顧客にとって何かいいこと。ベネフィット。これを追求することはマーケターの仕事の一つとも言えます。B2Cのマーケティングでは機能的なベネフィットと感情的なベネフィットに分けることで様々な仮説を展開して行きます。では、B2Bのベネフィットは、何になるのでしょうか?
早嶋は考えます。結局、企業が何かを購入する意図は、自社の長期的な利益の追求の道具にすぎないと。つまり、B2B企業にとっての最大のベネフィットはmROIでしょう。つまり、その商品(製品やサービス)を通して得られる何かが、B2B企業にとって利益の追求のつながることです。となればB2B企業に対してマーケティング活動を行う場合は、mROIを常に顧客に提案することがポイントです。
そのためには、B2B企業に対して、自社の商品を説明するのではなく、あくまでB2B企業がどのように自社商品を使うのか?その使い方を提案する必要があります。B2B企業が商品を購入する目的は、その商品を使ってB2B企業のビジネスを達成しやすくするためです。つまり、提供する側からすると最終商品ですが、B2B企業にとっては全体のビジネスや商品の一部にしかすぎません。
だったら、その一部の商品がB2B企業が顧客に提供する商品の全体において、どのように効果があり、どのような使途ができるのか?を常に明らかにして行くことです。自分たちが提供している商品は全てではなく、顧客企業に取って全体の一部にしかすぎない。当たり前のようで意外と意識されていない概念です。
例えば、メーカーに包装材を提供する企業があるとします。包装材メーカーからすると商品は包装紙やパッケージになるでしょう。コスト勝負ばかりして価格を下げる要求を追求された場合、すぐにYesと答えるのは、自社の商品しか見ていないからです。例えば、提供する企業にとって、パッケージは全体の商品の何パーセントになるでしょう。仮に、1%程度だったとしましょう。包装紙メーカーは、堂々とパッケージが与える影響を提案しましょう。
仮に包装紙のコストが今の2倍になっても、全体の商品からすると1%が2%になる程度。しかし、その影響によって、エンドユーザーの認知率が変わり、購買する確率が1.5倍になったら。その投資効果は絶大なものになります。極端な例ですが、B2B企業にとって提案をするときに、自社が提供している商品がどのようにインパクトを与えているのか?顧客の全体の位置づけを明らかにすることはとても大切なことだと思います。
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‘感じた事’ カテゴリーのアーカイブ
B2Bビジネスのベネフィット
視点
視点。
モノゴトを考える時にとても大切な概念です。認知科学の分野では、モノゴトや概念をどこから見ているのか?と対象を見る時の立脚点をさします。小学校の図画工作の時間に立方体をいろんな角度から描写する授業がありました。見方によって、六角形や正方形に見えます。同じカタチであっても視点の在り方でそのものが異なって見えるのです。ってことは視点を変えることによって同じ概念やモノゴトが別の見え方で見えるということです。アイデアを出すとき、様々視点から捉えて創案すると良いでしょう。
視点。
上記のように書いても実際は取っ付きにくい概念です。そこで、次のような実験をしてみます。鉛筆を握って実際に手を動かしてみて下さい!
1)普段腕時計をはめて時間を確認するヒトは、その時計の絵を見ないで書いて下さい。
2)普段腕と計をはめていないヒトは、ケータイかスマフォの絵を見ないで書いて下さい。
どちらの場合も、特徴を良く捉えて90秒程度で描写して下さい。
・・・・・・・・・・90sec!
実際に書いたら、自分が書いた絵と実物を比較します。きっと、思っていた時計と実物は異なっていると思います。例えば、文字盤に数字があると思っていたら無かったり、時計のデザインが反対だったり、様々です。更に、次の質問に答えて下さい。
「時計(或は、スマフォやケータイ)の特徴を見たとき、何時だったか?」
きっと正確な時間も何時だったかも覚えていないと思います。例えばこれが視点です。普段、時計は時間を計る道具として認識しています。従って、時計を見ていてもじっくり特徴を見ることはありません。絵に表した時計は、実際の時計では無く、頭の中で作り出している時計のイメージです。しかし、ヒトはそのイメージが本物の時計だと思い込んでいるのです。同じものを実際に見ていても、ヒトの頭の中の画像処理によって異なる認知が得られるのはこれが理由でしょう。
実験では、時計の特徴に視点を持って行きました。すると特徴に目が行き、針のカタチは認識しますが、それが時間を表していることをすっかり忘れます。というか意識しません、不思議ですね。これも視点の変化がもたらした結果です。
誰かが絵を描いているときに、一言「時間」と言ったり、過去に同じゲームを行ったヒトはきっと時間も確認していることでしょう。そう、視点って、どのような見方をするのか?を意識することによってある程度、広げることができるのです。というか出来るのでは無いかと思います。
視点。それは意図的に様々な見方を意識して観察することによって広がるのです。
中小企業の6つの心得
中小企業で売上が5億円前後の企業は経営者の方針を明らかにして、自社の得意分野や効率の良いセグメントに力を注ぐことで、驚くほど成果があがってくる場合が多いです。これまで100社を超える企業で課題共有ワークショップを行っています。
その中で共通に感じることは、
1)将来のシナリオが曖昧
2)顧客ターゲットがあいまい
3)提供する製品やサービスが多すぎる
4)営業のリソースを管理出来ていない
5)既存顧客のフォローが手薄
6)顧客が抱える不満を放置している
という共通点があります。
1)将来のシナリオが曖昧
多くの中小企業では、時間に追われていて、先を考える暇がありません。しかし、落ち着いて考えてみると、今追われている仕事の多くは、過去に発生した仕事の後処理です。過去に発生した仕事の処理をしている限りでは、現状を乗り越えることが出来ますが、飛躍した将来を迎えることは難しいでしょう。一方で、現状の仕事をおろそかにすると、その時点で会社経営が成り立たなくなるので、放置する訳には行きません。経営者にとって非常に悩ましい限りです。
しかし考えてみると、このような状況で誰が将来の姿を考え、誰がそこに社員をリードしていくのでしょうか。そう、それを考えるのは唯一経営者しか居ないのです。将来のシナリオを考え整理出来ていれば、今取り組んでいる仕事が必要なのか?飛び込んでくる仕事を全て引き受ける必要があるのか?様々な局面に置いて判断することができるようになります。
企業規模の大小に関係なく常に経営資源は不足しています。従って全てを行うことは、何も出来ないことを意味します。経営資源を有効に活用するためにも将来のシナリオは大切なのです。逆を言えば将来のシナリオが曖昧だから、無駄に経営資源を使うはめになり、結果的にいつも追われた状況になるとも考えることができます。
2)顧客ターゲットがあいまい
中小企業の経営者に誰が顧客ですか?と質問をすると、多くの場合、かえってきません。或は、お金を払って頂けるヒト全てとか、通りを歩いているヒト全てとか、特定する考えがありません。従って、顧客からあがった要望に色分けすること無く、全てに対応しなければと考えます。もしくは、自分たちの持っている強みを総動員して、誰が買うのか分からない商品を提供されています。
しかし、誰が買うのかを考えていない場合、本当にそれが購入されるでしょうか?或は、全てのヒトに対応することなんて可能でしょうか?不可能では無いですが、かなりの経営資源が必要になるでしょう。仮に全てのヒトが全てのことに満足する製品やサービスが存在したら、その製品やサービスはとんでも無く高いモノになると思います。
では、何をすると良いのか?自分たちにとって一番良いお客さんの塊を自分たちではっきりと定義するのです。これはマーケティングの最も基本的な考え方です。顧客を明らかにする。これが出来たら、経営の効率が高まるばかりではなく、そのターゲット層に関連する顧客までも自社のファンになって頂けます。マーケティングの反対に、デマーケティングがあります。自分たちの顧客ターゲットで無ければ、逆にお断りするという極端な考え方です。しかし、断るかは別として、基準があるからこそ、すること、しないことが明らかになるのです。
3)提供する製品やサービスが多すぎる
ここの原因はターゲットを絞らないことにも起因します。誰に対してが明確ではないから、徐々に提供する製品やサービスの数が多くなります。経営者の考えとしては、武器を沢山持っていたほうが、様々な局面に対応出来ると考えるでしょう。しかし、製品やサービスの数が多ければ、それだけ一つ一つの特徴がぼやけてくるのも事実です。数多くの製品サービスを管理することは大企業にとっても至難の業。よリ経営資源が乏しい中小企業だったら思い切って絞り込むことが得策です。
経験則に2:8の法則があります。例えば、上位20%の商品で売上の80%を確保している。20%の人材が80%程度の売上や利益に貢献している。それは経験則であって・・・、と聞こえてきそうですが、実際に数十の企業で詳細に分析しましたが全て当てはまっていました。そして、行うことは絞り込むことです。全体の2割とか3割で成果の7割とか8割を上げている商品に絞り込むのです。一瞬売上が下がります。しかし、それまで空回りしていた経営資源が一気に効率のよい商品に注がれる訳ですから、結果的に効率が良くなるのです。
ブランドやイメージという観点からも絞り込むことは大切です。例えば、30種類のケーキを毎日作っているケーキ屋さんと1種類のケーキしか作っていないケーキ屋さんがあったら、どっちが印象が強いでしょうか?その一種類がマドレーヌとしたら、相当に自信があるんだろうな、とてもおいしいだろうな、と顧客は考えるでしょう。
高級品から低価格品まで扱っているお店と、高いものしか扱っていないお店。この印象はどうでしょう。ラーメンからカレー、チャーハン、餃子、そして洋食の定番ハンバーグまで。全ての料理を提供するお店と餃子専門店。この印象はどうでしょう。
絞り込むことで顧客のイメージが強くなります。専門的な、よりプロフェッショナルな印象が強くなります。更に、在庫の管理やオペレーションの効率がグンとあがります。例えは一例にすぎませんが、中小企業はフルラインナップで勝負するよりは、絞って専門家するほうが良いのです。
4)営業のリソースを管理出来ていない
中小企業の多くの共通点は、商品がめっぽう良いのです。へー、こんな製品を開発しているのですね。へー、こんなきめ細かなサービスを対応できる体制があるのですね。一方で、その商品を認知させたり、更にクールに見せたりすることに頭が回りません。営業担当はいますが、組織化されずかって気ままに動いています。組織での活動と言うよりは属人的になています。
目標の設定も例えば今期は2億円!で終わり。どの商品でいくら、どの地域でいくら、誰がいくら、などの大まかな細分化も無い場合があります。それである程度の数字をこなして来ているので、すごいなーと思うことも逆に多々あります。
重要なことは、戦略に沿った目標を細分化する。それによって、実際達成出来そうな数字なのか?否か?を把握する。達成できそうな場合は、その確度を高めるために夫々どのようなことを行う必要があるのか?更につめていき、管理者がその計画を達成しやすくフォローすることです。そしてもし、達成できそうに無い場合は、他にその目標を達成できる市場を探すか、その目標自体を見直す必要があります。
たまに営業パーソンが机に座っているのを見て、何も考えずに、何ぼーっとしてんだ!営業に行ってこい!なんて管理の仕方をしているようではいけないのです。
5)既存顧客のフォローが手薄
中小企業に限った課題ではありませんが、顧客管理が手薄です。現在の顧客に対しては売上が発生しているので誠心誠意対応をしています。しかし、一時営業取引が手薄になった顧客に対しては、そのままの場合が多いです。また、営業をかけている途中で、最終的な成約にはいかなかったけど、良い所まで提案が出来た顧客もほったらかし。一方、常に新規の顧客を探しまわり、まるで焼き畑農業のよう。新しく開拓しては、また次に行く。結果、常に営業している割には非効率なのです。
そこでおすすめなのは、過去の顧客リストを整理すること。現在、取引をしている顧客。過去1年間取引が無い顧客、過去2年間取引がない顧客、と。一度は取引があったが、ある一定期間取引がない顧客は、また何か取引を発生するチャンスがある可能性があります。ここを掘り返すことは、新規で営業をかけるより遥かに効率が高いでしょう。理由は、誰にコンタクトしたら良いのか?も既知で、1回以上は提供している商品やサービスの購入履歴があるからです。
よく、新規の営業と既存の営業は1:5の法則があるといわれます。新規の営業を1件とるためのコストが5かかるとしたら、既存の顧客を維持するコストは1で済むという経験則です。考えてみると、新規の営業はリストの絞り込み、誰にアプローチしたら良いのか?全て未知です。仮にコンタクト出来たとしても、ゼロから自社の商品のセールスをする必要があります。とてもコストがかかる仕事なのです。だからこそ、一度顧客になって頂いたら、継続的にビジネスができるように顧客のフォローが大切なのです。
もうひとつの方法は、過去提案した顧客で、成約まではいかなかったけれど、最終提案まで進んだ顧客、最終提案まではいかなかったが見積もり提案をした顧客など、提案したプロセスに沿って顧客を整理します。過去のコンペでは負けたけれども、良い線まで行っている顧客は、実際に今他の商品を利用していて何か不都合があるかも知れません。特に、最終的にコスト面で負けた場合は、実際の易い製品やサービスを利用していて不満があるかも知れません。その不満を解消する提案が出来たら、巻き返しが出来る可能性もあります。この場合も、既にコンタクトをしているので、誰にアプローチを取れば良いのか、完全の新規よりは効率が高くなるでしょう。
6)顧客が抱える不満を放置している
良く、蕎麦屋のカツ丼と例えます。中小企業が陥り易い過ちです。商品を絞りきれず、顧客の要望に応じていろいろな商品を展開する。その結果、主流の商品以外に亜流の商品を展開してしまいます。蕎麦屋さんが出さなくても良いカツ丼をメニューに出しているとします。蕎麦を食べに来た顧客がつい、カツ丼も頼むでしょう。瞬間的に考えるとクロスセリングが成立して客単価の向上に繋がりますが、そのカツ丼がおいしくなかったら。そう、蕎麦屋の評価として、再びリピートして頂ける可能性が激減するのです。もし、蕎麦しか出さなかったら、蕎麦で不満はありません。従って、長期的な取引が続く可能性があるのです。
商品を絞りきれない場合、上記のようなことが良くおこると思います。もちろん、主流の商品は気合いが入っているので不都合は殆どないでしょう。しかし、不満の多くは主流ではない商品によっておこっているのです。そして、企業はそのことに気づかないまま。
打ち手としては、2)と3)に書いたようにターゲットを絞り、商品を絞ることです。それ以外に行うとしたら、満足度を上げる活動よりも、不満を見つけ出して可もなく不可もなくの状態にすることでしょう。
中小企業の後継者問題
企業のゴールは自社のミッションやビジョンを達成することで、これは永続的な命題です。従って、そにれ結びつくための目標が必要です。例えば3年とか5年とか。時間の感覚は相対的なものなので中期や長期をどこまでイメージするかは経営者の判断ですが、直近数ヶ月だけをみて経営するのではなく、ある程度長期的な目標を持って取り組むことが大切です。
しかし、実際は短期的な数字を見る程度で長期的に、或は将来的にどうしたい!ということを明らかにしてる経営者は意外にも少ないと感じます。本日、大分にて日本生命主催のM&Aセミナーを行ってきました。経営者という立場で参加されていた方々は、皆後継者がいない、或は自分がどのように会社を離れているのか?そのシナリオを考えていない、という方々が多かったです。
会社のゴールがミッションやビジョンの達成とするのならば、企業の寿命は経営者一人よりも遥かに長いです。従って、会社が調子が良いうちに、或は元気なうちに、自分が会社から離れるイメージを持つことは大切です。このような考えは出口戦略と言いますが、日本の経営者にとって馴染みが薄いように感じます。考えてみれば納得です。企業の3年とか5年先を考えて経営する習慣が無ければ、自分がリタイアした後のことなど、とても難しいことでしょう。
しかし、大企業では優秀な社員や、次期社長候補が沢山居るでしょうが、中小企業は状況が異なります。経営者がワンマンで行っている場合、社員に継承したくても出来ません。ワンマンすぎて社員が考えないまま過ごしていて、とても経営など出来きる素質がありません。仮に優秀な素質の社員が居たとしても、社長がその意志がなく、時期社長としてのトレーニングを行わないので、急に引き継ぐことも出来ません。仮に、親族内で承継しようとしても、出口のことを考えていないので、他の親族も既に自分での仕事を持っていて、今更経営者になることを考えていません。
中小企業と言っても、3億円程度の売上があれば、役員報酬として2000万円前後を毎年もらうことになります。この位のお金があれば子息子女は結構な教育を受けさせることが出来ます。実際、子供が優秀すぎて父親の会社を継ぐことに興味が無いケースも多々あります。何よりも父と子で会社を将来次いで欲しい!などという会話が皆無ですから、子供は自分の夢のために既に突き進んでいるのです。
中小企業の経営者の平均年齢は、現在で60歳といわれます。そして、会社をリタイアする平均年齢は67歳。この数字の意味する所は、今後、ますます後継者の問題が露呈するということです。中小企業の経営状態を調査する白書によれば、年間に7万件が後継者不在といる理由で廃業しています。日本全体の法人の数が450万から500万、廃業率が4%から5%と考えると、20万前後の企業が毎年廃業しています。となれば約3割強が後継者不在の廃業なのです。
この数字は、今後ますます増加することでしょう。
経営者の仕事。様々にありますが、自分が引退した後に、その会社をどうしたいのか?このことを考えることもリストアップしてみてください。
視点を変える
視点を変えると見え方が異なるものです。従って、問題を解決する時に、現象の確認や立場や視点など、全体感を持ってから考えることが大切です。
例えば、お金持ちから税を多めにとろう!という考え方があります。しかし、ここで言うお金持ちも高額所得者なのか?資産家なのか?という視点によって全く異なった概念になります。ある期間(通常は1年間に着目するでしょうが)に稼ぎだす所得が他者と比較して相対的に高いヒトが高額所得者です。これはフローが多いと表現出来ます。一方、土地や不動産などある時点で他者と比較して相対的に多い資産を持っているヒトが資産家です。これはストックが多いと表現出来ます。
フローとストックは、どちらもデータを表す言葉ですが、片方が期間、片方は瞬間と、異なる視点から見ているデータであることが分かります。既に仕事をしていないでフローは少ないけれどストックで食べているヒトは、フローの視点で言えば、お金持ちとは言えません。高齢者に多いパターンです。一方、ばりばり働いていてフローは多いけれどもストックを持たないヒトは、ストックの視点で言えば、お金持ちとは言えません。
お金持ちから税金を取るという発想も、フローとストックのどちらをベースに議論をしているのか?見方によって、全く異なるヒトが税の対象になります。モノゴトを考える時に、視点を確認する、様々な視点から、或は様々な立場から同様の事象を検討することが大切です。
現場の感覚
直感、第一印象、インスピレーション。重要だと思います。
多くの顧客が商品を買う時に、自分が感じてる何らかの印象を基に購買の意思決定を行っているからです。従って、マーケティングを行う場合、無邪気にまっさらな気持ちになることが大切です。現場に出向くとき、自分の仮説が逆に悪い方向に導くことだってあるでしょう。何もかも忘れて出かけてみましょう。
製品やサービスのことを全く知らない素人になった気持ちで現場に出向いて見ましょう。自分の中の純粋な感想に耳を傾けましょう。理想は、仕事場に一切の仮説を置いて、現場に出向くことかも知れません。一方、現場からの報告を聞く時も注意が必要です。自分で現場を見ていない報告は、場合によっては話半分で聞いてよいかもしれません。自分の目で確かめること。これがマーケターには重要です。
現場を観察するということは顧客の気持ちになって考えることです。ユニリーバのサーフという商品は香りに注目しました。多くの洗剤メーカーが白さを強調することが当たり前だった時に香りに注目する。これは現場を観察した結果だと思います。確かに選択ものが真っ白になることは消費者の望みでもあるでしょう。しかし、実際に洗濯機から取り出す時は、太陽の光が当たっている分けでもないので、例えきれいになったとしても、白さはそこまで感じることが難しいかも知れません。
しかし、洗濯機から選択ものを取り出す時に、洗剤の香りがします。その香りを嗅ぐときれいになった印象を受けることでしょう。そこでユニリーバは通常よりも洗剤の香料を倍にして香りを強調したのです。この結果、米国の洗濯市場を大幅に巻き返すことに成功しています。
途上国で洗剤を売るとき。これまでは大量に売っていましたが、途上国ではその日暮らしが当たり前。洗剤を買いたいけれども、沢山の量を買うニーズは無い。そこで、1回分の洗剤を小分けにして販売しました。結果、洗剤の市場が急に拡大しています。これも現場を観察した結果です。
マーケティングの力を養うためには、恒日頃から顧客の気持ちになって考える、常に現場を意識することにつきますね。
現場主義
織田裕二も言っているように、現場は大切です、そしてマーケティングも。現場に行って、競合他社に対して優位になるように顧客から知覚される切り口を見いだすこと。そこで得た気づきをスタッフ部門に伝える。マーケティングの醍醐味です。
企業の規模が大きくなると、マーケティングのトップが自ら現場に行くことが出来にくくなります。そのため、誰かを現場に送ることで満足をする。または、営業部隊に個人的にレポートを頼んだり、リサーチを専門業者に依頼したりします。しかし、これらの報告は過去に基づくものであり、将来を競うマーケティングにおいて完全とは言えません。
現場主義の経営を貫いた本田宗一郎さんは、市場調査について次のようなコメントをしています(得手に帆あげて)。市場調査が有効な時は、既にある商品の評判を探るとき。しかし、その評価を基に改良品を出して売れるかと言えば、分からない。まして独創的な製品を作るヒントを得たければ市場調査はゼロとなると。大衆の知恵は決して創意などを持っていないからというのが本田宗一郎さんの考えです。
現場を見るとき、心がけることがあります。情報を探すことであって、裏を取らないようにすることです。悪いマーケターは、既に立てた仮説を正当化するために、都合の良い情報を選別します。現場に行く時は、真っ白な気持での観察が大切です。じっくりとモノゴトを見て、すぐに判断しない。事実をありのまま観察します。時には、自分の意に反することもあるでしょう。その事実を一つ一つ整理していく。その過程で鋭い切り口が湧いてくるのです。
因に現場とは、マーケティングの場合、見込み客の心の中をさす場合があります。顧客や見込み客が考えていることを探るのです。そのために、顧客が取る行動をしながら、顧客が実際に商品を使うようにマーケターが体験しながら知覚していきます。
ハイパーローカル化
Webが発達して、SNSが浸透するとあっちの世界もどんどんローカル化していきます。
世界最大の小売業、米国のウォルマートはFacebookと組み約3500店舗のファンページを作っています。ウォルマートのWebページやmy local walmart(マイローカルウォルマート)と言うアプリにzipcodeを入力することで、近くの店舗ページに誘導します。そのページは極めてローカルな情報が掲載されているため、顧客はより自分たちにフィットした情報を得たり、双方向のコミュニケーションが可能になります。
近年ハイパーローカルという言葉が浸透していますが、このケースはマス向けの情報をまさに超地元向けにアレンジしたコミュニケーション手法を提供しています。なんと言っても、世界一の小売業が戦陣をきって始めたのも注目に値します。
ハイパーローカル、ジャーナリズムの世界にも浸透しています。過去名声を得ていた多くの新聞社が新聞の発行を停止して、Web上での提供に切り替えています。新聞の未来を考えるシンポジウムなどが大きなマスメディアの将来を予見します。そんな中、ハイパーローカルジャーナリズムは静かに注目し始めました。限定された狭い地域でのコミュニティージャーナリズムです。ITの進化により簡単に情報を切り出し、発信でき、受信できる。ヒトは自分によりフィットした情報を求めます。その結果、自分の世界だけに限定した情報媒体ってのが便利になるのもうなずけます。
リクルートのホットペッパーも、半径2km程度の飲食店情報のプラットフォームを提供しています。これもローカルに徹したからこそ確立したビジネスモデルですね。
感情で買って後で理由を作る
普段、何かを購買する時に、いちいち理由があるでしょうか?おそらく何故購入したの?って問われてから、初めて考えることが多いのではないでしょうか。お店でいいな!と思ったジャケットがありました。そういえば、同じ色のジャケットが古くなっているし、今30%オフでお買い得だから買おう!とか。
頑張ったごほうび!ちょうどこれが欲しかったんだ!そういえば古くなっているし!滅多に売っているものでも無いからな!折角、ここまで来たからお土産として良いだろう!
はじめに感情芽生え、後でリクツをつける。確かに、始めから目的意識を持った購買活動もありますが、そのきっかけと言うのはやっぱり何となくであったり、たまたまの部分が多いのではないでしょうか?
最近のデータでは購買の95%は無意識に買っている、というのがあります。ってことは意識している部分はわずかに5%!まさに、マーケティングのアートの部分が今後は大切になって来ることが分かります。では、全てを勘と感覚に任せるのが正しいのでしょうか。うーん、難しいところですが、リクツがあるから感覚的な部分を考えることができることもあります。
再現性高く、継続的に安定的に利益をだしていくために、誰もが感覚にたよっているのか?と言えば否です。何かの仮説をベースに、繰り替えし検証を行い微調整を行っていますそのために、様々な事を体系化して、考え易くしています。
仮に、リクツで示す部分が5%でも10%でもあるとします。すると、逆にのこりの部分は感情やその他の理由で示しがつく事が理解できます。ってことは、リクツの部分があるからこそ、感情の部分をどのように企業がアプローチするのかを考えることができるようになるのです。
そう考えると、リクツが先か感情が先かと白黒付けるのではなく、陰陽のように夫々の部分がとても大切で互いに絡み合っていると言う事なのでしょう。
共通の現象
伸びていない組織の中に行くと、以下のような現象を観察できます。
●属人的。上司は部下の仕事内容を把握せずにアサインをしている。仕事量が多くて残業が続くのを部下の仕事のやり方に問題があると感じている。一方で、本当に自分の仕事の量のせいなのか?と効率や自分の能力を高める発想を持とうとしない。やるべき仕事とやらなくてよい仕事と、優先順位を付けずにただこなしている。与えられた仕事のゴールイメージ、レベル感、その仕事を達成するために必要な能力やプロセスをチームで共有する発想を組織に植え込む事が必要。
●無計画と思える配置転換。組織によって異なるが、3年から4年に一度、無計画と思われる儀式的な配置転換がある。しかも、人事異動するときに互いに仕事を引き継ぐ事を殆ど行わない。従って、毎回、その部署に配属したヒトは、何から手をつければ良いのか分からない状況となる。従って定期的に仕事が止まる。その部署にいる他の人員も、出て行ったヒトの仕事の内容やレベル感を共有していないため、指導することは出来ない。新しく移動して来たヒトがその仕事をようやく理解したとしても、そのヒトは、そのナレッジを共有したり、形式化することは行わない。結果、同じような情報共有不足の人事転換を過去から繰り返し継続している。これがゼロリセットで毎回よい方向に導く要因になればよいが、行き当たりばったりであるので、そのようなプラスの効果を生む事はまずない。
●マネジメント職についていても、部下を管理する能力が殆どない組織。どのように組織をマネジメントし、どのようにリーダーシップを発揮するのかが乏しい。年功序列でマネジメント能力の有無にかかわらず、部下を持つ。従って、どのように組織をコントロールしてよいのか?上司が認識していない。更に、自分から学習して学ぶ態度を持つ人材は極めて少ない。部下は、上司に相談したくても、そのような上司は理由をつけてははぐらかす。仮に話をしても、根性論しか出てこない。徐々に、部下も話をするのがいやになり、トラブルを抱えたままの状態が慢性的に続く。
●アサインされた仕事を含めた教育体制の不備。リーダーシッップ、組織マネジメント、基礎教育等の教育が部署によってバラバラで、多くは無計画に問題が発生してから単発で実施される。従って、たまたま受けた人や、たまたま受けていないヒトなど、かなりバラバラ。組織の教育体制に計画性がないため、管理職になってもどのようにヒトをマネジメントするのか?というのが理窟として存在している事を認識していないヒトも多い。
●横の交流がない。同じ空間のオフィスにいても、部署が違うということでコミュニケーションを取っていない。夫々の組織が、互いに独立して、独自のやり方で動いている。従って、あるチームが同じ課題に取り組んでいて、何らかの解決方法で実績をあげていも、その内容を互いに共有することをしない。常にゼロから取り組み始めるため、非常に効率が悪い。










