早嶋です。
経験則に2:8の法則があります。私も好んで活用しますが、全体の2割りの売上に対して曲者がひそんでいることを近年よく思います。会社の売上は主要な顧客の2割で全体の8割を占める。売上が利益になったり、企業に対しての貢献度になったり、数字の対象は状況によっとことなりますが、経営に満遍なく散らばるということは無く、偏りが生じることの例えです。
行動心理学の大家、リチャード・H・セイラー氏は人は心の中にいくつかの会計勘定(メンタルアカウンティング)を持っていると提唱しています。その際の理論は、あぶく銭として得た100万円と努力して得た100万円は同じ金額であっても使い方が異なるという説明です。入手方法によって、その価値が実際は異なり、それをメンタルアカウンティングと称したのです。
企業の上位2割の顧客の売上にも色があると思います。例えるなら良い売上げと悪い売上です。良い売上は、その企業が提供する商品が、購買した企業の課題を解決して、その企業の売上を上げることに貢献しているものです。従って、顧客は企業にある程度のロイヤリティを感じ、継続的に購買するインセンティブがあります。
一方、上位2割であっても上記と異なる売上が観察されます。悪い売上です。これは、購買に対して満足ではなく、不満でもない状態です。しかし、仕方なくその会社と取引を続けている。なんとなく、他と比較しても代わり映えしない、しかし企業の商品を活用しないと自分たちの商売も回らない。積極的に購買しているのではなく、必要性に応じて購買している様子です。そのような場合は、金銭的な違いしか比較相手との違いで見いだせないので、値引きやオマケといったものを付けての提供などをしています。
企業が知らずしらず売上だけを目標指標に使用すると、企業にとっても価値の低い顧客に対して商品を提供することが自然とでてきます。最悪なのは売上はあるが、顧客のロイヤリティがついてきていない場合です。従って、売上に対して色分けをして良い売上げにこだわることが今後の生き残りのポイントになります。
2017年8月 のアーカイブ
良い売上と悪い売上
電気自動車関連の成長
早嶋です。
日本電産の業績が伸びています。2018年3月期は連結で純利益の予想が1270億円です。内訳は電気自動車向けのモータ、センサ関連が伸びていることです。
2016年までの売上と利益は当社のWeb (※1)より分かります。売上のセグメントをみると。2007年頃から精密小型モータは3,000から4,000億を推移。2010年ころから車載、家電、商業、産業用のセグメントが大きく躍進して現在では精密小型モーターをしのぎ6,000億円の売上を上げています。
世界的には中国、ドイツ、フランス、イギリスなどが表明するように、ガソリン車は販売中止になり、電気自動車が主力になる予測が明確です。ガソリン車には機械的な部品が主力でしたが、電気自動車になると電子部品が主な部品になっていきます。そうすると、日本電産のような会社の成長が今後続々と出てくることが予測されます。
例えば、リチウムイオン電池では、セパレーターの供給企業である旭化成や東レ。正極材は住友金属鉱山や戸田工業。負極材は日立化成やJFEケミカル。電解液では三菱ケミカルや宇部興産です。
モーターの駆動用モーターでは、明電舎、日本電産、安川電機、日立オートモーティブシステムズ。レアアース磁石では信越化学工業、日立金属。電磁鋼板では新日鉄やJFEスチール。加えて充電インフラなどは日本ユニシスやトヨタ自動機器。インバーターは明電舎やカルソニックカンセイなどが躍進するのではないかと思います。
壁を乗り越える(問題解決力)
シニア・コンサルタントの原です。
地震や水害による災害が身近に起こっています。
災害により被災者の生活が困窮に陥るなど、人生が変化していくことにもつながっていきます。
私の実家も、平成2年の台風19号の被害に遭いました。それまでは、林業を経営していましたが、生活の基盤であった山林を失いました。
私は、家族や自分の人生が、今後どうなるのかと眠れない日々が続いたことを今でも思い出します。
その後、両親は、気落ちすることなく山林を開拓して、茶園とお米の加工業(ライスセンター)の経営にチャレンジしました。
茶園は、何度も苗木が枯れるなど失敗を繰り返しましたが、今では地域でナンバー1クラスの茶園に成長しています。
災害で荒れた山林の伐採作業、土づくり、植林、茶摘みなど、茶園づくりを通して新規開拓への苦労と失敗からの成功づくりを学ぶ機会となりました。
その間、私は大阪の夜間大学に働きながら通いました。夜間大学のメリットは、経営者に出会うきっかけも多く、大阪商人さん達からは商売に関する多くの学びや気づきを与えて頂きました。
卒業後は地元に戻り、サラリーマンしながら休日には、実家のライスセンターと茶園の作業を手伝ってきました。
そして、壁を乗り越えることに近い分野「問題(課題)解決力」に興味を持ち、BBT大学院に入学し大学時代と同様に、働きながら2年間の学びに取り組みました。
「光陰、矢の如し」と言いますが、災害から25年以上が経ちました。
こういった学生時代からの積み重ねと多くの仲間達のおかげで、現在の経営コンサルタントや研修講師を務めることができています。
災害などに遭い窮地に立たされた人達は、大きな壁を乗り越えています。乗り越えるには、資金や技術・知識も必要ですが、ゼロからではなくマイナスからスタートしていく精神力の高さと粘り強さが前提だと考えます。
そして、その根底には、「人や地域を守る」というミッション(使命)やビジョンがあるからこそ継続できるのだと考えます。
ピンチはチャンスなどと、決して軽々しくも言いたくはありませんが、問題解決を繰り返し壁を乗り越えることで、人間は大きく成長できる機会になるのだと実感しています。
パワーレンジャーとチームビルディング
早嶋です。
パワーレンジャーが公開されます。何のことかと言うと、日本版のゴレンジャーシリーズがハリウッド化されたのです。そう、赤レンジャー、黄レンジャー、桃レンジャーのあれです。毎回ワンパターンでそれぞれのヒーローが代わり番こに主役になって、最後はチームの力で悪に勝つ。
戦隊モノシリーズは、1990年台にアメリカに輸出され独自の進化を遂げてきました(今回の作品はアメリカらしく150億の制作費がかかっているようです。)。しかし、当時の輸出は壁が2つあったと言われます。1つは、ヒーローの一番の見せ所、名乗るシーンです。赤レンジャー、●●とか、青レンジャー、△△とか見せる場面で必ずそれぞれのヒーローが名乗り、ポージングをします。
合理的な当時の米国人からすると、その瞬間に打たれるぞ。ということで却下去れ続けられたそうです。しかし、それが徐々に見せ所であることが理解され、今では米国のヒーローも名乗る方向性に変化しています。実際、視聴者はそのシーンを自分で回想して、思い思いに変身ポーズとキメ台詞を口にしてあそんでいるのです。
2つ目は5人組ということです。スーパーマン、バットマン、スパイダーマン。米国初のヒーローは通常は1人。皆で力を合わせて問題を解決するなんてことが受け入れられなかったのでしょう。
しかし戦隊モノの基本はチームです。何かの理由で、互いに知らない、関係ないメンバーが集まります。チームとは言えない集まりが目的を認識して、自分の役割や責任を考える様になり、ジワジワ対立するメンバがリーダーの元意見の整合性をあわせ、チームへ変化します。敵対していた仲間も互いを認め切磋琢磨してチームと個々人がともに成長しながら悪に立ち向かいます。最後はチームの結束力や一体感が生まれ目的を達成する。そして、最終的には解散して各自がまた独自の歩みを始める。
考えるとよくあるパターンですよね。心理学者のタックマンが提唱するモデルにタックマンモデルがあります。チームは形成しただけでは機能せずに、混乱する時期を経て機能として動き出すという理論です。戦隊モノはまさにこのモデルに合致しているため人の心をつかみやすかったのでしょう。
加えて、5人もヒーローがいれば、様々なバックグラウンドがいて、必ず自分が共感するヒーローが出てきます。多様な人種や文化や思想の中で生きていく米国人に取って、この要素も受け入れられた背景にあるのです。
成長過程のトップが意識すべきこと
早嶋です。
成長過程の社長に多く見られる特徴が3つあります。自分のスケジュール管理ができなくなること。忙しいのが社長で、その管理を自分で行っている時についついダブルブッキングや穴が空く。基本的に、社長が参加しなければならない会議に穴が空けば、そこに参加した工数分が一気に無駄になります。
2つ目は、意思決定のバランスが悪く、細かい事業まで昔のように突っ込んでしまう。結果的に、全て自分が把握しないといけないと感じ、全てのボトルネックが社長になる。当然スピード感が薄れ、スケジュールも大幅にずれこみます。
最も多いのは、これでしょう。社長の考えは全て伝わっていると信じること。自分が考えていることが右手、左手、ないし社員に対して浸透しているという気持になってしまいます。しかし、実際は機能されている組織でもギャップがあります。成長過程のスピード感早い組織は流動的で何が何だか分からなくなります。最も重要な目的やビジョンは常に社長が言葉にして、幹部も同じレベルで話せる状況にしておくことが大切です。しかし実際は、伝わっていると勘違いして、それを前提に進めるため非効率な結果をうむのです。
1つ目に対して、スケジュール管理ができなければ、秘書を雇って、その部分のアウトソーシングをする。2つ目の意思決定に対しても、ある程度のルールを作り、現場に権限委譲する部分を明らかにする。そしてトップのビジョンは中途半端に語らずに、常に現場に出向いて自分の言葉で語りかけ、現場から帰ってくる返答に応じて組織の理解度を自分でチェックする。などは心がけるべきです。
特にスケジュールに関しては、長期的に確保している役員会や複数名以上の意思決定の場を、短期的なパッと飛び込んできた仕事で穴をあける。確かに、今のチャンスを逃すことも考えられるが、それだと計画性が無く、突発的に組織の仕組みになり結果、どのフェーズになっても追われている状況を自ら組織に作り出されることになるのです。
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