早嶋です。
交渉の戦略を立てるためのフレームに、1)交渉の重要性を考える、2)双方との今後の関係性を考える。があります。もし自分にとって
●交渉内容が重要で、相手との関係性も今後も継続したいのであればWin-Winの交渉を進めます。
●交渉内容が重要で、相手との関係性は今後はどうでも良い場合はWin-Loseの交渉を進めます。
●交渉内容が重要ではなく、相手との関係性が今後とも継続したいのであればLose-Winの交渉を進めます。
●交渉内容が重要ではなく、相手との関係性も今度はどうでも良い場合、そもそも交渉を行いません。
米国と北朝鮮の関係を、米国を主体に考えた場合、交渉のオプションはWin-Loseだと思います。米国に取って北朝鮮の今後の態度は非常に重要です。北朝鮮が持つミサイルの脅威が自国の領域に達するためです(※1)。これまでの射程は3,000キロ範囲内したが、近年の核実験とその技術の蓄積によって射程距離が1万キロに達すう可能性が出たからです。また、北朝鮮との関係性を考えた場合、相手国はそもそも理屈で動く国ではないため、関係性は重要でありません。むしろ一度リセットして、統治下におくか、関係国の管理下に置かれた方がメリットが強くなります。
韓国と北朝鮮の関係を、韓国主体に考えた場合、交渉のオプションはWin-Winに近いWin-Loseでしょうか。有事になった場合、ソウルは瞬間的に火の海になり少なくとも100万人の被害がでることが予測されています。しかし隣国との関係は韓国に取って重要なはずです。統合することができれば、安価な労働力をしばらくの間は確保でき、核の保有も同時に得ることができます。
中国と北朝鮮の関係を、中国主体に考えた場合、交渉のオプションはWin-WinとWin-Loseの間くらいでしょうか。中国に取って北朝鮮との関係を維持するのは重要です。国交がある数少ない共産主義政権と言うこともあるでしょう。もし有事になれば考えられるシナリオは韓国と北との統合です。この場合、米国との同盟国である韓国が北朝鮮を統一することになるので、中国としては国境を隣にすることになります。これは中国にとってもクッションがなくなり厄介です。また、北朝鮮との国境近くにはいわゆる朝鮮族(韓国、朝鮮系中国人)が暮らしています。北に制裁を加えると、国境地域の住民感に不和が拡がることも中国政府の恐れになっていると思います。
中国としても北朝鮮に対しては面白く無いと思います。これまで何もしなければ、均衡関係が保たれていたのに、今回の北朝鮮の挑発の度が過ぎたので米国が動き始めました。1つはTHAADの配備です。北が動かなければ、韓国にTHAADを配備することの理由がありませんでした。しかし、今回は米国にとっても大義名分ができ、堂々と配備することができるようになりました。これは中国としても面白くないことだと思います。また、結果として朝鮮半島付近に米国の空母や原子力潜水艦を配備させることにつながりました。中国からすると圧倒的な米国の軍事力を見ることになり、これまでのように強気の体制が取りにくくなったのでは無いでしょうか。
現在、報道では米国は北朝鮮の軍事的な包囲網をほぼほぼ整えているようです。北朝鮮が軍事行動を起こせば、即対応できるように推定で300発の巡航ミサイルが北朝鮮の地下施設に照準を合わせていると言われています。
米国はこの一連の軍備配備においてフェイントをかましていました。4月初旬、シンガポール付近にいた空母カール・ビンソンを北朝鮮に向かわせると命じました。しかしひ実際はインドネシア方面に迂回して時間稼ぎをしていました。この動きに慌てた北朝鮮は臨戦態勢に入ります。通常の演習とは全く異なる臨戦態勢に入り、大量の物資や要因を地下施設に送り込みました。米国の真の目的は、この様子を観察して地下施設の場所を正確に把握し攻撃する対象を絞り込んだのです。
北朝鮮は現在、臨戦態勢になっている可能性が高いです。しかし、このニラメッコ状態が続くと北朝鮮には申告なダメージを受けると思います。6月は北朝鮮に取って重要な田植えの時期です。そしてその時期は兵士のマンパワーが非常に重んじられていました。もし、臨戦態勢が続けば当然持ち場を離れることができなくなり田植えに影響が出て空きの収穫、そして食糧不足につながる可能性があるのです。米国はあるいみ北朝鮮に対しての兵糧攻めを行っているのです。
※1:http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_int_northkorea-missilerangedistance
時事ドットコムによると、ノドンの範囲が1300キロ、ムスダンの範囲が3000キロ。3000キロの範囲では日本がすっぽり射程距離内に入り、東南アジアの一部まで狙うことができます。長距離弾道のKN08は9000キロの射程で、これだとグアム、ハワイ、LAの近辺までが範囲になります。更に、テポドン2号改良型は1万キロなのでワシントンの近くまでが範囲となります。
2017年5月 のアーカイブ
朝鮮半島をめぐる動き
3Mが58年連続増配する理由
早嶋です。
米素材大手の3Mは58年間継続して増配している典型的な右肩上がりの成長企業です。同社の大きな経営方針は、研究開発を重視し、人材においては生え抜き人材の教育に重きを置いています。
3Mが管理する指標に、NPVIがあります。New Product Vitality Indexの略称で全売上高に占める過去5年以内に発売した商品が占める割合です。現状の目標値は30%。彼らの経験からすると3Mの商品は新商品発売から商品の陳腐化が始まり毎年4%程度の売上が減少するという認識を持っています。そのためポストイット等の一部の商品を除けば5年で20%の売上が減少することになります。そこで継続的に新商品を生み出すという指標を明確に掲げて常に発売5年の商品の割合を30%目標にイノベーションを起こしているのです。
ドラッカーは顧客の創造のためにはマーケティングとイノベーションと言っています。まさに、商品を作ったその日から陳腐化が始まるため、3Mは明確なNPVIの指標によってこれを管理しているのです。そして、3Mはそのイノベーションを2つに分けています。
顧客触発型のイノベーションと洞察によるイノベーションです。前者はカスタマー・インスパイアード・イノベーションと呼び、顧客と一体になり開発する仕組みです。3Mの主要な顧客を特定し、その顧客毎に専任のチームを編成します。そして顧客の声を直接聴く体制を整えているのです。更に3MのCEOはこの仕組を助長すべく、全世界で50から100社ある大口顧客のトップと直接的な関係を構築するために半年に1度の割合でそれぞれの企業のトップと直接会って意見交換や要望を聴くことで組織として徹底しています。
イノベーションの後者はインサイト・ツー・イノベーションと呼び、幅広い新たな市場の創出を狙うものです。その方法の中心コンセプトはいわゆるエスノグラフィーと呼ばれる行動観察の手法です。技術者が実際にユーザーの立場を体験して、開発テーマを見つけ出す手法です。これは商品の開発を意味あるものにすると同時に、研究者や技術者を刺激してやる気を引き出す副次的な効果もあります。
この2つをみると、前者は既存商品に対してのイノベーションで後者は新規商品におけるイノベーションと捉えることができます。既存の特徴は徹底的に顧客の声に耳を傾け、後者の新規商品に対しては3Mの知見を提供しています。新規のアプローチに対しても、3Mは机上で仮説を立てるのではなく、技術者が現場に行き、実際の現場を観察してから仮説を立てるところがポイントです。商品の開発には既存商品も新規商品も始めから技術者の関与があるのも特徴です。
経営方針で技術を大切にすると謳っている会社は多数ありますが、3Mはそのことを明確にルールとして定着させています。例えば2つの15%ルールです。1つ目の15%は年間約2,000億円の研究開発投資の予算の内、15%は基礎的な研究に振り向けて、テーマや資源の配分は研究開発部門に一存して自由に決めてもらう取り組みです。経営陣が将来の研究開発のポートフォリオに口を出さないのです。
もう一つの15%は、個々の技術者に対しての取組です。業務時間の15%は会社が命じた仕事ではなく、自分の好きな研究や開発に費やすように推奨しています。会社内で内緒で仕事をしてよく、実際にこの取り組みから新商品が次々に生まれています。この取り組みにも出口があり、毎年1回、ミネソタ州の本社で15%アワードという大会があり、そこで優れた技術や商品に表彰をすることで陽の目を継続的に浴びさせる取り組みをしています。
上記のような技術に傾倒する文化、しかし明確にビジネスにつなげていく考えを社員に定着させることで3Mの企業文化が出来上がったのでしょう。人材の外部調達も一部行っているでしょうが、基本的な方針は元々の社員の成長を自律的に行うような取組を定着させているのです。更に、トップをみると米国人、スウェーデン人、韓国人、日本人と、人種や地域に関係なく経営陣の人事を決めていることがわかります。透明な人事を徹底しているようです。生え抜きの人材を活かすと言いながら決まったバックグラウンドの人が経営陣や主力メンバーになることが分かれば、どこかで成長欲が冷めてしまいますが、その上限も取っ払っているところは流石です。
上記の方針は近年のグローバル・ビジネスにもフィットしていると思います。世界の様々な地域や国の市場を知るために、国境を越えた人事ローテーションを加速して、グローバルに通用する人材を育てているのです。
3Mの中に宿る文化の中に無視できないのがオープンイノベーションのマインドを社員が持っていることだと思います。例えば、日本の技術思考のメーカーは数多くありますが、事業部やコーポレート毎にコミュニケーションの壁があります。実際に壁を作ることは無いのですが、在籍している人材同士の自由なコミュニケーションが昔から無く情報の交換を行っていないのが現状です。一方で、3Mは社内で「こんな技術やアイデアはないか?と議論を始めれば、必ず別の社内から何かしらの反応が生まれる。」というのです。これがキッカケで問題解決が前進します。
オープンイノベーションを有機的に進めるためには、組織の人間の中で、誰が、何を知っているか?ということを組織が知っていることが重要です。いわゆるトランザクティブ・メモリーと言われる概念です。同じような人材が集まれば、基本的には同じような体験や同じような知識しか持ち合わせません。そこで同じジャンルでも顧客が違ったり、扱っている技術の上流下流が異なったり、あるいは顧客が同じでも、提供している技術が違えば、何かの考える軸や視点が異なるものです。そのような中で自由な議論が生まれれば自然と新しい視点とアイデアと切り口が生まれる。そのためには、トランザクティブメモリーを有効活用する、これは上手く行きそうですよね。
3Mは15%ルールの定着のために1950年代から社内技術の見本市を開き、誰が、あるいはどの部署が何に取り組んでいるのかを継続的に情報共有してきました。これによって企業の中の集合知とトランザクティブメモリーをを高めていくことも文化として定着させる一助になっているのです。
ランサムウェアの悲劇
早嶋です。
今朝の紙面は、サイバー攻撃に関する情報が多く掲載されていました。先週末に大規模なサイバー攻撃が起き、各地で被害があいついだからです。状況はまだわかっていないようですが、昔企業に勤めていた感覚からすると攻撃の手法が大幅に高度化していると感じます。
今回のサイバー攻撃のランサムウェアは、その名の通り、電子メール等を通じてPCに侵入。保存している情報を勝手に暗号化して使えなくするというものです。そしてもとに戻したければ身代金(ランサム)を要求する。しかもその対価は仮想通貨であるビットコインで300ドル。
人質などの相場が100万ドルから200万ドルと言われていた数字からすると小さいですが、300ドルの攻撃を全世界の地域や国や企業や公共施設に一気に攻撃しています。300ドルだと決して払えない金額では無いので、困り果てたら払ってしまう金額です。1万社から支払いがあれば300万ドルなので先方からすると犯すリスクよりも分があるとみているのでしょう。更に日時を週末の金曜日にしているあたり計算していると感じます。週末は、ITエンジニアも出社していなくて、PCが使えない状況に困り果て、ビットコインを払ってしまおうか。そんなユーザの心情を察した手口なのです。
今回の手口は、米国マイクロソフトの基本OSの欠陥を狙って攻撃したものでした。修正ソフトは既に3月に配布されていますが、全ての企業がITに精通しているわけではないので、このイタチごっこは永延と続くことが予測できます。
国内ではインフラや大規模な生産工場への攻撃が目立ちました。日産自動車の英国工場の生産システム、フランスルノー欧州の複数の工場でも工場稼働が停止。ドイツでは鉄道の掲示板や発券機が打撃を受けました。人名に関わる攻撃としては病院の手術を管理するシステムのダウン。スペイン通信大手も被害を受けています。国内でも上下水道のシステムがダウンしたという報道がありました。
需要なインフラや公共施設を中心に攻撃したのも意図的だと思われます。今後IoTが普及して全てがネットワークにつながることを考えるとこの手のテロは国を上げた対策を取る必要があると思います。国は、情報機関のWebページでの警告を示していましたが、地震や災害と同等と捉えて不要なファイルを開かない、ITエンジニアを備えさせるなどの対応は今後検討の余地があると思います。
ベイエリアからバンクーバーに
早嶋です。
フィナンシャル・タイムズ紙によると、MBAの留学先として米国を選択する学生が減少しています。理由はトランプ大統領です。報道では、米国MBAの入適性試験であるGMATの出願が去年の同時点で4割程度減少していました。実にこのような減少が数字で明確に現れるのは10数年ぶりだとか。
考えられる理由は明確ですね。米国MBAの主要な市場はインド人で、修了後に米国で就労ビザの規制の対象になるのではという不安が今回の結果に現れていると思います。インドでビジネスを行っている知人によれば、インド人学生は就職をする地域や場所を踏まて大学も考慮しているそうです。
入国規制に対しての先行指標は、米国での国際会議の予約でも見られます。現在、向こう1年先くらいからの予約が激減しているようです。通常、国際会議は1年から2年先の予約を当たり前とします。トランプ大統領の就任から100日が経過して、入国規制に対しては不安定な状況が続きます。実際、わずか数か国の規制でも大問題です。参加する方々の地域や国が1つでも入れば、その場所での国際会議は成立しません。
従って、今後将来に渡って開催される会議場の選択肢から米国は切り離されているのです。代替として人気があるのはシンガポールやオーストラリアです。クライアントの旅行会社でもこの動きは把握しており、国際会議のアレンジには米国よりも上記に上げた国を中心にプロモーションをはじめているそうです。旅行宿泊業の大きな位置を占める国際会議の市場が米国でも1年後くらいから陰りが出てくる。ジワジワ、影響が出ています。
MBA市場は、その後の就職という点についても今後の米国に影響を与えるでしょう。米国の代替としてのMBA留学先は、カナダやオーストラリア、欧州などにです。この影響は国際会議と同じで確実に将来に影響を与えます。ひょっとして1年程度でシリコンバレーやベイエリアにも大きく関係するのではないでしょうか。米国で最も活気があるエリアもまた移民や外国人の知的労働者で成り立っています。もし、このまま不安定な規制が続けばそのエリアが丸まるバンクーバーに移る可能瀬も考えられます。
実際、IT企業の大手やスタートアップ企業の経営者のインタビューでも、複数の経営者がバンクーバーに興味を持っていることを示唆しています。米国でも米国以外の優秀な人材が確保できなくなれば、米国のITビジネスのスピードが減少するでしょうから人材確保は非常に重要な話題です。ITバブル再来依頼のベイエリアの活況に対して、自国の大統領がメスを入れて終止符をうつ。トランプ大統領が残している爪痕は、少し将来の米国に大きな影響を残しそうです。
宅配の生産性
早嶋です。
生産性=アウトプット/インプット
宅配の問題は、1)宅配物の増加に加えて、2)再配達の増加があり、宅配業界に撮ってダブルパンチになっている。3)また、10年程度前に改正道路交通法による事業者の路駐の規制も宅配の効率をダウンさせる要因かも知れない。
そこに対して同業界はこれまで、インプットである労働力を増やす方向で調整をしてきた。もちろんITを使った物流の効率化は進み、ロング(※1)と言われる長距離の主幹配送の生産性はかなり高い。一方で、ラスト1マイルと言われるショート(※2)の部分、地域の配送センターから個人宅までの配送効率は、上記2)、3)が重なり、人を増やしても対応が常に後手に回る。
運送業界が人を増やすと言っても、実際の労働力の母数が増えるものではないので、一人あたりの労働時間(※3)が長くなる。業界の配送効率を力技で維持する努力は、最終的にショートで荷物の集配を行う従業員のしわ寄せに行き着く。
世の中の変化から考察する。そもそも荷物を配達する前に再配達を予防するために運送業界は個人に連絡をする。が、最近の若い人は登録なしの電話からの着信はスルーする傾向が強い。また、独居世帯の増加、夫婦共働きの増加も、家庭に人がいない状況を増やしている。結果、再配達の確立が高くなっているのだ。
解決策の方向性として、宅配ボックスの設置と近隣のコンビニでの受取がある。宅配ボックスは、小規模のマンションであれば問題無いが、大規模のマンションであれば、すぐに箱がいっぱいになるなど、また別の問題が起きて根本的な解決ではない。近隣のコンビニのサービスは、わざわざ取りに行くことが面倒になり定着しにくい。
再度、現状の流通をみてみれば、ロングはかなり混載も含めて効率化が進んでいる。となると、非効率なのは再配達があって、1日に何度も同じ場所に行かなければならないという仕組み。スマフォ時代なので、頻繁に利用する家庭に対しては流通会社で共有の連絡システムを確立して、不在の確率を減らす取り組みの方向性などが考えられる。朝、新聞がきて、昼郵便がきて、夕方ヤマトがきて、夜佐川がくる。まさに毎日がショートのオンパレードである。これらの業務を各社で共有化して、1日1回に集荷を集約し、家庭に代表で届けるとすると効率も良くなる。
いずれにせよ人材の投入での力技の方向性は、宅配物そのものの増加、配達員の減少からして、始めから拉致があかない対策だ。受け取る側も、ちょっとだけ利便性を放棄して社会で解決しなければならないと思う。
※1:ロング
例えば福岡の自宅から東京の知人宅まで荷物を運ぶ場合。福岡の自宅から福岡の配送センターまで荷物を運ぶ。そこから都内の配送センターまで荷物を運ぶトラックに荷を載せ替えて運ぶ。この長距離の主幹配送をロングと称す。
※2:ショート
東京の配送センターに届いた荷物は、再度小さな地域を巡回するトラックに載せ替えて知人宅に届けられる。この路線をショートち呼ぶ。
※3:労働時間
同業界の分析をした弊社調べになるが、1日の従業員の集配の平均個数は150個。トラックで横付けが出来ていたときでも平均して12時間程度の労働時間が必要になった。現在は都市部は台車や電動自転車での配送ミックスを実現しているため一部効率は元のままだが、それ以外の地域は12時間の平均より長くなっている可能性が推測できる。
ーーー
結論と理由の危険性
早嶋です。
結論と理由を明確にしましょう!と小さい頃から言われて育った気がします。が、重要なことは、結論とはあくまで達成したい目的に近づくための結論であり、理由もそのことを示す理由になっていることが大切です。
例えば、企業で経費を削減しましょう!ということで、一律削減というのをよく耳にします。昼の電灯も、採用コストも研修コストも、工場の投資も何もかも削ります。
この場合の結論と理由は、例えば、
昼の電灯を消灯します。何故ならば、電気代が削減できるからです。
見積もりは一番安いやつを採用します。何故ならば、経費削減しているからです。
採用も見送ります。理由は採用コストは馬鹿にならないからです。
しかし、重要なことは目的を理解することです。例えば、企業が経費削減をする理由が、既存のビジネスモデルからの脱却で、新規ビジネスの投資を厚くすることが目的だったとします。この場合、採用に対しては、既存の事業のための採用は削減しても良いかも知れないですが、新規ビジネスに対しての採用は積極的にする必要があります。
上記当たり前のように感じることと思いますが、皆思いつきの結論に対して、その結論を正当化することを理由だと勘違いしています。結論はあくまで、上記の事例であれあば既存ビジネスからの脱却がより達成できることの提言であり、理由はそのプロセスや達成できるようねと理解が促進することが理由です。
ソリューション提案をするために必要なこと
早嶋です。
「ソリューションビジネスの提案力を身につけさせたい。」「フロントエンジニアの育成をしたい。」「コンサルが出来るエンジニアを育てたい。」というような相談が、ここ1、2年増えています。いずれも大手電機メーカーからの相談依頼です。背景は昔から言われているように、物売りの発想では仕事を獲得することができないので、顧客視点で提案を出来るエンジニアを育てたいということからです。
提案をするということは、顧客の頭の中に、何かしらの問題があり、それをどのように解決するかという課題が存在していなければ提案できません。それを提案する側が把握して、顧客が自前で行うよりも、提案する側の何かしらの資源(ノウハウ、商品、アイデア、ネットワーク等)で解決できることを示さなければなりません。そして、当然、顧客は自前で行うよりも全体的なメリットがあることが求められます。
現在、何故、上記のことができにくくなったかと言えば、提案を求める顧客企業自体が何をしたいのかが見えないという理由です。従って、目標や到達地点がわからないため、現状とのギャップ、つまり問題そのものが定義できにくいのです。ここに従来の発想を持った企業は、自分たちが持つ資源をちら見させ、さも顧客の課題が解決出来る素振りをしているのです。当然、問題の定義自体が無いので、その提案が良いのか、否かの判断が顧客にも理解されないという状況です。
2000年頃からIT業界で言われるソリューションビジネスとは、提案される側、つまり顧客自体が、何を解決したいのかが不明確な状態です。従って、提案する側もどのように解決すると良いのかが不明確な状態です。提案する側、される側、どちらも何をしたいのかがわからない状態からスタートしているのです。
従って、先ずは、提案される側が何をしたいのかを明確に言語化する必要があります。つまり提案の前に、問題を定義する必要があるのです。問題とは、在りたい姿と現状のギャップですので、少なくとも提案する企業は、顧客の現状を把握しておかなければ、そもそもNGです。現状とは、過去から現在の取り組み、現在から将来に発生するであろう課題感を把握することです。つまりは、その企業の戦略を理解して、その戦略を実現するための事業部の取り組みや、対象顧客が属している部や課の取り組みを把握する必要があります。
更に、顧客が法人ビジネスであれば、法人がどのようなビジネスモデルで成り立っており、エンドユーザーはどのようなことを価値として期待しているのかを知っておくことも大切です。それでもまだ問題は定義されません。現状の理解しかないからギャップを見いだせないのです。
提案する側は、該当顧客の戦略をベースに、複数の組織にアプローチして、実際にどのような状態になれば良いのかということを質問を行いながらヒアリング、整理していきます。通常、組織は上位になればなるほど大枠で長い時間軸を考えています。そして、下位になればその大枠が細分化され、時間軸も短くなります。もし、提案する側が、たまたま目の前の顧客が言っている内容を鵜呑みにして問題を定義した場合、大抵の場合ミスリードします。その担当者自体が会社の戦略を把握していない可能性があるからです。従って、その部門の上位の階層、その部門と連携して仕事を進めている部門にもヒアリングを行いながら、戦略を満たすためにはどうしなければならないのかの方向性を共有していくのです。
するとようやく、顧客が何をしなければならないのかがみえてきます。つまり、在りたい姿を徐々に見せていくことで徐々に顧客も問題を定義するための在りたい姿がみえてくるのです。この過程で、顧客の現状分析や業界の分析、その業界を脅かすマクロ環境や新たなビジネスモデルの脅威、あらたなテクノロジーなどの把握をしながら、どんなギャップがあるのかを顧客と共に言語化しながら共有するのです。
こうして、提案する側、される側、どちらも何をしたいのかがわからない状態から、顧客が何をしたいかが明確な状態になっていきます。ここで提案と早まっては行けません。まだ、その方向性やそのギャップを埋めるための課題が特定できていないからです。提案する側は、このギャップを埋めるためにすべきことは何か?自社で全て行うのか?顧客のリソースを活用するのか?外部のパートナーや技術の活用が必要なのか?を整理して、最終的に自社が何をすべきかを明らかにしていきます。
つまり、顧客が行いたいことが明確になり、自社がどのような解決策を提供するとよいのかが明確になるのです。この状態になって初めて提案活動が行えるということです。
となると、単に提案のテクニックを身につけるというよりも、ビジネスの基本と問題発見と課題解決の基本的な要素を理解しなければ、上記のような顧客の悩みに対して提案できる人材は育たないということなのです。
マーケティングの支援ツール、FAAVO福岡とは?
シニア・コンサルタントの原です。
FAAVO(ファーボ)は本部を東京に置き、地域を盛り上げるプロジェクトに特化したクラウドファンディングネットワークです。各地域に運営事業者がいて起案者への支援を行っており、弊社は2015年1月から福岡県のFAAVOの運営を始めました。
これまでは社会的、福祉的な案件が中心でした。ただ、2017年に入って商品開発や農業関連などビジネス要素の強い案件の相談・セミナー依頼が増えており、今年はビジネス系にも広まりを見せていくと思います。FAAVOのサイトでも「商品」や「食」などの特集ページを設け、掲載・発信に力を入れることも考えています。
これまで企業は様子見のところもありましたが、目的やテーマ、ターゲットを明確にして魅力的なリターンがあれば、これまでの案件と同じ、もしくはそれ以上の結果が期待できます。
クラウドファンディングは、テストマーケティングの一環として活用できるうえ、銀行融資を受けた場合と違って返済も不要です。通常は投資後に、販売や来店につながるかという不安がありますが、クラウドファンディングでは支援者=強力な見込み客であり、顧客リストになります。仮に達成できなくても特に費用が発生するわけでもなく、コンセプトの見直しや分析に役立てることもできます。
こうした市場の伸びに、銀行も注目しています。面白そうな事業だけど、融資まではできないプロジェクトには、クラウドファンディングを紹介するケースも増えています。そこで成功すれば、次は融資交渉に利用できる実績にもなりますし、投資額が100万円程度の事業には、ぴったりということもあります。
そこで、毎月1回はテーマ「最新のテスト・マーケティング手法」により、FAAVOを活用した新商品開発・新サービス開発または改良のテスト・マーケティングの手法についての実務的なセミナーを開催します。ご参加をお待ちしています。
★ー5月セミナー開催のお知らせー★
『最新のテストマーケティング手法』
●日時 2017年5月17日(水)18:30〜20:30
●対象 経営者、後継者、商品開発・企画ご担当者
●定員 10名程度
●会場 福岡市中央区赤坂1-13-10 赤坂有楽ビル3F
「㈱ビズ・ナビ&カンパニー セミナールーム」
※地下鉄赤坂駅から徒歩1分。1階に「カフェ ベローチェ」があります。
●内容 商品開発やサービス企画のテストマーケティング手法
毎回、新商品・サービス開発または改良に、実際に取り組んでいるプロジェクトテーマについて、テスト・マーケティングの手法を取り入れた実践的な勉強会です。・クラウドファンディグとは
・FAAVO事例紹介
・テストマーケティングの進め方
毎回、実際に取り組んでいるプロジェクトテーマについて、テスト・マーケティングの手法を取り入れた実践的な勉強会です。
●講師 原秀治
●参加費 3,000円/人
※当日、現金にて徴収いたします。領収書は準備しておきます。
●申込 メール、電話、FAXにてご連絡下さい。
五月病にならないために
シニア産業カウンセラー・THP心理相談員の安藤です。
今回のテーマは、「五月病にかからないために」です。
新人研修が終わってから実際の仕事がスタートする時期5月、6月に、新社会人から「新しい環境や人間関係などについていけない、やる気がでない」という言葉をお聞きになりますか?
専門的にいうと、環境の変化についていけないで起こるのは、「適用障害」と言われています。
そして、「適応障害」は、5月、6月に限定しているわけでもありません。また、やる気がでない、気分が沈みがちといった状態は「気分障害」の可能性もあります。
適応障害の原因としては、初めての一人暮らしや時間の使い方の変化、新しい人間関係、想像していた新生活と現実のギャップについていけないなどがあげられます。
五月病にかからないために、今、あなた自身が抱えているストレスを意識化し、どの具体的な対処法が望ましいかを整理します!。
『メンタルヘルス:自身のストレスを減らすためのスキル』
●日時:2017年5月19日(金)19:00〜21:00
●対象 メンタルヘルスに興味のある方、ストレスを減らしたい方、人事・教育ご担当者
●定員 10名程度
●会場 福岡市中央区赤坂1-13-10 赤坂有楽ビル3F 「㈱ビズ・ナビ&カンパニー セミナールーム」
●内容
私たちは常にストレスがある中で活動をしています。自身のストレスとうまく付き合っていくことは仕事の生産性いわば仕事生 活にも影響を及ぼします。気持ちよく仕事をしていくためにもまずは、自身のストレスを認識していただきたいと思っています。
・自身のストレスを分析
・自身のストレスの癖を認識する
・ストレスを減らすスキル
●参加費 3,000円/人
●申込 メール、電話、FAX、Webにてご連絡下さい。
会場:〒810-0001 福岡市中央区赤坂1-13-10 赤坂有楽ビル3F
申込:電話092-761-6130 FAX:092-671-6075
メールアドレス:info@biznavi.co.jp
*申込は ㈱ビズ・ナビ&カンパニーのHP→http://www.biznavi.co.jp/seminar/1556からお願いいたします。
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
【個別相談】
入社して間もない方からの相談です。仕事のことが気になって眠れないんです。寝ても2時間おきに目が覚めたりします。翌日、疲れが残って朝、気分がどんよりしています!。睡眠不足は脳の疲労にもつながります。まずは、やることとして寝る前の2時間前からはスマホは見ない、お風呂に入ってリラックス、そして軽いストレッチに呼吸法を試してみましょう!。吐くほうが吸うより2倍を基本とします!。
コーセーが好調の理由
早嶋です。
化粧品業界、コーセーの営業利益が突出しています。2017年3月期のコーセーの連結売上は2,667億円、連結営業利益は391億円。決算期が異なりますが、資生堂の売上は2016年12月期で8,503億円、営業利益は367億円です。3倍近い売上を誇る資生堂の営業利益をコーセーは上回っています。
コーセーの躍進の1つの理由は、急成長しているブランド、タルトでしょうか。今回の決算期から連結対象として決算期に加えています。2016年1月から12月の売上が円換算で凡そ280億、営業利益率は3割の84億円です。年間ののれん代の償却が13億程度なので70億の利益貢献をしていることになります。
コーセーはタルトを2014年に130億円程度でM&Aしています。1980年から1990年代生まれのミレニアム世代をターゲットにした自然素材だけどカラフルなポジションの化粧品で、日本では未発売です。
タルトはインスタやYoutubeやツイッターを活用した事例で注目されています。インスタのフォローワー数は、現在時点(2017年5月8日)で652万人。インスタ1回の投稿に写真だと数万単位の「いいね!」がつき、動画だと数十万単位の「いいね!」がついています。
化粧品業界は売上に占める広告宣伝費が高く、コーセーでも7%程度を費やしています。タルト単体でどの程度の広告宣伝費を使っているか分かりませんが、マス広告に頼らない手法を確立しているかも知れまえん。だとしたら、このノウハウを本体にも投入できるかは期待できますね。
SNSはメーカーが情報を発信するだけではなく、ユーザーからも発信されます。インスタやYoutubeなどは、化粧品マニアや素人だけど参考にされるユーザーが数多くいて、そのユーザーが積極的に情報を発信することで、ドンピシャのターゲット世代にリーチします。かつコストは安価。著名人が明らかにお金をもらって宣伝している商品よりも、タルトのターゲット世代には素人やアルファブロガーなどの方々の評判が良いのでしょう。実際は、この世界も大夫大きなお金が動いていますが。
更にSNSの手法が良いのは、瞬時に地域や国を越えて世界中に情報が広まることです。タルトのチャネルは米国や英国を中心に実店舗を展開して、180カ国地域に対してEコマを提供しています。コーセーの決算資料によると16年のEコマの売上は2割り程度みたいですが、今年度は更に伸びるのでは無いかと思います。
因みにコーセーのPERは割安。現在の株価(11,440円)でも初年来高値圏ですが、それでも約27倍。ポーラが28倍、ファンケルが29倍で資生堂が46倍。そう考えると、もう少し株価が上がっても良いのでは?という気もします。
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