早嶋です。
サイバーエージェントの新規事業創出メカニズムは参考になります。戦略に人事を組み込み、事業とともに経営人材の育成を明確に目的としているからです。
近年、大手企業は成熟社会を乗り切るために、資本政策の一環で同業種、異業種に資本を入れ、シェア拡大や売上やノウハウの獲得を行っています。しかし、その場合、マジョリティを取ることが多く、マネジメントを送り込む必要があります。役員を入れ替えずに、そのまま経営を続けることも可能ですが、資本を入れた側の戦略を理解している人間が経営陣にいなければM&Aした企業とのシナジーは出しにくいでしょう。
しかし、実際の実務の現場を観察しているとM&Aで獲得することをゴールの如く振る舞う企業が多いことに気が付きます。基本合意を締結した後も、誰がその組織のマネジメントを行うか、役者が決まっていないのです。本来ならば戦略にもとづいてM&Aを行うため、検討段階でだれが社長を行うかをイメージしながら進めるものです。しかし企業にはもはや、他の企業のマネジメントが出来る余力人材が余っていないのです。
ここでサイバーエージェントの経営人材育成の取組を見て見ましょう。きっと試行錯誤の連続で現在もその仕組を改善しながら経営陣を育てているであろうと思わんばかりの凄い内容です。
基本の考えとして、サイバーエージェントは事業と人材を一緒に育てるフレームを作っています。その原則は3つあり、1)環境が人を育てる、2)決断の経験を増やす、3)セカンド・チャンスを提供する。です。
この考えを基に、社員から大量の事業提案を募集し、その提案の精査を社員を巻き込んで行います。重要な判断を社員に任せるのはまさに経験を与えて経営判断の練習をさせているのです。
サイバーエージェントは新規事業を加速させる取組を持っています。事業の評価やランク付け、撤退のルールを明確にすることです。そして、一度失敗して撤退を余儀なくされても全ての事業には2度めのチャンスを提供しています。
新規事業の創出には2つの大きな取組があります。あした会議とNABRA(ナブラ)という取組です。前者は役員がチームリーダーを務め社員とチームを組みます。そのチームが同社の「あした」をつくる新規ビジネスの構想や直近の課題解決について取り組む1泊2日の合宿を行うのです。あした会議は年に2回行われ、毎回複数の事業が立ち上がっています。面白いのは、提案した人は実行する人を別に選ぶこともできるという点です。ちなみにこれまで会議で設立された会社は30社弱あります。
もう一つのNABRAは社員による新規事業創出グループです。社内空の新規事業のアイデアに対して、役員ではなく社員で結成された投資委員会で決議されると事業として立ち上げられます。NABRAは10名のメンバーで構成され自分の事業が決議されたら、そのまま事業の立ち上げを行い、状況に応じて必要なメンバーが追加されます。
次に経営人材の育成についてみていきます。先ずは新卒社長の制度です。新卒でもサイバーエージェントでは子会社の社長を任せられることがあります。早い段階から社長の経験を積ませることで、一気に経営者としての素質を引き出すのです。入社1年目から社長に抜擢されるケースもあり、社長は子会社の予算の範囲内で自分の報酬額も決定します。
サイバーエージェントの取締役の人数は8名でCA8という呼称があります。CA8は原則2年に2名の入れ替えがあります。役員を意図的に交代することで経営人材を増やすことにつながり、会社組織を強くして事業の拡大につながるのです。
CA8名に加えて執行役員10名を合わせたのがCA18です。次世代リーダーから抜擢した10名に執行役員として経営の経験を積ませ、会社側としては経営の透明性を高くする目的も達成します。
CA18に加えて次世代リーダー18名を合わせたのがCA36です。若手社員や20代を中心に部署や年齢や役職に関係なく、選抜された18名は役員や経営陣が講師を務める研修制度に参加します。役員、執行役員、次世代リーダーを常に交流を行いながら、実際の意思決定の場に出させたOJTは、相当の経験を積む機会を与え、実践的な経営者を育てるプログラムになっているのです。
サイバーエージェントは、立ち上がった事業の成果を加速するための取組も実によく考えて行われています。それは子会社や事業をランク分けして、互いに切磋琢磨させ事業の立ち上がりを加速させる取組です。
事業のランクは大きく2つあり、スタートアップJJJとCAJJプログラムです。前者は設立2年以内で収益化が出来ていないスタートアップ事業を対象にしています。それぞれの時価総額を計算しながら「シード」「アーリー」「シリーズA」「上場前夜」とさながらベンチャーと同じような名称でランクを分けています。そして時価総額が30億円以上になると上場して上位のCAJJプログラムに昇格するのです。
CAJJプログラムは3つのランクがあります。J3、J2、J1です。J3は営業利益が黒字のステージです。J2は四半期の営業利益が1億円以上、J1は同じ営業利益が10億以上の事業です。営業利益を明確にしてランクを付け、事業成長を促します。更に、2四半期連続で減収減益になれば撤退、もしくは事業責任者の交代という撤退基準が明確に定められています。
付け焼き刃でM&Aをしても、付け焼き刃で人材育成をしても結局はうまくいかない。ということで全ては戦略にもとづいた取組というのが結局は時間がかかりますが、最も効果的に取組になるということでしょう。
2017年6月 のアーカイブ
サイバーエージェントの経営者育成
リクルートの新規事業化の仕組み
早嶋です。
リクルート出身の起業家が非常に多いです。背景は社員皆経営者主義の社風があると思います。常に新規事業を創造しながら会社自体を成長させ、紙媒体の時代からネットとエンジニアの会社へと変化しています。
1980年代は、リクルートの社員は小集団で活動して新規事業を生み出す仕組みがありました。RING(Recuruit innovation Group)です。これは社員皆経営者主義を浸透させる取り組みにもなりました。
1990年、イノベーション案件により特化してNew RINGとして取組を刷新します。この取組は現在にも至りゼクシィ、ホットペッパー、R25 、受験サプルなどの新規事業が生まれました。。
2012年、組織を分社化して、各社領域における新規事業開発は各社で推進する方向になりました。そして2014年にグループで共通して新規事業に取り組むためITを前提としたビジネスモデルを開発します。それがNew RING-Recruit Venturesとしてリニューアルしています。開催も年に1回から毎月の取組になっているようです。
New RING-Recruit Venturesの概要は次の通りです。目的はITを前提とした新しいビジネスモデルの開発です。開催は年に12回で年間に1000件程度の提案から事業化される案件は3件から4件程度です。
参加対象はリクルートグループ会社に在籍する全社員で、メンバーとして社外の参加者も認められています。審査に通れば予算が500万つき実際にプロダクトの開発を進めます。期間は3ヶ月の猶予が与えられ、最終審査で案件が採択されると賞金200万を得られます。その後、応募者はリクルートテクノロジーインスティティーとに異動、出向となり提案事業の事業化に取り組みます。この際、その提案者の上司は異動を拒否出来ない決まりになっています。
New RING-Recruit Venturesは10年後を見据えた取り組みで、10年スパンでリクルートの収益事業を育成することを目的に2014年以降7件の事業立ち上げお行っています。
既存事業が新規事業を開発するための心構え
早嶋です。
多くの企業は成長を求めていますが、国内が成熟すると成長の方向性は、地理的にビジネスをずらすか、自社の強みを活用できる領域にビジネスをずらすか、全く多角化するしかありません。その際に、自前で行うか、資本を入れて行うかの手法が出てきます。
しかし、ここに落とし穴があります。新しい取り組みに対して、既存の組織で機能させようとする点です。更に、声では新しいこと、イノベーションと言っていますがそもそも新しい事業機会を見つける機能やそのチャンスを活用する機能が圧倒的に不足しています。
これまで組織の新規事業の育成やマネジメントにおいて携わった経験からいうと、社内で新規事業が育たない理由は以下のようなモノがあります。
1)そもそも挑戦する人、失敗した人が評価されないで、失敗しない人が出世する。
2)上司が自分のことを考えるあまり、部下に対して過保護になり、部下に挑戦をさせなくする。
3)机上の空論の計画に全エネルギーを注ぐが、実行に移さない。移すとしたら、驚くほど一気に大きな資本を投下して取り返しのつかない状況になる。
4)既存の評価ルールを当てはめ、新規事業においても短期的な評価を求める。
5)既存事業のように全てを把握しないと気がすまない。従ってリスクの洗い出しを徹底的に行わせ実行が伴わない。
6)結局は、新しい取組を組織的に潰してしまう。
です。
上記に対してメスを入れるためには、新記事業を生み出すという文化をそれを受け入れる体制が必要なのです。確かに、かつての日本企業はソニーの「自由闊達にして愉快なる理想工場」やホンダの「ワイガヤ」、サントリーの「やってみなはれ」的な雰囲気が蔓延して新しいことを行う取り組みがありました。
経営者として上記を確認することができたら、新しいビジネスを生み出すために、1)経営者のコミットはあるか?2)新規事業を生み育成する制度を整備する、3)そして全社員に新規事業の必要性や既存の事業との違いを理解して頂く、ことを考えると良いと思います。
日本勢の時計の売り方
早嶋です。
セイコーウォッチは高級ブランドのポジションを更に明確にするためにグランドセイコー(GS)をメインにロンドンに英国初の直営店を出店します。GSの中心価格は60万円で機械式とスプリングドライブ方式を揃え、クオーツ式が20万円台です。最近はセラミックス素材の時計や彫金を施した100万円以上の価格帯の時計も充実しています。海外の店舗75を2019年3月までに100店舗体制にして国技での高級時計の市場に真っ向から勝負する方針です。
対してシチズンは2008年に米国ブローバの買収、2012年に80万円前後の時計を手がけるアーノルド&サンの親会社スイスブローサHDも買収、去年は欧州ブランドのフレデリック・コンスタントを買収してブランドポートフォリオを固めています。更に、自社のブランドを高めるために機械式時計の最高峰の技術でもあるトゥールビヨンを100%東京メイドというコンセプトで2本限定で販売しています。
一方Gショックのカシオは徹底的に中間層の中国や東南アジアでのブランド構築を進めています。17年3月末での販売本数は850万本、今期は中国でのネット販売にも力を入れ900万本の規模を予測しています。
国内の主要時計メーカーが国外を攻めるのは明確な理由があります。国内事業が芳しくないのです。そこで世界の主要腕時計の輸出国の輸出数量を見てみました(※1)。それによれば時計の輸出数量のピークは2004年で約18億本。現在は、香港の輸出量がピーク時の半分以下になっていて、全体でも10億本を割っています。中国は2006年頃より横ばいで約6億本と全体の6割以上をしめ、現在でも最も輸出されている国です。
一方で、数量は減少しているものの、主要時計輸出国の金額ベースは増加しています。数量ベースがピークだった2004年の輸出金額は凡そ160億ドル、2014年がピークで450億ドルまで伸びているのです。単純に計算すると数量が16億本から10億本に、金額が160億ドルから450億ドルですから1本あたりの単価が約5倍の45ドル程度になっていることが言えると思います。
別の統計で世界の携帯契約数を見てみました(※2)。2000年は10億台を割っていた契約数が2015年時点で70億台を超えています。世界の人口(※3)は2000年時点で約60億人、2015年時点で70億人ですので単純計算では1人1台携帯の契約があるのです。実際は、1人で複数台を契約している人がいるので、上記のように皆持っていると考えるのはよくありませんが、単純に時間を知るデバイスを誰でも持っていることになります。
時計は、単に時間を知らせる道具として捉えた瞬間にフマフォに置き換えられてしまう。従って、時計に何か別の感情的な価値を捉えた人が敢えて購買するようになるため、値段が上がり、数量が減っていると考えることができると思います。
上記から総合して考えると、時計の方向性は、1)完全に上にふった高級化、2)中国のマス層や東南アジアを中心とした、或いは今後のアフリカを狙った中間層向けの商品と徹底した低価格化、そして3)スマフォの競合、もしくはフマフォの代替器としてのデジタル化の方向性が考えられるでしょう。
GSは完全に1)の高級化を邁進。しかし、母体のSEIKOは2)の中間層から低価格までを同じSEIKOで進めているため、いくらGSといっても、レクサスのように上手くブランドイメージを確立できないのではと思っています。理由は、母体の規模です。トヨタは20兆円の規模で世界有数の自動車グループの中、ハイエンドのブランドを立ち上げました。それでも世界で認知されるには10年、BMやベンツと比較されるようになったのは近年の話です。
SEIKOは王者ロレックスを少なからずとも意識しているでしょう。こちらの売上は4000億規模、対してSEIKOはグループ全体で1300億。真っ向勝負をするのであれば、中途半端なブランドは削って行き、全てにおいて高級といポジションを取らなければ中途半端な立ち位置が続き苦しい経営を強いられると思います。
ブランドとしてはGSの他にアストロン、ガランテ、プロスペックスなど特色のあるものはあります。が、高級ラインを意識するあまり宝石を埋め込んで値段をあげる。金ピカにしてエグゼクティブラインと称すとやや品の無さで価格を釣り上げているようにも思えます。一方で、昔の品番を忠実に復刻しながら技術は最新という手法も取っています。同じSEIKOのグループの中でやり方がバラバラで全く噛み合っていないように感じるのです。
シチズンはブランドポートフォリオを確立してマルチで戦う戦略です。1)と2)の両方を狙っていると思います。高級ブランドは欧州勢のブランドで、中間層向けをボリュームではシチズンで狙い、全体のブランドイメージを底上げるために世界一薄いソーラーウォッチや100%東京のトゥールビヨンを出しています。課題は、日本のマネジメント能力で海外のブランドポートフォリオを管理できるかです。特に高級品の時計を魅力あるように見せるための販促活動はスイス勢が最も得意とする領域です。元々のブランドの意思を尊重しながらも独自のメリットを出せるかがポイントになると思います。
SERIKOがロレックスなら、シチズンはスウォッチグループをイメージしているのかもしれません。スウォッチグループの全体の売上は6000億から7000億。複数のブランドとターゲット層を組み合わせながらブランドポートフォリを構築して、日本勢が1980年代にデジタル化の波で機械式メーカーに大打撃を与えたころから伝統的な統計メーカーに資本を入れて大きく育った企業です。このポジションを狙うのもかなり苦戦が強いられるでしょうね。因みにシチズンの売上規模は1600億円です。
カシオは伝統的に情報化が得意でした。数千円のチープカシオを武器に途上国や中間層の人々にブランドネームを売り2)を基軸に、今後は3)にも力を入れていくと思います。実際にネットにつながるスマフォ不要の時計なども精力的に発売しています。
しかし、この領域は既に時計メーカーの戦いからエレクトロニクスメーカーの進出が激しく技術のアップデートがカシオ単体でできるかがポイントです。主要エレクトロニクスメーカーは全体の規模では1兆をゆうに超えています。他するカシオは1700億の規模。R&Dや将来の投資のことを考えると全方位的な商品は戦略的にも難しいと思います。
※1:スイス時計協会『スイスと世界の時計産業』参照
※2:国際電気通信連合の統計資料を参照
※3:国連人口統計を参照
経営者が知っておくべきM&A
早嶋です。
目標とギャップの売上が確保出来ないから、とりあえずM&Aでシェアを買おう的な発想があります。しかし、その後、どのように買い手にアプローチするのか?M&A全体のプロセスはどうなっているのか?資本を入れた組織をどのように同業していくのか?などを考えずにFA(M&Aを進めるコンサルタント)に丸投げする場合があります。
ギャプを埋める行動があればまだいいほうです。中には、余裕資産があるから、とにかくM&Aしたいというのもあります。その場合、明確な投資ルールや買収方針があれば良いのですが、勢いだけで何もでてこない場合、買収することができたとしてもその先がありません。
そもそもM&Aとは、企業の合弁や買収を指します。また、企業や事業、あるいは資産を取得する際の方法は様々なものがあります。吸収合併、株式取得、TOBなどの移管、事業譲渡、会社分割、業務提携、OEM提携等です。つまり、その手法そのものは単なる手段であり戦略を実現するための選択肢に過ぎないのす。
近年、大企業を中心にM&Aは盛んです。理由は国内のビジネス環境が低迷しているので、異業種参入や新規ビジネスを目的として時間やノウハウを取得する。或いは、同じビジネスを海外で展開する時にやはり時間やノウハウを取得するという場合です。
どちらも明確な目的がありますので、その目的を達成するための手段として自前で行うか、資本を入れて行うかの選択が戦略になります。従って、M&Aの成功の定義は戦略のゴールである目的を達成できたか否かが重要です。
企業によっては、明確に企業戦略に紐付いた形でM&A部隊が組織されているところもあれば、単にM&Aという言葉が独り歩きして、案件を持っていくも、或いは案件が外からやってきても、その企業は詳細な分析ばかりに時間をかけて精査することに時間を費やしている担当者を多数みます。
そもそも戦略があれば、案件が持ち込まれた時点でその案件が当初の目的を果たすか否かはある程度スクリーニングできます。しかし、始めからその方針が不明確な場合が多いと感じます。
企業の評価に対しても同様です。その企業がバリューか否かは、最終的に買い手が判断することになります。他の同業者が価値を感じなくとも、自社の明確なゴールを満たすために、この部分を補ってシナジーを出すことがでることが分かった。そしてそれを自社で行った場合の比較をすると、資本を入れた方が遥かに合理的だという仮説が立てば、高いものではありません。
つまり、企業の評価をするにも、主体は買い手になるということです。バリュエーションも基本的には業者に丸投げをしてしまうと、全く意味のない算数で鉛筆ナメナメの数字が出てくるだけなのです。
M&Aで成功しない企業の特色は、買うことがゴールになっていく企業です。そもそもの目的がないので、今取り組んでいることがゴールになり、交渉を進めるうちに案件の不備が見つかっても、ウィナーズカースに陥りとにかく進めるスタイルです。この場合は、企業に資本を入れることは出来ますが、その後の経営が全くみえません。
通常は、基本合意を結ぶ段階で、その後の統合チームをまとめ買収完了ともにどのように統合して、自社の戦略を進めるかを議論し始めます。当然、この段階で誰が新しい組織をマネジメントするかも明確になっています。が、実際はPMIなどもあまり行わない。そもそも買収後に誰が社長とするかを決める企業も案外と多いものです。それは上手く行かないでしょう。
買い手企業として案件を獲得する場合も考えるべきことがあります。M&Aの案件、つまり売り物件は水物だということです。デパートに行って、そこに自社の戦略を満たす案件があるかと言えば、その確率はほぼゼロに近いです。買い手の意志で明確に探す必要があります。
理解していない経営者は、M&Aで解決したと思います。そこで部隊を作り丸投げします。実際、その部隊も試行錯誤しながら案件を探しに行ったり、案件のオファーをもらうようになります。しかし、FAの立場からして、その組織に何度か話をして、経営者の判断が遅い場合は、次から案件を持ち込まなくなります。理由は、商売にならないからです。
M&Aの案件の性質を考えた場合、通常の経営の意思決定をしていては時間がかかって、逃してしまいます。従って、M&Aを考えているのであればその判断や意思決定は経営陣の中でどのようにすべきかを明確に議論しておくことも必要です。
ビックデータの市場の番人
早嶋です。
「市場の番人」ということで、公正取引委員会がデータの独占にメスを入れ始めます。主な概要は、ビックデータを企業活動の資源と捉え、不当なデータ独占や囲い込みを独占禁止法の適応にする方向性を示したことです。事例を説明する報告書の中では、グーグル、フェイスブック、アマゾンなどのプラットフォーマーの名称が出ていました。
このニュースを見て3週間くらいの前の日経新聞に、強すぎる米ITビック5として、アップル、アルファベット(グーグルの持株会社)、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンが紹介されていたのを思い出しました。米国ではこの企業が圧倒的にITの分野を中心に勢いがよく、他のIT企業が苦戦している、顧客を奪われているという内容の記事でした。
実際、当時の記事を参考にするとビック5と他の企業の時価総額に大きな差が出ています。
アップル:8252億ドル
アルファベット:6522億ドル
マイクロソフト:5273億ドル
アマゾン:4661億ドル
フェイスブック:4365億ドル
です。
対して、IBMは1410億ドル、スナップで238億ドルと上位トップ5の時価総額が突出していることがわかります。時価総額は株価と発行枚数の積算で、株価そのものは将来の収益の現在価格で示されますから、差がついていると言っても過言ではありません。
ビック5に代表される企業は、世界中に億単位の利用者がいて、誰が何を買い、どのようなワードに興味があり、どのような行動の傾向が高いか、などの情報を常に蓄積していきます。
今回アップルも発表したようにAIスピーカーなどは、この情報収集を加速する動きになると考えることも可能です(アップルの場合、情報を一度分析して、その情報はクラウドに上げないと表明していましたが。)。IoTの進歩により、ウェアラブルデバイスのデータや身近なデータが全て統合的に分析され蓄積されていきます。
このデータを活用して利潤を追求する動きは自然な流れです。顧客よりも顧客のことを知ることが出来る次期もすぐやってきます。実際に、ビックデータから言えることは人間以上に人間の行動を理解しているケースも多数でています。
一方で、個人情報を提出しなければサービスを提供させない、他社へ乗り換えを阻止するために必要なデータは他者に開示しない、などです。これは明らかに独占禁止にあたるよね、という報告書です。
当たり前ですが、公取委はこれまでの領域は交渉による談合のような伝統的な、アナログなやり方に目を光らせていました。しかし、ここにもデジタル化の波がやってきて、ようやく追いつくカタチになっています。
一方で、プラットフォーマーも企業努力を重ね、莫大な利益を更にシステムやコンピュータに投資した結果出来上がった仕組みなので、すんなりそうですねとも行かないでしょうね。
今後、更にAI化とIoT化は進みます。このような議論が始まることは消費者側と企業側にも良いことだと思います。この流れはウォッチしていきたいですね。
イノベーションの創造とマネジメント
早嶋です。
前回のブログ(尖った人材調達は新人一括採用では無理)で、新入社員の採用とイノベーティブな社員についてコメントしました。これは採用の話しなので、仮にイノベーティブな社員を採用した場合にマネジメントができるか?という点について考えます。というのも、仮にそのような状況になったとして、上司や周りの同僚がその社員を受け入れて、一緒に革新的なことをする!という流れになかなか今の大きな組織はならないのでは?と思うからです。
実際、対応の仕方としては次のようになります。
1)既存の組織に通常の社員と同じように受け入れる
2)既存の組織の中からイノベーションを推進する組織を作り、その中に受け入れる
3)全く新しい組織(別会社)を作り、その中に受け入れる
自社の資本傘下での受入を前提とした場合、上記の方向性が考えられます。仮に、上記の1)から3)の方向性で何らかの成果が出て、今度はそれを本丸に適応しようとした場合、考えられるのは組織の抵抗です。考えられる方向性は、
1)反対を表明して、受け入れない
2)反対を表明するが、受け入れる
3)賛成を表明して、受け入れない
4)賛成を表明して、受け入れる
でしょう。
1)が大きな勢力になれば、多くの組織はその方向に動くでしょう。実際に、他の人は仕方なく賛成となり受け入れる素振りを見せても、実際に行動をしなければ、2)か3)の状況になり、結局組織の行動は変わりません。
上記から分かるように、イノベーションを興すには、2つの方向性を常に検討する必要があります。つまり、イノベーションを興す取り組みと、イノベーションを推進する取り組みです。前半はイノベーションを興すためにどのようにすると良いのか?それを採用や教育の視点で議論する組織は多いです。一方、創造されたイノベーションを組織にどのように受け入れて、どのようにマネジメントするかという後半の取り組みは、組織ではあまり見かけません。どちらかが重要というわけではなく、どちらも大切です。特に、後半の取り組みが無ければ折角出来上がったイノベーションの方向性が組織に受け入れられなくなるからです。
イノベーションは、通常は1)新入社員、2)大きな組織の場合は組織間の異動の時、3)そして退職の時に生まれやすいという話は有名です。そこで、例えば企業の中で次のようなルールを決めると良いと思います。
新入社員や中途社員や異動社員が発生したタイミングで、できるだけ早い時期に、その組織の良い点と悪い点、こうしたらもっと良くなる点などを既存の社員に何らかの方法で共有、周知、意見交換するような場を設けるのです。特に技術的な部分に関しては、否定をせずにその社員が言っている本質を再度検討し直す取り組みを行うのです。
組織に変革を起こしたい場合、外部の考えは極めて重要です。定期的に外の刺激を組織に植え込む。そういう意図での外部との交流、外部講師のトレーニングを計画的に意図的に導入するというのもありでしょう。かつて大きな組織に入った時、入社した時に抱いていたアイデアは後に、発言力、政治力を身に着けた時に、実際に実行して高い評価を得たことがありました。当時の経験ですが、新入社員の時に一番更に会社のことを客観的にみることができました。何も知らないからです。勤めて数年立った時、その課、或いは部、或いは事業のことを知るようになりその企業に浸かってしまいます。すると新入社員の時のような発想が少なくなるのです。これは同一の組織の中でも異なるグループに異動するときも同じでした。従って、効率の対局になりますが、意図的なジョブローテーションも一定の効果があるのでしょう。
社内に価値が転がっている
早嶋です。
社内の企画は、かなりの部分「思い込み」をベースに進められていると思います。で、良い企画は、それを「思い込み」からスタートしていると認識していること。つまり、それを仮の説としてファクトや少なくとも2次情報レベルで精査して裏を取っていきます。また、企画が「思い込み」であるゆえに、本当にその企画の筋はあっているのか?そのターゲットってつまるところ誰なのか?というレベルの議論がなされて無ければ机上の空論の空論レベルです。
今から始める多くのビジネスが、国内では後発です。従って、その領域でプレーヤーがいて、ある程度の序列ができています。通常は、一番名を馳せている企業が全方位的に規模の経済を勝ち得ていますので、コスト的に最も強いです。で、次のプレーヤーやニッチャーがそれなりのポジションを占め、何らかの優位性を武器に高値の商売をしています。
ここに思い込みの企画をぶつけると、結論はおおよそ次のようになります。自社では、コスト勝負になり勝ち目がないので、販路を海外に持っていきます。と。がどうでしょうか。実際にそうれは本当かもしれませんが、少なくとも海外に目をやった瞬間、それは海外の誰なの?最初の一歩のビジネスを具体的に誰にアプローチするの?という問に応えるのにざっくり1年以上は必要になります。
そこで「思い込み」とした場合、本当に勝ち目はないのか?と思考することはできます。基本的にコストで負ける。自社の提供する商品に価値がないと思っているから、顧客のニーズがみえなくなるのではないでしょうか。内部で何らかの商品を提供しているのであれば、基本的に何かの価値を必ずターゲットに対して届けているはずです。それは何なのか?という掘り下げが必要です。そのためには、1人で考えるのではなく、その顧客と様々なシーンで接している内部の社員の声に耳を傾けることも大切です。
企業規模がそもそも数十人以下であれば、そのような取り組みは無意味かもしれません。しかし数百人以上の規模で行っているのであれば、からなず内部に様々な価値が転がっています。それを発見して、言語化して、商品として見せることができれば、新たな商売につながります。企業の中にどっぷり使っていると、それが何なのか見えなくなります。また、自分たちの価値を言語化できなくても、それを正しく顧客にリーチできなくてもこれまでの商流がそれをヘッジしてくれているから不要なのかもしれません。
大企業の場合の新規ビジネスのスタートは、自社の既存の商売について、何が価値なのか?を問い直すことからスタートするのも良いアイデアだと思います。
尖った人材調達は新人一括採用では無理
早嶋です。
日本企業はグローバル人材、尖った人材、リーダの育成と唱え流れも、基本的な採用は昭和30年頃から続く新卒一括採用です。しかも、その採用戦略は本社の戦略に殆ど関係なく、毎年人事が中心となり採用を進めています。真に企業を変えたいのであれば採用、育成、評価、雇用形態、組織体制にゼロベースでメスを入れる必要があると思います。
例えば、採用はこれまで新卒を一括採用して本社で大切に育てる形式が基本でした。日本らしい良いやり方であることは否めない一方で、基本的に尖った人材はいないのではという疑問がわきます。従って、今後は中途採用社を中心とした採用や、尖った人材を欲するのであれば一本売で現場の担当者が異端者を採用できる権限を与える等の変化球が必要です。
また、ITの販促や導入に対しては、50代、60代の脳みそで考えるのではなく、今の若い層、10代や若手世代に方針だけを伝え、詳細は任せていくスタイルを取ることが大切です。更にこの分野に対しては、年齢の上下ではなく、デジタルにどれだけ触れてきたかを指標にしてデジタルネイティブが先輩社員をリードできるような教育方針も必要です。
また、新入社員教育で社内一括のコピペ研修を行うことから、人材ごとに必要なカリキュラムを組み直して、アラカルトの研修を行うように変更したほうが良いと思います。仮に社内統一で研修をするのであれば、概念化能力の強化を基本とした研修、特に問題解決の考え方やアプローチは徹底的に時間をかけていくべきです。多くの企業は詰め込みで問題解決も入れていますが、全体のカリキュラムの数%に過ぎません。
雇用形態ももっと柔軟に捉えて良いと思います。基本は正社員ですが、プロジェクト単位や仕事の単位ごとにクラウドソーシングをもっと活用して、多くの知恵を仕事に入れることを発想すべきです。基本的に内部の人間だけで数年以上取り組んでいる仕事は、無駄の塊だと思っていいくらいです。外部の人間を適宜活用することで、自分の強みと圧倒的に努力不足の仕事が瞬時にわかります。外からの当たり前の目で、不要を削除するだけでぐっと生産性は向上します。
最後に新規事業の進め方です。多くの企業は既存ビジネスで成績を上げたチームを新規チームに抜擢しています。が、これはその時点でアウトです。既存のように計画通りいかないのが新規ビジネスです。実行して失敗して、そこから学ぶというマインドが必要です。既存ビジネスの成功者は計画通り、いきなり大きく成功をできると未だに信じていますが、それは神話です。基本的な人事は、現在の本社の制度と全く切り離して、できれば新会社で行うくらいの大胆さが必要です。完全にルールも分けられるし、失敗も成功も明確になります。自社に有望な人間がいなければその新会社に新しい人材をひぱってきてある程度の権限を与えることも大切です。
仮に、ビジネスに投資をする場合は、いきなり投資をしないで上記のような新組織で実際に自分たちで小さく経験を積み、勘所を磨いたほうが良いです。その上で資本を入れることで、マネジメントの管理が容易になります。いきなり出資をして相手に丸投げだと、結局管理ができなくなり、その投資額全体をどぶに捨てることになります。
統合と数字の細分化を強めた時の愚。
早嶋です。
ある企業では、年間の数値目標を490に設定しています。期首から2ヶ月たった現時点で実績は105。ギャップは今の時点で385です。この時点で年間の達成の確率をどのように考えるか。これは実際の事例で、ある地域である事業を行っている企業の事例です。
元々、そのビジネスは地域ごとに細分化されており、全く別組織として運営されていました。それが2000年頃に複数の地域が統合され1つの組織として運営されるようになりました。しかし、その組織はそれから10年以上経過しているにも関わらず、管理の仕方は昔のままで、未だにその地域単位で計画を立て、地域から積み上がった計画をベースに全体の目標を設定しています。
例えば、統合する前の地域はF、N、S、M、O、Kという地域でした。そして各地域には統括本部があり統合する前は各本部が地域の数値管理を行っていました。各地域には10から20の支店があり、その支店の売上合計が各地域の売上になっていました。
Fの実績は60、年間目標は140、ギャップは80。
Nの実績は10、年間目標は60、ギャップは50。
Sの実績は10、年間目標は60、ギャップは50。
Mの実績は10、年間目標は70、ギャップは60。
Oの実績は10、年間目標は90、ギャップは80。
Kの実績は5、年間目標は70、ギャップは65。
これをみると、
計画を上回る地域はF
概ね計画通りの推移を示す地域は、N、S、M
若干未達になりそうな地域は、M、O
計画を下回る地域はK
ということがわかります。
通常の感覚であれば、2ヶ月経過した段階でKの進ちょくを確認し、10ヶ月後も大幅に計画未達と推定された場合は他のエリアで調整できないか等の検討を行うでしょう。しかしこの組織は、各地域のセクショナリズムが極めて強く、かつ計画に対して期中にフィードバックする文化が全くありません。
驚くべきことに、それが各地域の支店に対しても同様でした。例えば、計画通り経営しているように見えるNの地域は、10の支店があります。それぞれの支店にも上記のように年間の目標、月間と詳細に目標が設定されています。そして、毎月目標とギャプの管理をしています。ある店舗は計画を上回るペースで推移していて、ある店舗は計画を下回るペースで推移しています。だからと言って期中に店舗ごとの調整を行うことはありません。しかも計画を律儀に守る文化があり、期中に調子の良い支店は年間の売上に帳尻があるように後半はペースを落とすため計画を大幅に上回った実績を上げる店舗がないのです。
つまり、計画を下回る店舗の数だけ目標とのギャップが増えて行くのです。景気が良くて、経済が右肩あがりの時は良かったでしょう。おそらく全店舗目標達成という絵図がかけていたと思います。しかしここ10年以上は経済は低迷して、店舗が全て計画通り行っていません。
文化や慣れというのは怖いもので、店舗の統合や地域の統合を行うことも無く、見た目上は統廃合を行っているのですが、実際の運営は20年以上も前からの仕組みで、全くと言ってよいほど統合効果がないのです。
整理すると、この企業の特徴は次の通りでした。
●組織運営形態は昔からの取り組み方を守り、戦略と一切紐付けられていない。
●目標と計画は細かく設定している。各地域、各支店レベルで細分化し、年間、毎月、毎日のギャップを速報で管理している。にも関わらず、担当地域、全体での整合性の調整などは全く行われない。
●強烈な部分最適に陥り、全体がどのようになっているかを組織で把握している人が殆どいない。
●計画を修正するどころか、徹底的に守る文化が強く、計画よりも伸びる可能性があっても途中でスピードを緩めてしまう。
少しデフォルメして書いている部分もありますが、全国に一律に存在していて、何らかの規制やルールで守られていた企業に観察できる事項です。このような企業は企業戦略や事業戦略の区別が無く、また組織の効率化を鑑みて機能を全店舗で統合する動きも極めて鈍いです。組織の規模が大きくて、ネームバリューが高いから離職する人も少ないのでしょう。結果的に、その組織でどっぷりと時間を経過した社員は、何ら疑問を持つこと無く仕事を続けているのです。
日本企業の生産性が低い理由は、非常に単純なことがベースで、外の組織の人間が診断するとあっという間に原因がみえてしまうかもしれません。しかし、その仕組はその組織に根付いています。強烈な刀を振りかざさねければそう簡単には変えられないのが現状です。
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