失いました。お盆の3日間に心の安らぎを目的に夏の風物詩「風鈴」を飾る企画を実施しました。
おかげさまで、複数の新聞社からの取材依頼もあり、「鎮魂の風鈴」という内容で記事掲載を頂きました。更に、多くの方から災害に対する支援金や応援のメッセージを頂きました。
風鈴は、情緒ある夏の風物詩として知られていますが、現在のマンションなど都会で暮らす人が増え、風鈴を屋根の軒下に飾る風景は田舎のごく一部となっています。同時に、風鈴を購入する人も減り、風鈴職人や専門店が大幅に減少している状況です。
しかし、風鈴の音による涼しさへの連想という機能性だけでなく、「鎮魂の風鈴」、「お守り風鈴」、「魔除け風鈴」などの思いを込めれば共感力は高まり、夏以外でも購入者が増えるのではないかと考えます。
このように、機能性だけでなくデザイン性、更には思いを込めたストーリー性を追加することで、物や企画への共感力や価値は高まります。
ビジネスでは論理的に立案された経営戦略も必要ですが、企業のミッションやビジョン、商品などのコンセプトを知ることで、自分も企画に参加したい・商品を購入したいと思わせるような「真・善・美」がなければ、顧客の心を動かすことはできません。
人に共感してもらうには、自分も共感力を高めることが必要です。
共感力には、ストーリーや世界観が必要です。
機能性の差別化は、いつかは真似されるかもしれませんが、ストーリーや世界観は真似されない、その企業や人にしかない「強み」になります。
この強みを論理的に立案された戦略に追加することがブランドになるのではないでしょうか。
私は、以前、狂言を習うなど日本文化や伝統の美に興味は持っていましたが、この風鈴プロジェクトをきっかけに、再び、美意識にスイッチが入った気がします。
最近、私は日本庭園に興味を持ち、書籍を読み現物を見学し、実際に素人ながら庭園づくりに取り組んでいます。
目的は、美意識を鍛えることです。美的センスが向上しているかどうかは分かりませんが、美に対する意識は高まっていると実感しています。
私を含め誰もがアーティストになることは難しいでしょうが、常日頃、芸術作品や文学などを見たりするなどアートにふれるだけでも美意識は誰でも高まります。
美意識を鍛える習慣を実践していきましょう。
2018年11月5日 のアーカイブ
ビジネスと美意識
やる気充満企業の作り方
安藤です。
世界調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことがわかりました。調査した139か国中132か国中と最下位クラスでした。また、企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達しました。(2017年5月26日)
問題なのは「不満をまき散らしている無気力な社員」の割合が24%と高く、周りに悪影響を及ぼしているということです。
そして、事故や製品の結果、顧客の喪失、職場風土の問題など会社にとって問題が起きる場合、多くはそういう人が関与している可能性が高いとういことです。
ギャラップは、下記の9つの項目に対して「仕事にやる気がある会社員」「仕事への意欲が低い会社員」で何が違うのかを調査しました。
・顧客評価(customer ratings)・利益性(profitability)・生産性(productivity)・離職率(turnover)
・安全に関する事故(safety incidents)・減損(盗品)(shrinkage<theft>)・欠勤(absenteeism)
・医療安全に関する事故(patient safety incidents)・製品・サービスの質(quality)
そして、調査で得られた「やる気度係数」によって、上位4分の1(やる気の高い会社員)と下位4分の1(やる気の低い会社員)を比較した際の、各9項目における差というものを報告しています。
それによると、9項目で明らかに優劣の差がみられました。
たとえばやる気の高い会社員は、やる気の低い会社員と比較したときに、顧客評価を約10%、利益性を22%、生産性を21%引き上げ、離職率、欠勤、安全に関する事故の減少、不良品といった項目に関しても大きく差が出たとのことです。
「やる気度」を高める施策は企業にとっても死活問題だと考えます。
ギャラップでは次の5つを提言しています。
(「The Worldwide Employee Engagement Crisis, A.Mann & J. Harter, GALLUP, January 7,2016」より)。
1.「やる気」対策を会社の人事戦略に組み込む
2.「やる気」を科学的に評価できる方法で測定する
3.会社が現在どこにいて、将来どこに向かおうかということを理解する
4.「やる気」をひとつの構成概念として見る
5.「やる気」をほかの業務優先と整合させる
“やる気” は目には見えませんが、リーダーのモチベーション力、個人のモチベーション力が「やる気の出る社風」をつくっています。社員の本音を漏れなく聴くことで “見える化” し「やる気度」を高める施策につなげ “エンゲージメント”を高めることが、これからの組織に必要なことだと考えます。
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