ツイッター上で、次のような議論をしていました。今の時代、どこで仕事をしても良いではないか?会社に行く理由って何だろう?って。確かに、会社では無ければできない仕事はありますが、逆に会社では無くてもできる仕事もあるってことです。
それでも多くの企業は、柔軟な勤務体系をまだまだ認めているわけではないようです。一つは、組織の評価システムに多くの課題があるからだと思います。
例えば、会社でいなければならない手の仕事は会社にいる時間がある程度、会社への貢献度につながるでしょう。しかし、そうではない職種はどうでしょうか?会社にいる必要はないかも知れません。しかし、一方でそのような職種は評価システムが明確でなければならないという会社の課題が浮き彫りになります。
最近、ノマドワーキングという言葉があります。まさに、どこにいても仕事が出来る形態や働き方をさす言葉です。このような働き方、実際には小さな組織では良くされていると感じます。では、小さな組織では出来て、大きな組織では、ノマドワークが出来ない理由は何でしょうか?
仮に、この答えが、冒頭にあった評価システムであったとします。しかしそもそも、評価そのものは、大きな組織であれ、小さな組織であれ、個人にされる行為です。従って、人数の大小は考える論点では無いのではないか?こんな議論の流れになりました。
そこで今度は大きな組織と小さな組織の仕事の成果を考えました。例えば、大きな組織では、ボリュームパワーが働くため、仕事の規模や成果も小さな組織に比べ大きくなります。その反面、ある程度の規模が出てくると自然と働く人と働かなくなる人が出てくるのです。
大きな玉を大勢の人数で転がしていると一体誰が力を出していて、誰が力を抜いているのかは見抜くことが難しくなります。でも小さな玉を小さな人数で転がしていたら、力を抜くとすぐにばれてしまいます。
これは世の中が正規分布に準ずる活動が観察されるという経験則です。つまり、良く働く2割の人とその人たちについて行き仕事をする6割の人、そしてあまり役に立たない2割の人。正規分布が起こるとするならば、ある程度、大数の法則に従う必要がありますから、規模とか人数が増えたら、2:8の法則に従ってくるのです。
つまり大きな組織は、誰の力で玉が転がっているのか?分かりにくくなるのかもしれません。すると全員が目に見えないところで仕事をされると益々わからなくなるのでは?というネガティブな発想が企業の経営者の中にいて、ノマドワークを推進しないのかも知れません。
少なくとも、私たち程度の規模であれば、個人の成果は明確ですので、個人が会社に来ようが何処か違う場所で仕事をしようが、成果さえ出してくれれば何の問題もありません。そしてその仕事の成果も明確に個人の力量で左右することが分かりますので評価もしやすいのでしょう。
そう、自由な仕事のスタイルを求めるのであれば、大きな組織に属するよりも、小さな組織で或いは個人という固まりで成果を出し続ける世界に入れば良いのです。
ツイッターID:satoshihayashim ※”さとしはやしま”で最後のaがありません!
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2011年2月 のアーカイブ
組織の玉ころがし理論
天ぷら屋さんのプライシング戦略
久々に、オフィスワーク。インフルエンザのワクチンを遅れながらも接種しました。
しばらく通っていなかった天ぷら屋さんに行きました。値下げしているではないですか?
以前は、お昼のメニューは、1種類の690円。これが、590円に!世の中のおとーさんの財布はここまで寂しくなったのか?と考えながら、注文をすると・・・、おや?
これまでの定食の内容:690円
イカ、キス、トリ、野菜3種類、ご飯、味噌汁、お漬物
今回の定食の内容:590円
イカ、キス、トリ、野菜2種類、ご飯、お漬物
野菜が1種類減り、味噌汁が減っていました。しかし、メニュー表には昼のみ味噌汁50円。そして、野菜の追加が50円~100円、他の天ぷらは100円~200円で一品の追加は昔から変わっていませんでした。そして、メンヒュー表を良く見ると、昔の定食と同じ内容の定食が700円になっていました。
なるほど!
世の中のおとーさんの財布に合わせてただ単に値下げをしているのではありません。野菜と味噌汁を減らすことで、590円からでも食べられる環境を提供していたのです。
このプライシングのセンス、さすがだなーと思いました。
実質は値上げなのですが、品数を減らすことで上手く値下げのように見せて、懐の温かさに応じて、味噌汁のトッピングを頂くのです。そして、あまり気にしないお客さんは、従来の定食を10円高い700円で注文を頂いていました。
おそらく、この価格の違いを考えながら天ぷらを食べているお客さんは皆無でしょう。そして多くのお客さんは値下げしたんだ!と思っていることでしょう。
絶妙なプライシングに大満足して、天ぷらのネタを3品も追加したので、2倍近い客単価を支払っていました。いやー、あっぱれです。
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市場規模を考える
本日は、2日間の戦略・マーケティングのワークショップでした。
訪問している名古屋の大曾根。ここには三菱電機の名古屋事業所があるものの、宿泊施設がありません。唯一、シティードームホテルというビジネスホテルが存在する程度です。
そこで、ワークショップの中で、皆さんで大曾根にビジネスホテルを開店した場合、ペイするでしょうか?という事を考えました。
まずは、市場の規模と成長性、そしてその不確実性です。
ビジネスホテルの場合の市場規模は、どのような人たちが利用するのか?です。そこで、考えられる宿泊客を考えました。
1)三菱電機名古屋事業所の出張者
2)その他の地域の出張者
3)名古屋ドーム利用者
2)は不確実性が高い、かつ1)に比べたら少ないだろうという事で今回は対象外としました。3)は主にドームでイベントがある時、祝日や土日の利用客と言う事で、今回は対象外としました。
そこで1)の出張者。主な利用はビジネスデーという事で平日です。
ためしに、今回のワークショップ参加者で宿泊を伴っている方を調べたところ25名のうち1名でした。その方にきくと、やはり名古屋事業所に出張する度に、名古屋市内のホテルに宿泊しているということです。他の出張者も同じと言う事。
では、市場規模のあたりとして、三菱関係者で宿泊を伴う出張者はどのくらいいるのか?は参考になるでしょう。仮に、上の数字をベースに、25人に1人、つまり事業所にいる人の4%程度は宿泊を伴う出張者と考えましょう。ざっと、名古屋事業所で勤務している従業員は様々な関係者を含めて4000人~5000人です。このうちの4%が可能性がある市場規模ということになります。
4000~5000×4%=160人~200人
この1/3程度が、大曾根にビジネスホテルがあれば利用するのでは?と考えてもざっと、50人~70人程度の宿泊客がポテンシャルとして十分に見込めることがあります。
私も、実は名古屋にホテルを抑えてもらったのですが、移動に30分~40分かかることを考えると大曾根の駅近くのホテルを選びました。それが今宿泊しているシティードームホテルです。宿泊するという点では問題無い程度ですが、仮に東横イン程度のチェーン店があれば、間違いないくそちらのホテルを選ぶでしょう。
つまり、この地域に対して、ビジネスホテルが1つ、出張者は沢山という構造です。そのため、新規参入した場合、明らかにそちらのビジネスホテルが既存のホテルよりも顧客に来ていただける可能性が高いと考えられます。
因みに、名古屋事業所の方々に話を聞きました。新しくビジネスホテルが建設されるとい話を聞いたことはありますか?ない。そう、新規参入者はいないのです。
ファイブフォースで考えて見ると、競合は1社。新規参入もない。顧客との交渉力は、地理的な利便性のみで考えると現存するホテルの方が高い。代替品も存在しない。構造的に見てとても参入しがいがある市場です。
それではどの程度の規模を考えれば良いのか?
ホテルの稼働率は、例えば良く書いてインしている東横インで83%~85%。全国の平均では67%~70%です。すると稼働率は70%以上は欲しいところ。
上記の数字をベースに仮に160人とうい数字をミニマムの数字と考えても160/0.7=228室です。因みに、東横インの現在の店舗数は222店舗、総客数は42911室です。つまり、1店舗あたりの部屋数は193室程度ですので東横インクラスでもOKかもしれません。
もちろん、上記の数字は、一切の裏を取っていませんので、保障の限りではありません。ただ、市場規模というのは、Wwbで調べても分かるものではありません。従って、上記のような考えをベースに規模、成長性、不確実性をざっと把握した後に裏を取るというのも良く行われる一つの考え方です。
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