早嶋です。
本日は、「花王のヘルシア」と「サントリーの黒烏龍茶」に関して考えてみました。どちらの飲料もキーワードは『脂肪』です。しかも特定保健用食品です。しかし、2つの商品を比べてみると、商品のコンセプトやターゲットが全く異なることが分かります。
まず、ヘルシアウォーターを見てみましょう。ヘルシアウォーターのキャッチコピーは、「体脂肪が気になる方にエネルギーとして脂肪を消費しやすくする」です。ヘルシアウォーターは、”通勤・入浴・犬の散歩・・・など、日常の何気ない運動によって脂肪をエネルギーとして消費しやすくする”という価値を消費者に提供しているのです。そのため、花王はスポーツドリンクとしてのポジションにこだわっています。
そういう意味で、ヘルシアウォーターのターゲットは、”体脂肪が気になる人、でもスポーツをある程度する人”になります。ここでは、『ストイック(禁欲主義者)』と呼びましょう。
次に、黒烏龍茶のターゲットを考えて見ます。黒烏龍茶のキャッチコピーは、「脂肪の吸収を抑える」です。これだけでは、ヘルシアと変わりがないように感じますが、黒烏龍茶の価値を見てみると、その違いが一目瞭然です。食事と一緒に飲むことで脂肪の吸収を抑えて食後の中性脂肪の上昇を抑制する・・・。つまり、黒烏龍茶の価値は、”脂っこい料理が気になる方は、黒烏龍茶を飲んでいれば大丈夫”と言ったところになります。
よって、黒烏龍茶のターゲットは、”脂っこい料理が好きな人、でも脂肪が気になる人”になります。そこで、『エピキュリアン(快楽主義者)』と呼ぶことにします。
ストイックとエピキュリアン。この言葉を並べてみれば、ヘルシアウォーターと黒烏龍茶のターゲットが全く違うことが分かりますね。
ターゲットが違えば、その商品を消費者に届けるまでの企業活動も当然違ってきます。ヘルシアウォーターはストイックをターゲットにしていますので、スポーツ用品がある売り場や、ジムなどで販売したほうが、よりターゲット層に近くなります。
また、黒烏龍茶の場合は、エピキュリアンですので、中華料理店に置いたり、肉料理・揚げ物店など脂っこい料理を提供するお店でも良いですね。また、スーパーやコンビにでは、弁当や惣菜と言った欄に並べているとターゲットになる方が買っていくことが想像できます。
プロモーションするときも、ヘルシアウォーターはスポーツや運動を連想させるイメージが大切になりますが、黒烏龍茶の場合、やはり肉とか中華と言ったイメージを連想させたほうが良いですね。
このように、一見同じような『脂肪』をキーワードにした飲料であってもターゲットが違えば、当然コンセプトやプロモーションの方法、販売方法まで変わってくるのです。
上記のように、全く違うものを比較して考えると分かりやすいのですが、企業ではターゲットが違うものでも、同じマーケティング手法をとっている事が良くあります。マーケティング活動においてターゲットを明確にする理由は、その後に続く企業活動が全く異なってくるからなのです。
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快楽主義VS禁欲主義
2006年10月30日 月曜日
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