早嶋です。
先日、ダイエットの話になりました。すこしお腹が出てきて、そのお腹に合わせてズボンを変えていくと、徐々にそのサイズが当たり前になるという話題です。面白いな、と思いました。サイズを大きくしていくと、そのサイズが自分のサイズになるというのです。逆に、太ってきた場合、そのサイズでは少し小さいだろう、昔のパンツを履くことで、太らずに、元に戻る傾向が強いとか。
先日、ホメオスタシスについて書きましたが、ダイエットも慣性の法則と同様で現状を保とうとするのです。この事をちょっと強引にビジネスに置き換えて考えました。
ビジネスでは必ず先行投資が必要です。どんなに、合理的に効率的に行っても、先にお金が出ていきます。世の中、変動費に対応するビジネスの考え方が定着していますが、固定費を出すことをケチることで成長が止まる事も感じます。例えば、固定費の代表選手でオフィスです。やはりオフィスを構えることはアントレプレナーにとって大きなリスクかも知れません。そこで、SOHOの発想でビジネスを行います。しかし、これでは中々組織が大きくならないし、自分が行いたい規模のチームが育ちません。場が無いから人が集まりにくいのもあるでしょう。
かと言って、無防備にオフィスを借りる事を推奨している訳ではありません。しかし、人はダイエットと同じに身の丈にあったサイズになろうとします。従って、事務所も出して、少し広いかも知れない空間で仕事をしていると、その空間がちょうど良いように、自然と規模が大きくなることだってあると思います。勿論、その固定費を払っていることによって、意識的に、無意識的に思考が働き、人は行動しているからかも知れません。
やや乱暴ですが、太っていく体にサイズを合わせてズボンを大きくする。はじめから少し大きなズボンを合わせて、そのズボンに合わせていく。ビジネスって面白いですね。
2011年7月 のアーカイブ
ダイエットと先行投資
性急なお家柄
早嶋です。
慎重に意思決定をすすめる日本に対して、韓国は早いと言われます。これは歴史的な背景や地政学的な理由があると思いました。先日、韓国籍の知人と話をしていた時のことです。日本は海に面していて、隣国から責められるリスクはありますが、韓国の場合それ以上です。国土面積は1/4程度の韓国は常に大陸からの侵略の可能性にさらされてきました。現在も北朝鮮の脅威は日本の比ではありません。
そのような背景から、李朝依頼、一貫してスピードが必須になってきているのです。従って、今日決めることは今日決める。という発想が染み付いています。走りながら考えるという発想は、日本の気質に合いませんが、韓国では走りながら考えるという発想がDNAに染み付いているのです。
緻密な計画のもとにじっくり攻めこむ日本に対して、始めたら半分終わったも同じ、という格言がある韓国。議論に時間を奪われないで何事も迅速に意思決定をすすめる。知人との話で軍隊の話題もありました。徴兵制度です。意思決定のスピードはその経験もあるのかも知れません、ほとんどの成人男性は軍隊の経験を持っているからです。軍隊では意思決定を早めるために、上官の命令に従い、迅速に行動する訓練を徹底するそうです。これらの経験がビジネスにも役に立っていると言います。
昔と違って変化が早いビジネス。慎重に考えて、失敗の可能性の少ない手法を見出して実行する場合、実際に実行したときは既に考えた時期とビジネスの環境が異なっていて、せっかく見出した手法がそもそも合わないってことになっているかも知れません。
グローバル化あれこれ
早嶋です。
サムスン電子の常務を務めていた吉川良三氏の本を数冊読みました。その中でものづくりのグローバル化とデジタル化について触れていたのが印象的です。
日本でもグローバルという言葉が経営にも浸透してきていますが、おおくの場合まだ国際化です。つまり、世の中が成熟してきて価格競争に勝つために、商品を安く提供する仕組みが必要になってきます。人件費が安い海外に生産拠点を移管するという発想です。しかしグローバル化とは、そのような新興国を生産地と考えるのではなく、消費国として考える発想です。従って、グローバル化している企業は新興国を市場と捉えるために拠点をまるごと作る発想を持っています。そして、それぞれの地域の文化に合わせて地域密着型の商品開発と販売を行っているのです。
それに加えてものづくりのデジタル化です。これに対比する言葉はアナログ的なものづくり。かつて日本が得意として、世界の工業国にまでなったお家芸です。しかし近年のデジタル化の進歩によって製品のモジュール化が進んでいます。ここの部品があるのではなく、ある程度標準化された部品群の組み合わせがあって、それをベースに開発や生産を行う発想です。グローバル化によって、より多様なものが求められるなか、全てをアナログ的に一から創っていては間に合いません。そのために、スピーディーに対応するために生み出されたモノづくりの手法です。
これはITの発達ともリンクします。現在では、製品開発や設計の段階からデジタル化が進み、目的に応じた様々な製品がつくりやすい環境になっています。これまでは業界をリードする国や企業の専売特許だったモノづくりが、従来以上に多くの国や企業が開発しやすくなっているのです。
これによって、国際化の発想で、生産拠点を海外の新興国にもっていっただけでは競争に勝てなくなっています。グローバル化を進めている多くの企業は、現地に生産拠点、人材、調達、R&D機能、マーケティング機能を移して、市場として捉えているのです。これは国内外を問わずに、新の競争のグローバル化が進んでいく結果にもなっています。
トーナメント戦に勝つための意思決定
早嶋です。
前回のブログで、世の中の戦い方がリーグ戦からトーナメント戦へ移行しているという事を書きました。この時に、経営者として大切なことは意思決定のスピードを早めることです。多くの本を読んだり、経営の教科書を読んだ中で必ず出てくる表現は、日本の経営者の多くは意思決定が遅いです。
自分のポジションを明確にしないで、他人の出方を待ち、後出しジャンケンをする。リーグ戦の時はよかったかもしれまえんが、トーナメント戦では仇になります。勝ち続けるためには先頭を走り続けることも大切です。石橋を叩いて叩いて結局わたらない。そのような意思決定ではせっかくの経営資源を台なしにしてしまうでしょう。
アントレプレナーやトーナメント戦に強い経営者は違います。誰もやったことが無いビジネス、まだ誰も導入していない仕組み。そのようなモノをいち早く吸収して実行します。誰もやったことがないこからことトップになれるからです。でも意思決定が遅い人はかならず聞きます。成功事例はあるの?って。
リーグ戦からトーナメント戦へ
早嶋です。
大企業が世界で戦う場合、これまでのようにリーグ戦を繰り返して勝っているときもあれば、負けている時もある。結果的に全体的にみると勝ち。というような戦い方は難しくなると思います。最初から全力で戦って、一度でも負ければ退場というトーナメント方式の戦いが繰り広げられているからです。
現在、グローバル化を進めている企業の多くは、いまだ海外の市場を生産拠点とか安く作るための工場と捉えているところが多いと感じます。これはグローバル化ではなく、国際化にすぎません。海外進出の目的をコスト削減とおいている限り、安価な人件費を求め工場を移転する発想が関の山です。海外で商品を展開する場合も、グローバル化の意識がなければ基本は、日本で作った商品を流通に乗せて現地で販売するにとどまります。
しかし、日本は世界の市場の一つと考えた場合、日本を基準に考えたとて、意味が無い、あるいは効果が薄れることが容易に理解できるでしょう。例えば世界の7割はBOPと位置づけられます、つまり1年間の収入が3000ドル以下で生活をしているのです。この発想は、日本にいると理解出来ないかも知れませんが、日本は世界の一つだと考えた場合、現地に行って、現地に従うことの大切さも実感できると思います。
グローバル化を意識する場合、生産拠点として捉えていた地域こそが市場!という発想をもつことが大切だと思います。新興国を巨大市場と捉えるのです。しかし、その市場はブルーオーシャンではなく、既にレッドオーシャンと化しているということを理解することです。世界の成熟した国の一流の企業が同様の発想を持って進出しているのです。そう、一度勝負に負けるとなかなか這い上がることが出来ない世界があるのです。
リーグ戦のように戦うのではなく、常に全力勝負で勝ち続ける必要がある。グローバル化はトーナメント戦のような戦いなのです。
コンピテンシーと慣性の法則
早嶋です。
物理学の世界には慣性の法則というのがあります。止まっている物体は、力を加えない限り、静止を続ける。運動を続ける物体は、運動し続ける。という法則です。これは人間の中にも存在します。ホメオスタシスと言われます。人間の内部や外部の環境が変化しても、人間の状態を一定に保つ性質や状態をさします。環境が変化した場合に、体内の内外でもとの状態に戻そうとするのです。
例えば、体内の温度が一定に保たれる。例えば、血圧が一定に保たれる。例えば、体内の水分や体液の浸透圧が一定に保たれる。例えば、傷や怪我が回復する。等々です。これは人のコンピテンシーにも相当します、つまり慣性の法則が働きます。
ーーコンピテンシーのレベル
※昨日のブログを参照
レベル1:指示された事を確実に実行できるレベル
レベル2:自分がやるべきことを自主的に実行するレベル
レベル3:周囲の環境や状況を判断して、的確なアプローチを選択して実行するレベル
レベル4:困難な状況でも打破する方法を独自の工夫で考え実行するレベル
レベル5:パラダイム転換して、成果が出るように独自に新しい状況を作る
ーー
従ってレベル1〜3に相当するコンピテンシーの人が、これまで遭遇した状況に対応できないのは、そもそも元の状態に戻ろうとするのです。従って、複雑な課題や、解のない世界に耐えるのがとても難しく感じます。また、急激にやってきたグローバルな環境も同様です。様々な多様性を受け入れるのが難しいのです。さらに、精神的なプレッシャーやストレスフルな状況にも打ち手を見出すことが難しいでしょう。
コンピテンシーのレベル
早嶋です。
コンピテンシーとは、自分が持つ能力や経験や考えた事を、実際の成果達成に結び付けて実行する能力です。コンピテンシーは5つのレベルで表現される事があります。
レベル1:指示された事を確実に実行できるレベル
レベル2:自分がやるべきことを自主的に実行するレベル
レベル3:周囲の環境や状況を判断して、的確なアプローチを選択して実行するレベル
レベル4:困難な状況でも打破する方法を独自の工夫で考え実行するレベル
レベル5:パラダイム転換して、成果が出るように独自に新しい状況を作る
レベル1からレベル3は、状況に応じて実行するので、状況従属行動と呼ばれます。対してレベル4は状況変容行動です。そして、レベル5になると、状況をつくり出すことになるので状況創造行動と呼ばれています。
起業して自ら困難な状況を打破する、従来の枠組みで考えるのではなく、ゼロリセットして考える。このようなコンピテンシーレベルは、4とか5までを必要とするでしょう。しかし、組織によっては、レベル3までは求められますが、例えば、レベル4の社員を煙たがる傾向の組織もあると思います。特に、大きな組織で新しい手法ややり方を極端に嫌う感じです。
従来の環境下では、レベル3の人材は最も高い評価を受けていたと思います。レベル2や1の人材と明らかに違うからです。上述のようにレベル4の行動を起こした場合、常識を逸脱している!と嫌煙される風景が浮かびます。従って、レベル3のように前提条件の範囲で考えるリスクのない行動が良かったのです。
しかし、近年はどうでしょうか?特にリーマンショック後は世の中のあらゆる前提に待った!と言わないといけない状況になっています。予測不可能、不確実、混沌。変化にうまく対応するためには、やはりレベル3から引き上げて、4、5の人材がもっと必要になるのかも知れません。
コンピテンシーを高める
早嶋です。
クライアント様、ワークショップをしていて、次のような質問を良く頂きます。「どうしてそのように、あれこれ考えつくのでしょうか?」と。何も特別な事はしていませんが、それでは答えになりませんので、自分なりに整理してみました。
コンピテンシーを高めるトレーニングを行っている。と言うのが解でしょうか。
経営用語にコンピテンシーという言葉があります。一言でいえば、知識や経験や考えたコトなどを成果に結び付ける力です。知識を表す偏差値とコンピテンシーは異なります。例えば、TOEICが800点だからといって、現地の方々とコミュニケーションができるか?と言えば違う場合もあります。かといって、600点でも十分にコミュニケーションが取れる方も沢山います。後者の方々は、コンピテンシーが高いのです。
コンサルティングの仕事は、様々な業界、様々なケースに対応して成果を出さなければフィーを頂けません。そして、提案する内容は、これまで誰も考えた内容ではないことが殆どです。従って、グーグルで調べても出てきません。仮に、似たようなケースがあっても、内容は全くことなります。従って、それらをベースに成果を出すことが要求されます。これはコンピテンシーがなければ達成できないものです。
コンピテンシーを高めるために、常に意識していることが3つあります。
1)知識や経験や考えが、常に成果を達成するための行動に結び付いているか?
2)この行動は効果的に達成できるように常に工夫しつづけているか?
3)その行動は成果を明確にイメージして効率的に達成する事を目的としているか?
です。
日々、このような事を考えながら、様々に興味を持っていくことが、コンピテンシーを高めることにつながるのでしょう。
感謝!
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