早嶋です。
農業の時代は土地をおさえた人や組織が権力を握った。
産業の時代は鉄をおさえた人や組織が権力を握った。
現在は、情報化時代。データをおさえた人や組織が権力を握る。
参照:未来化する社会(アレック・ロス著)
日本企業は1970年代に自動車産業を、1980年代に家電の世界を新しく切り開いた。今度はこの動きが新しくなり、2020年代にはマンガや映画の世界を現実化したロボットの世界を作り出すと思う。
経済の立て直しもあるが、足元の少子高齢化が現実に迫っている。不足する労働資本に対しての打ち手は3つしか無い。
1)内部の人口を増やす、
2)外部の労働人口を活用する、
3)人の手を活用しない、
だ。
1)は仮に今日100万人の子どもが生まれても16年後からしか資本としてカウント出来ない。
2)は基本閉鎖的な政策故に現実的に難しい。仮にオープンになったとして、他国の移民政策が現実的に回るようになってからはその政策を開始して15年から20年かかっている。
とすれば3)。これがロボットの活用で日本の強烈なインセンティブになり、2020年ころから輸出する商売として再度柱になると思う。
現在のロボット産業のビック5は日本、中国、アメリカ、韓国、中国。日本とアメリカは高度な産業ロボットや医療ロボットの分野に明るく、韓国と中国は一般消費者に近い比較的に安価なロボットの主要産出国だ。互いが切磋琢磨して確実にロボットの市場は増加している。日本がロボット出荷台数を増加させる一方、中国は2005年以降、年率25%もの勢いで成長する巨大なロボット市場の存在がある。
ロボットは徐々に人が行っていた仕事を代替するようになる。これは人間の仕事を奪うばかりではなく、社会の流動性を変えることになる。学生時代は家庭教師や肉体労働の対価でわずかながらの投資資金をためて将来への金融資金の蓄積と脳みそへの投資を続けてきた。
しかし、ロボットが普及していくと比較的経験が浅くてもできていた仕事そのものが無くなることを意味する。つまり資本が無い人間や経験が無い人間が段階的に資本を蓄積するための術が失っていくのだ。これは富の分配が更に増える懸念がある。構造的に昔のように這い上がることが難しくなるからだ。何らかの社会的な手当を真剣に考えなければならない問題だ。
DeNAが始めたDNAの解析サービス。スタートした時点の価格は検査キットと将来のデータの保管とアップデートを含めてわずか数万円だった。およそ300種類くらいの病気に対して遺伝という見地から可能性を示唆する仕組みで、現時点で解析できていなくても将来的に解析がすすめば、それに対しての対象法もアップデートして提供するサービスだ。ソフトウェアの解析はやがて人の細胞やゲノム、そして脳のエリアにも入っていった。
多くの病気で、特にガンのような病気は発見が早ければ早期の治療は可能だ。ステージⅠやⅡの状況では9割以上の確率で完治できるがⅢ、もしくは末期になった場合は絶望的になる。ここに対しては昔は予測という手法は少なかったが将来的にはモニタリングができるかもしれない。
しかしながらここには完全に貧富の差が左右する。生まれた瞬間からそのDNAのデータを解析してどのような可能性があるかを予測する。金銭的に豊かであればその将来の病気に対応することができるかも知れないが、豊かでなければ知っていても確実にくる将来を待つしか手段は無いからだ。
一方で、地球上の70億の人間の内、既に60億の人間が携帯を保有している。人間がオンラインの状態になっているのがマイノリティではなくなっているのだ。今後、センサー技術や解析技術は進んでいくだろうから、これらをキーとした医療という携帯が生まれてくると思う。
人間は78の臓器や器官、206の骨、640の筋肉。そして25000個の遺伝子を持つ。極めて複雑な機械だ。が、その理解はやはり進んでいくものとして、全ての病気に対して新たなアプローチが見つかり、スマフォセントリックに解決するものも出て来るかもしれない。
大きな歴史的な見地では、その病気である種の人間や動物が死んでいくことは意味があるのかもしれない。現在はゲノムの研究の進化で絶滅した種をよみがえらせることも可能だ。が、その後、その種が再び食物連鎖に影響を及ぼし、それによって未知のウィルスや最近までが蘇る可能性も否定できない。
生命の操作はまさに神の領域で触れてはいけない分野に人の手がリーチし始めている。
2016年8月9日 のアーカイブ
土地⇒鉄⇒データ
2016年8月9日 火曜日
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