2011年は日本企業によるクロスオーバーのM&Aが盛んでした。レコフの発表では2011年末の日本企業によるM&A総額はおよそ10.5兆円、そのうち海外企業を対象にしたものは6.2兆円でした。総額でも前年の約60%増とその勢いが良く分かります。
大型の案件では、武田薬品工業によるスイスの製薬大手ナイコメッドの買収、1兆1100億円。三菱商事によるチリのアングロ・アメリカン・スチールの買収、4200億円。テルモによるアメリカの仮ディアンBCTの買収、2162億円。東京海上によるアメリカのデルファイ・フィナンシャル・グループの買収、2050億円等々。
為替が円高を受けて海外企業が相対的にお買い得になったのもあります。一方で、大企業は現在の規模を維持するために、国内のビジネスだけでは頭打ちになっている危機もあります。少子化高齢化の影響もあり日本経済は成熟期を迎えています。国内企業は日本市場からの脱却が急務です。そこで海外に目を向け、ゼロから立ち上げるのではなくお金で市場と時間を買うという手法がとられるのも自然な流れと感じます。
例えばビール業界。国内市場は、1992年に現行方式で統計を取り始めて以来の最低の出荷量。このままでは規模の縮小がよぎります。キリンHDは約3000億円の資金を使ってブラジルのビール会社を買収。アサヒHDはニュージーランドの酒類大手の買収に約1000億円を投じています。サントリーはインドネシアの市場に力を入れています。
大型のM&A案件の場合、銀行などの金融機関からの借り入れも活用しますが、欧州を中心とした債務問題で金融機関が荒れています。従って欧州企業は企業の資金力も力が弱くなっています。対して日本企業は先に書いた円高の影響、比較的潤沢な資金をテコに経営者が意思決定しやすくなっているのでしょう。
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攻めのM&A
銀行って?
早嶋です。
私見です。組織が肥大化すると本来の業務から目が離れ、失敗をしない、上から見放されないという、全く顧客からどうでも良いインセンティブが働きます。結果、マーケットを見ない組織、顧客に目を合わせない組織が誕生します。例えば、今の大きすぎる銀行です。本来は中小企業を育てて、じっくりと付き合ってきた銀行ですが、今は手続き業務に追われています。そのような資料作成は誰もができる仕事、敢えて高い給料をもらうべき人がやらなくても!と思います。
それより、もっと中小企業の経営者と語り合い、企業の内情を知り、世の中の状況を知って欲しいものです。大きな組織の中では管理部門が力を持ち、現場で力を持つ人は、自ら去っていくか、組織から追い出される始末。結果、残った人材はやはり、長いものに巻かれる。
もっと世の中を見てほしい。実際、昔のように金融機関が確実に利益を出せる仕組みは崩れているのに。金融市場のグローバル化や競争環境の激化によって、金融機関も競争に勝たなければならない環境になっているのに。ましてや金利の低さについては文句を言われ続け、銀行の安全性も怪しい時代。投資信託や他の様々な金融商品で預金の魅力は激減しています。
そんな中、官僚よりも官僚主義はまずかろう。なんのためにバンカーになったのか?仕事に就いた時の志は何処やら?
結びつき
早嶋です。
誰かに新しい視点や概念、考え方を説明する時、そのまま話したとて伝わりません。伝える方法にもテクニックがあると思います。大前提は、その概念やアイデアに話をする本人が精通していることです。今回は、ここは既にクリアになっているという条件で考えてみましょう。
先ず大切な事は、相手が分かったつもりになることです。なんか難しそうだな?何行っているのかな?となると聞き手の脳みそが、分からない!という状況を作り出します。従って、はじめは比喩や仮令を使って、相手にイメージを掴んで頂きます。
イメージを掴んで頂き、相手の脳みそが興味を持ち、レディーの状態になったら、次は、事例をお話します。業界の話であったり、他業種の事例であったり。そして、最後に当人の課題に当てはめて理論を説明したり、概念を説明したりします。
幕の内弁当を作るのか?唐揚げ弁当に特化するのか?トヨタ自動車は様々な車種を作っていますが、フェラーリはスポーツカーに特化しています。何でもかんでも作る定食屋さんがあれば、限定したメニューしか出さない飲食があります。どちらが正しいという選択ではなく、どちらかを行うという意思決定。これは競争戦略を決める時に最も重要な意思決定である戦略的ポジショニングを決める時の仮令です。
ファミリーレストランのように、沢山の人にじゃかじゃか提供する仕組みを作るのか?高級料亭のように少数の顧客に限定するのか?注文住宅のように、毎回オリジナルの家を設計するのか?同じ仕様と設計と間取りで100戸、500戸と住宅を提供するのか?これも競争戦略の軸を決める時の仮令です。
何かと結びつける考え、仮令をつける考え、比喩を使った考え。これらはアナロジーと総称できるでしょうが、非常に約にたちます。まず、第一に自分が理解し易くなります。そして、相手に伝え易くなります。そして、全く発想もしていなかったアイデアや概念が沸いてきます。ポイントは、難しく考えないで単純かして考える事でしょうか。
はっきりなんかわからない
早嶋です。
マーケティングはサイエンスか?アートか?左脳が重要か?右脳が重要か?学問か?否か?
感覚的に優れたビジネスを実施している人はいるでしょう。しかし、ある一定の規模を超えると限界がくるかも知れません。自分達が行っている行動を説明することができないので、組織で共有うることが出来ないからです。その意味でサイエンスは重要です。これは左の脳みそが活躍する部分で学問として取り扱われるテーマを多々参考にすることができます。
しかし一方で、顧客の非合理的な行動の裏に爆発的なヒットや継続的なビジネスの伸びが隠されていることも現実です。その意味でアートも重要です。これは右の脳みそが活躍する部分です。
ビジネスが体系的にまとめられた本を読んだり、経験がない中で知識を得ると大きな誤解が生じます。例えば、顧客は合理的な思考プロセスのもとに消費行動を行っていると考えがちです。しかし、自分の購買行動を見れば明らかなように決して理論で説明できない部分もあります。
一昔前の消費者行動の研究では、あたかも消費者は合理的な判断に基づき購入プロセスを行っていると考えられていました。しかし現在では、そのような意思決定のプロセスが働くことは常態と言うよりも、むしろ例外的なものとして扱っている場合が多いです。消費者の購買までのプロセスはかなり自動的で、習慣や何らかの因果関係、無意識の作用に基づいて行われています。そしてその行動は、消費者の社会的な背景、物理的な背景によって大きな影響を受けていることが言われています。
近年のマーケティングのキーワードに、消費者の思考プロセスの95%が無意識のうちに起こっている!があります。消費者がそもそも気付かない、不明確なままで消費行動を行っているという説です。実際、混沌としており、記憶や感情、思考やその他の認識プロセスが複雑に絡み合いながら購買行動がなされます。
となれば、これまでマーケターが信じてきた消費者への問いかけ、アンケート自体が疑問視されつつあるということです。何故、そのレストランで食事をしたのですか?と聞かれた消費者は実際は何故だが全くわからないことが多いのです。顧客自身が意識しても考えることができないことを、熟練のインタビューワーを介すことで、あたかもそれまで自分が考えていたかもしれないと勘違いして、話を切り出すのです。極端な話ですが。
これは、自分が何かを聞かれた時のことを考えると良く分かります。何故?という事に対して自分の言葉で分かりやすく第三者に伝えるということはよっぽど経験がある人でない限り、とても難しい作業だからです。
OEとSPとOCの話。
早嶋です。
戦略の本質は違いを創ることです。そもそも違いとは何でしょうか?例えば、次の質問に答えてみてください。自社あるいは、想定する企業はどのような違いがあるか?です。いくつか羅列するまで、次を読まないで下さいね。
例えば、パソコンの違いを上げたとします。液晶が薄いとか、バッテリーが長持ちするとか、ソフト処理が早いとか、軽いとか。これらは全てどちらがベターか比較することが出来ます。つまり何かを基準にすると物差しがあり、その物差しで比較することが出来ます。つまりベターという違いです。例えば、シックの4枚歯とジレットの5枚刃も同様の違いですね。
しかし違いには、もう一つあります。例えば、同じパソコンでDELLを考えてみます。コモディティーしかしない。見込み生産はしない、全てをBTOでう。基本モデルの種類を増やさない。先端的な技術を追わない。組み立て工程でアウトソーズをしない。です。いかがでしょうか?こちらはどちらが良いのか?例えばスペシャリティーが良いのか、コモディティーが良いのか?どっちがよいという物差しが無く、Differentという違いです。先ほどのBetterとの違いと異なりますね。
前者のBetterな違いはOperational Effectiveness(OE)で後者のDifferentな違いはStrategic Positioning(SP)です。つまり、OEはもっとがんばろう!もっと良くしよう!という違いですが、SPは何をしないか!を明らかにすることです。戦略で重要なのはSPであり、何をしないかを明らかにすることです。端的には、doing different thingsであり、doing things betterでは無いのです。
戦略を構築する場合、先ずSPを明らかにします。そして次に、その違いがを他社が模倣できないように組織の中に違いを構築する仕組みを作ります。これがOrganizational Capability(OC)です。例えば、シェフが味付けを決めて、どのよな味にするかを明確にします。全体的に甘めにしない等です。これはSPですが、それを実際に実行するための厨房での動きはOCになります。レシピを決めるのは意思決定や選択という要因が強いですが、厨房の中は組織の能力とかそこで培ってきたチームワークの蓄積などが大切です。但し、SPとOCは概念的な区切りですので、全てを明確に線引きできるものでもありません。
違いを創るためには、三枚か四枚か?というOEの違いではなく、何をしないか?というSPとそれを実行するためのOCが必要なのです。SPがWhatとするならば、HowがOCになるのです。セブンイレブンは個々のお店に発注の権利をもたせました。つまり、本部が発注する事をやめたのです。これはSPですが、それを個々の店で実行するのはOCです。各自が仮説検証を繰り返しながら、その組織に定着しました。OCは地味で暗黙的な要素をたっぷり含んでいるものなのです。
小銭と紙幣
早嶋です。
随分昔のブログにも同じことを書きました。小銭とお札の関係です。
例えば、給料前は、消費者が小銭を交えて支払う割合が増えます。そして、休業日の後は紙幣での支払いが増えます。パン屋さんのコンサルティング、スーパーのコンサルティングをしていて、前のような傾向が如実に出ていました。従って、つり銭の準備が給料の前後によって異なるのです。これは消費者の財布の懐度合いのバロメーターにもなります。小銭できっちりと支払いをする場合は、必要なものだけを買う傾向が強いです。従って客単価は下がります。しかし、紙幣で支払いをする場合は、レジ横周りのついで買いを含めて、クロスセリングを行う可能性が高くなります。従って、客単価が伸びるのです。
近年の傾向です。スーパー、コンビニ、クリニック。コンサルをさせて頂いているクライアントのレジに変化が出ています。しかも長期的にです。911のテロ以降から徐々に、小銭の枚数がレジに増えているのです。つまり、恒常的に給料日前の財布の状態が続いているのです。あくまで仮説ですが、あきらかに地方の平均的な可処分所得の金額がぐっと減少していることを感じます。
悩むこと考えること
早嶋です。
悩むことと考えること。
言葉を使い分けることは意味がある事だと思います。仕事をする上で悩む。仕事をする上で考える。一見、同じようですが全く異なります。前者は前に進むことができず停滞している様子で、後者は前に進むために行動に結びつけます。
辞書を引いてみました。
悩む:決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして、心を痛める。思いわずらう。
考える:知識や経験に基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。判断する。結論を導き出す。
なるほど。悩むがマイナスかゼロだとすると、考えるはプラスですね。企業研修やワークショップを行っているとき、ケーススタディや議論の時間、多くの参加者が悩んでいます。従って、結論に至りません。
皆、正解にこだわっているのが原因だと感じます。しかし、仕事やビジネスで唯一無二の正解など存在しません。正解か否かは実行して収益があがるまで分かりません。一度収益を上げたからと言って、状況が変わればまた停滞するかも知れません。答えは無いのです。しかし、やみくもに手当たりしだい行うのでは芸がありません。そのために考えるのです。
考える、つまり、現時点での最高の解。様々な制約条件をクリアする解。場合によっては複数出てくることもあるでしょう。しかし、全てを実行して検証できるほど資源を持つ人は殆どいません。従って、最終的に何をするのか?何をしないのか?意思決定を行う必要があります。
悩むことは選択肢を持たないで意思決定もしない。考えることは選択肢を持ち意思決定を行う。なるほど、やはり前者はマイナスかゼロで後者はプラスです。
感謝!
一見さん
一見さんに対しての接客は、距離間が大切だと思います。急に関係構築を迫ると、何か迫力を感じて、次の来店を控えるでしょうし、逆に離しすぎると冷ややかな印象を持つでしょう。
贔屓にしているレストランがあります。と言っても高級レストランですので年に1回、頑張っても2回程度しか足を運ぶことができません。
こちらのレストランの接客は勉強になります。一見さんに対しては、必要以上のコミュニケーションを取りません。もちろん、お客さんから望まれたことに対しては、期待以上のリターンを提供しているでしょうが、ワオサプライズは余り行わないようです。
しかし、2度目以降のお客さんにはじわじわと関係構築を行っているように感じます。例えば、1回目に食べた食事の内容をさらりと提供したり、その時に飾っていた花の話をしたりなどです。些細なことですが、お客さんの立場からしたら非常に心に残ります。
上記のような話を理論化すると、プロセスに沿った接客として捉えると理解しやすくなります。例えば、消費者行動論のフレームに沿って考えると、まだ関係構築が出来ていないときに過度のサービスをしたり、積極的にお店側がコミュニケーションを図っても、場合によってはマイナスに響きます。
しかし、プロセスの途中で、その顧客の心が解放されて、お店に好感を持ち始めた段階から、お店のスタッフの接客がじわじわ響いてくるのです。
これが、1回目の食事で体験できる方もいれば、複数回通っても体験できない方も要るでしょう。
例えば、高級レストランですので用途は様々です。場合によっては、毎回一見さん扱いをしなければならないときもあるでしょう。過去来た事実を隠しておきたい場合です。逆に、過去来たことを知っていて欲しい場合もあるでしょう。
このことはレストランのみならず、ホテルや旅館にも相当しますね。
新作『ドラッカーが教える実践マーケティング戦略』
お陰様で3刷目が決まり販売されています。是非、こちらも一読下さい。
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計画停電と生産活動
都内、地方の小売店から納豆やヨーグルトが激減しています。ペットボトルが品薄になっているのは理解できる事でしょう。「皆が買い占めをしているのか?」
この原因は、計画停電にあります。納豆やヨーグルトを製造する過程で発行させる行程があります。例えば、納豆の場合は3日程度。この期間はある湿度や温度のに管理する必要があります。例えば、計画停電は今週はありません、今日は中止します、と短期的に連絡がくるとどうでしょう。製造側としては、連続稼働することが大前提ですが、実際は予期せぬ停電があるかもしれない。ということから機器を止めざる終えないのです。もし、製造途中に電気の供給が止まった場合、商品がだめになるだけでなく、製造機器にも問題がでるのです。
また、ほとんどの製造ラインは一度電気を入れてしまえば、電気スタンドの電気を入り切りするように簡単ではありません。電気を落とす場合も慎重に手続きを追って停止しなければなりません。また、再び電気を入れる場合は、各機器の動作確認等を踏んでから行う必要があります。これを怠ると別の要因によって最悪、製造機械を破損させるリスクがあるのです。
企業の生産活動は、計画に基づいて行われますが、その大前提は電力の供給でした。今回のように、計画停電がおこると、しかもそのスケジュールが計画できない場合、製造管理者はリスクを恐れて通常の生産が難しくなるのです。
ドラッカーが教えるシリーズ 3作目
5月に「ドラッカーが教えるシリーズ」の第三段、「ドラッカーが教える問題解決のエッセンス(仮)」を出版します。現在、再校を手元に最後の修正を行っているところです。
今回も、ドラッカーの引用をベースに、問題解決の考え方や実際の仕方について、一つの流れを示しています。きっと、ドラッカーと問題解決の組み合わせに、?、を感じる人がいるのではないでしょうか。多くの著書で、問題は過去におこった事を解決すること、寧ろマネジメントは機会に焦点を合わせて取り組むことが大切と言っているからです。
一方で、マネジメントやリーダーシップに関連する書籍で、意思決定の重要性をたくさん解いています。意思決定とは、組織が目指す方向性を明確にした後、問題を明らかにし、その解決策として考えられるモノを複数考えた後、事前に決めたルールに基づいて選択することです。そして、実際に実行して評価、フィードバックするのです。
そう、これって問題解決の流れそのものなのです。
今回の著書は、ビズナビの長田と早嶋の共著で書き上げています。










