企業のゴールは自社のミッションやビジョンを達成することで、これは永続的な命題です。従って、そにれ結びつくための目標が必要です。例えば3年とか5年とか。時間の感覚は相対的なものなので中期や長期をどこまでイメージするかは経営者の判断ですが、直近数ヶ月だけをみて経営するのではなく、ある程度長期的な目標を持って取り組むことが大切です。
しかし、実際は短期的な数字を見る程度で長期的に、或は将来的にどうしたい!ということを明らかにしてる経営者は意外にも少ないと感じます。本日、大分にて日本生命主催のM&Aセミナーを行ってきました。経営者という立場で参加されていた方々は、皆後継者がいない、或は自分がどのように会社を離れているのか?そのシナリオを考えていない、という方々が多かったです。
会社のゴールがミッションやビジョンの達成とするのならば、企業の寿命は経営者一人よりも遥かに長いです。従って、会社が調子が良いうちに、或は元気なうちに、自分が会社から離れるイメージを持つことは大切です。このような考えは出口戦略と言いますが、日本の経営者にとって馴染みが薄いように感じます。考えてみれば納得です。企業の3年とか5年先を考えて経営する習慣が無ければ、自分がリタイアした後のことなど、とても難しいことでしょう。
しかし、大企業では優秀な社員や、次期社長候補が沢山居るでしょうが、中小企業は状況が異なります。経営者がワンマンで行っている場合、社員に継承したくても出来ません。ワンマンすぎて社員が考えないまま過ごしていて、とても経営など出来きる素質がありません。仮に優秀な素質の社員が居たとしても、社長がその意志がなく、時期社長としてのトレーニングを行わないので、急に引き継ぐことも出来ません。仮に、親族内で承継しようとしても、出口のことを考えていないので、他の親族も既に自分での仕事を持っていて、今更経営者になることを考えていません。
中小企業と言っても、3億円程度の売上があれば、役員報酬として2000万円前後を毎年もらうことになります。この位のお金があれば子息子女は結構な教育を受けさせることが出来ます。実際、子供が優秀すぎて父親の会社を継ぐことに興味が無いケースも多々あります。何よりも父と子で会社を将来次いで欲しい!などという会話が皆無ですから、子供は自分の夢のために既に突き進んでいるのです。
中小企業の経営者の平均年齢は、現在で60歳といわれます。そして、会社をリタイアする平均年齢は67歳。この数字の意味する所は、今後、ますます後継者の問題が露呈するということです。中小企業の経営状態を調査する白書によれば、年間に7万件が後継者不在といる理由で廃業しています。日本全体の法人の数が450万から500万、廃業率が4%から5%と考えると、20万前後の企業が毎年廃業しています。となれば約3割強が後継者不在の廃業なのです。
この数字は、今後ますます増加することでしょう。
経営者の仕事。様々にありますが、自分が引退した後に、その会社をどうしたいのか?このことを考えることもリストアップしてみてください。
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‘意思決定’ カテゴリーのアーカイブ
中小企業の後継者問題
ブレークする態度
クライアント先でブレークする瞬間。コンサルをしていてアイデアが湧き出てくる感覚を覚える瞬間。ブレスト部でブレストをしている時。シザールでビジネスのモヤモヤをスッキリしている時。決まって共通の態度を取っていることが多いです。
その態度とは、アイデアの質よりも先ずは量を出す、基本を大切にする、互いがアイデアを受け入れ否定しない、極端に偏らない、そして楽しむ。そもそも態度とは、モノゴトに対して感じること、考えたことが、言葉や表情や動作に現れたものです。上記のような態度が崩れるとなんだかとっても発言したくなくなることでしょう。そしてその雰囲気は頭を不活性化させます。議論する時や、アイデアを出すとき、解決策の糸口を探すとき。集団の態度が悪ければ、出るものもでなくなるのです。
質を求めることは大切ですが、はじめはどんなに小さいことでも、とにかく沢山の量を出すようにします。ヒトは言葉によって思考します。考えているヒトに取っては当たり前と思っていることが、実は他者にとって、重要なヒントになることが多々あります。質を上げるのはその次。沢山出た中から精度をあげていけばよいのです。
基本を大切にする。議論する場合、基本的な事項を徹底的に確認することは大切です。ブレストやコンサルを行うとき、クライアントのビジネスについて徹底的にヒアリングします。その内容は、売上規模や利益構造から社員の規模、置かれている環境や競合環境等々。それぞれの事項は基本すぎて、普段クライアントが意識していないことがほとんどです。しかし、これらの事項を整理する中でモレがあったり、ダブりがあったりして、そもそも考えられていない、或は非常に非効率になっている部分が多々出てきます。
互いがアイデアを受け入れ否定しない。自由な発想を求めるなら自由な雰囲気を作る必要があります。そのためにとても有効な態度です。ヒトはそもそも違います、互いが全く同じ発想をすることなどあり得ません。同じ言葉や概念を与えたとき、その人の置かれている環境やこれまでの経験や学習度合い、今興味があることなど、様々な要因が絡んで発想が生まれます。従って、自分と考えが違うからと、いちいち反論するよりは、先ずは様々な意見や考えを受け入れて、とにかく否定しないことが大切です。ヒトは否定されると、発言したり考えたりすることを諦めてしまうというのもなくなります。
極端に偏らない。案外、ヒトって絶対的なポジションを持ちにくく、周りに左右される傾向があります。例えば、会議中に誰かがポジティブな発言をしたとき、場の雰囲気が良くなり、多くのヒトも同様にプラスの発言をするような場合があります。逆に、誰かの発言がネガティブなものから始まった場合は、場自体が否定的になる、そんな経験があると思います。自分がこうだ!と思っても、周りが違う発言をすると萎縮します。従って、ポジティブな面があれば、ネガティブな面を引き出すなど、常に両極のアイデアや考えを意識することが大切です。
そして楽しむ。脳みそが楽しい環境にあれば活性化して、どんどん新しい発想やアイデアが飛び交うでしょう。一方、つまらないと感じれば、脳が言うことを聞きません。そもそもつまらない話し合いなんてしたくないですよね。
考えることを考える
早嶋です。
ここ1年を通じて、『考えるワークショップ』の引き合いが非常に多かったです。民間、行政、学校法人を問わず、考え方を考えるという一見奇妙なワークショプです。
内容は、設定したゴールと現状を明らかにして、その達成する過程や道筋を明らかにすることです。考える基本は疑問を持つこと。その第一歩は、自分は何がしたいの?どこに行きたいの?という質問に自問自答することから始めます。
ゴールと書くと非常に簡単ですが、そのイメージを深堀して、様々な角度から見て行きます。タイムマシーンに乗って、将来の自分を観察するように、自分が何を考え、何を食べ、誰と接しているか、どのような日常を過ごしているか、どんどん考えて行きます。ボヤボヤと何となく考えている将来像をボヤっというレベルくらいに、具象化するのです。
遠くを見たら、近くを見ます。将来の自分と現状を比較するためです。現状を見る時も何となく調べるのではなく、様々な視点から現状の自分や状況を確認します。遠くと近くが見えたら2つを線で結ぶイメージを持ちます。
ゴールイメージが明らかであれば在るほど、現状の自分とのギャップが良く見えてくるでしょう。ギャップが明らかであればあるほど、将来のゴールに近づく確立が高くなります。方法としては、そのギャップをどのように埋めるかを考え、実際に行えば良いからです。
考えることは、何かの事象や目標などの対象について考える過程や行動を示します。簡単に表現すると2つの事象間の因果関係を明らかにすることです。そのために夫々2つの対象となるものの意味を知り、或は意味付けを行います。とても理性的で脳や心をフルに使う活動なのです。
考える過程において、何らかの方法で、考えた内容を見えるようにします。暗黙値から形式値にする作業です。図にしたり、文字にしたり、絵を描いたり。形式値にして言葉で表現することで、更にイメージを具体的に持つことが出来るようになります。そう、人間は言葉によって思考する動物なのです。
考えることは人間が持つ唯一の知的特権かも知れません。思考という言葉では、知的直観を含めたり、感性や意欲と区別したり。哲学では思惟と表現したり、意図的に区別したり。心理学のアプローチがあったり。とにかく考えることを考えることはとても興味深いと思います。
柳井さんのお話
早嶋です。
先日、ボンド大学大学院MBA開講10周年の記念イベントに参加しました。そのイベントでユニクロの柳井さんから挨拶がありました。その時のメモです。
経営は知識を利用して実行します。その知識は自分だけではなく、周囲を含めて一緒に実行することに意味があります。その意味では知識があっただけでは役に立ちません。実行するためには、良く考えて、他の人間とどのように実行していくかをトコトン考えることが大切です。
MBAホルダーは時として、このことを忘れます。知識は誰でも持っています。教科書通りの考えをただ示すだけではNGです。知識は必要最小限でよいのです。それは状況によって異なるので、状況に合わせて使っていく、そして行動することに意味があります。知識を持っただけでは経営はできません。
成功のカギとしてあるのは想いです。このようなことを実現したい!その想いです。あなたが実現したい想いは何ですか?これをハッキリと持つことが大切です。
柳井さんは、考えること、想う事を大切にされています。状況が変われば自分達も変わらないといけない。従って、徐々に組織も個人も変わっていく。しかし、ただ状況に合わせるだけではなく、自分の想いを持ちながら、最終的にどうしたいの?どこに行きたいの?をしっかりと持った上で状況に対応していくことが大切です。
これは特に困難な状況にあった時に力を発揮します。困難を乗り越えるポイントも、出来ると思うことです。多くの人が出来ないことを考えます。しかし、それでは出来るための方法を考えないので、結果出来ません。それよりも出来ることをベースに出来るためのシナリオをトコトン考えます。そして、考えたらスケジュールに落としてしっかりと行動します。これがポイントです。
柳井さんの話は続きます。多くの人の基準値が低いことを指摘されていました。自分が結構上手くいっている!と思っていると。しかし大切なことは、上手くいっている基準を明らかにしておくことです。そして、その基準を高めていくことです。失敗に対してもかなりポジティブです。失敗してもよい、しかし死なない程度にする。ここで言う死は倒産です。会社ですから、ギブアップして倒産しなければ失敗を繰り返しても構わないのです。
むしろ、失敗したときに何故失敗したのか?これを深く考えて、次にうまく行くために結び付けるのです。これはフィードバックとフィードフォワードの考え方です。そして、考えてから行う。とにかく行う。ではなく、考えながら行い、行いながら考える。これに意味が出てきます。常に考えながら行動する。柳井さんのお話に考える、想うという言葉が実に沢山出てきました。
考えながら行動することで経営の勘が養われます。これはただ単に経験を積んだだけでは養われません。考え続けることが大切だと感じます。コメントの最後に次の2つを言っていました。
1)人生は一回しかない
2)その一回の人生も有限、かならず終わりがある
そのために、自分の人生はいい人生だったな、と努力することが大切。
いいお話でした。
コンセプトを明らかにする
早嶋です。
戦略の本質は違いを創ることです。戦略のゴールは長期的な利益の獲得です。そのために行う方法はWTPをあげるか、Cを下げるかです。そして、それを実現するためのコンセプトが大切です。コンセプトとは、顧客に提供する価値は何か?を表現することばです。戦略といっても、結局人間は言葉によって思考し言葉によって伝えるため、大切な作業です。コンセプトを明確にするために、本当のところは何を提供してるのかを分かりやすくします。
例えば、ベネッセコーポレーションのコンセプトははじめは、通信教育でしたが、徐々に添削指導、そして家族全体との双方向コミュニケーションと展開していきました。これは生徒とのコミュニケーションに加え、親と先生のコミュニケーションも価値の一つと捉えたのです。従って、しまじろうに加えて、お母さん向けの読み物を同封するといった商品に展開しています。
例えば、ブックオフ。中古書店から今ではリユースのインフラをコンセプトとしています。これは捨てることに悪意を持つ人、捨てない人のためにそのインフラを提供しているというのです。従って、何でも持ってきてください!捨てたくない人のインフラ、本から生活用品の全てに展開したのもストーリーとして自然です。従って、立地も持ってくる人がいる事を前提に近年は郊外で駐車場があることを前提とした店舗展開を行っています。
例えば、ほっとペッパー。これはクーポン付きの雑誌と思いがちですが、実際はかなり狭い地域、つまり狭域の情報提供がコンセプトです。消費に関する情報がいくらでも手に入る中、ホットペッパーがこだわったのは生活圏の小さなエリアに限定することでした。人のほとんどが半径2km圏内で消費の8割を行っている事実を考えると、狭域に絞り込んだ情報提供は顧客にとっても価値が高いのです。
コンセプトをしぼる段階でのポイントは、先に誰に?何を提供するのか?を考えることだと思います。これはマーケティング発想にも通じますね。多くの企業の戦略は先にどうやって?を考えますが、それよりも誰に、何を、なぜ?を先に考えることが大切だと思います。
違いの作り方
早嶋です。
戦略の本質は違いを創ることです。そして、その違いは、だれもが比較できるbetterの違いではなく、何かをしないとというdifferentが大切です。その意味で戦略はしないことを決める!とよくいわれています。そして、しないことを明らかにしたあとは、その違いを構築する仕組みを組織に落とすことが大切です。これは言葉で表現するのは極めて容易ですが、実行するのは大変な仕事です。今回は、その違いをどのように構築していくのかについて、考えてみます。
ポイントは、個々の要素を絡め合い、つなげていくことだと思います。ここの要素がどんなに素晴らしくても、全体としてまとまりが無ければ、戦略として成立しない場合が多いです。そのために経営者は常に全体最適で、なぜ、そのようになるのか?何故、結びつくのか?何故、絡めていくことができるのかを深堀することが仕事の一つになると思います。
違いを創る過程は、大きく次の事を考えていきます。まずは、結論を明らかにすることです。戦略のゴールは長期的な利益を上げていくことです。そのためには、WTPを上げるか?Cを下げるか?のどちらかの選択になります。そして、そのゴールをどのように実現していくのか?シナリオを考えていきます。シナリオを考える場合、全体のコンセプトを一言で表せるように、何かキャッチーなものを考えておきます。例えば、スタバのコンセプトは第三の場所の提供です。ブックオフのコンセプトは、捨てたくない人のためのプラットフォームの提供です。もちろん、さっ、とコンセプトが出てくるわけではありません。議論を繰り返しまとまって行くものでしょう。
そして、それらのコンセプトを実現するための構成要素を考えます。ここもバラバラではなく、常にコンセプトに結びつけていきます。そして、違いを創るために最も大切な要素は、一見他社が見たら非合理なんだけれども、全体の戦略のシナリオを考えていけば、なるほど!と考えることができるウィットな要素を絡めておくことです。この要素は、一見非合理に見えるので、他社が模倣しようとしないので、結果、明らかに違いが産まれるのです。
例えば、スタバは店舗展開を行うとき、全てを直営にしています。直営で展開をすると、ROAが小さくなります。従って、他の競合や株主からは、何故?と思われたでしょう。スタバにとっては、ここウィットなところです。コンセプトの第三の場所を実現するために大切なポイントです。通常、職場と家庭以外ののんびりできる場所で、週のうちの2,3回来てもらうためには、立地条件が良い場所に出店します。しかし、顧客には、のんびりお店の中でくつろいでもらうために、回転率が悪くなっても、そのコンセプトを統一するために経営を行います。もし、FCであれば、この点は矛盾が生じてくるでしょう。店舗の売上を上げるためには、価格や営業時間は決められます。すると、オーナーだったら少しでも回転数を良くして、効率的に販売したいと考えるでしょう。でもこの行動は明らかにコンセプト違反です。と言うことで、全体としては、FCでの展開は、第三の場所を実店するには不向きだったのです。
最後に、大切なことは、上記のシナリオに一貫性があることです。ここの要素が尖って無くても、全体として良くまとまっている、全体として素晴らしく統一していることがポイントです。
違いを創る理由
早嶋です。
戦略の本質は違いを作ることです。このことについて経済学と経営学を比較すると理解が促進すると思います。経済学の考え方では、完全競争市場では、最終的に価格が均衡します。これは完全競争によって違いがなくなるからです。となると製品やサービスを購入する消費者に取って、最も安く提供して頂くでしょうが、企業は儲かりません。経済学は効率的な世の中を作ることにフォーカスされます。
一方、経営学はどうでしょうか?やはりこちらのゴールは利益を創出することにあります。そのために経済学と真逆のアプローチを取ります。つまり、完全競争ではなく違いを創出していくのです。違いを創るということは利益を生み出す素地を創ることにつながります。
従って経営学では、競争戦略という概念は極めて大切になります。この場合、全社戦略ではなく、事業戦略がフォーカスされる場合が多いでしょう。例えばパナソニックのテレビ事業と東芝のテレビ事業の戦いで、会社毎の戦いとはスコープが異ると言うことです。従って、ここで言う競争戦略は事業毎の競争にフォーカスしていきます。
ところで、事業のゴールってなんでしょう?色々あると思いますが、利益を長期的に確保することが大切だと思います。勿論CSが一番大切!シェア、成長、社会貢献、企業価値の向上、ESと多々あります。しかし、利益を確保しなければ上記の全てを行う事はできません。従って、ゴールは長期的な利益の確保、目的はCSと言ったところでしょう。但し、この考え方はヒトによって様々かもしれませんね。
仮に、利益にフォーカスすると、利益を得やすい環境や事業というのが存在するでしょう。ビジネスの例の前に、スポーツの例を見てみましょう。例えば、世界的に成功しているサッカー選手。これが20年前だったら、今と同じように沢山の報酬を得れていたでしょうか?きっとまだまだ日本ではサッカーの認知も薄く、今と同等の金額を獲得することは難しかったのではないでしょうか?例えば、卓球の一番の選手と、野球の一番の選手では、業界が違うので、同じ一番でも野球の方が大きな報酬を得やすいのは明らかです。
極端な事例を出しましたが、これはビジネスにもあてはまります。そこで、競争戦略を考える場合はまず自分達の事業が面している業界の構造をおさせます。いわゆる5force分析です。例えば、現在の航空業界は極めて利益を得にくい構造になっていますが、製薬業界は未だ利益を確保しやすい業界です。製薬業界が利益を得やすい構造の理由は買い手の交渉力を分析を見れば明らかです。多くの薬は保険の対象ですから、価格の7割は国が負担する、という構図を見ると航空業界のそれとは明らかに異なります。業界の大雑把な構造が分かれば、戦略を立てやすくなります。つまり、どのように違いを構築するのか?の道筋です。
誤った戦略立案
早嶋です。
戦略の本質は違いを作ること。そのための方法論は様々にあります。しかし、多くの場合誤った場合があります。例えば、アクションリストの羅列。戦略的な価格設定を◯◯円にする、コストを◯◯円削減する、商品のスペックを◯◯まで実行する、等々です。悪くはありません。しかし、これらをどのようにつなげるのか?どのように実行していくのか?そのシナリオが無いと実行に結びつきにくいのです。個々の要素がどのように絡んで実現できるのか?イメージが描けるように示すことが大切です。
例えば、テンプレートとしての戦略論。つまりフレームワークありきで、マス目を埋めていく戦略立案です。SWOT分析やVC分析などを行うのは良いですが、それらがバラバラになっており、やはりどのようにつながり、絡んでいるのかのイメージができない。子供は塗り絵を与えると楽しそうに色を置いていきます。いつでもどこでも気軽に出来ます。しかもやっている感がたっぷりです。でも戦略は塗り絵ではありません。考えないで、ただただひらすらに、フレームワークに沿って戦略ができるという甘い考えは捨てた方が良いでしょう。フレームワークはあくまで考え方や視点のベースです。テンプレートであって完成ではありません。
例えば、ベストプラクティスの模倣。この業界は◯◯を行うと成功する!ということを丸っとスルッとコピーする。前回、経営はカンニングOK!というタイトルでコメントしましたが、やはり経営者のビジョンや置かれている環境、業界の状況や組織によって全く違います。従って、ベストプラクティスをただ単に模倣して戦略ができるわけが無いのです。
例えば、ビジネスモデル。一見、これも戦略のように見えあすが、基本は取引のやり取りや情報の流れをまとめたモノです。どのような仕組みで利益を上げるかは分かりますが、イコール戦略ではありません。このビジネスモデルをどのように実現するのか?というストーリーも大切です。
大きな企業になると戦略を立案するスタッフが専属でいます。しかし、前回もコメントしたように個々の分析がメインで綜合する作業を怠っています。つまり個々のパーツを一生懸命に作っているけれども、プラモデルを組み立てる役割の人が不足しています。分業は上手くいっているかもしれませんが、断片的になりがちです。コンサルに丸投げでストーリーが全く無い場合もあるかも知れません。昨今は様々な情報が瞬時に入るので、前述したよにベストプラクティスの模倣に終わっているかも知れません。もっとひどいところは数字の羅列で終了!というところも少なくありません。
戦略は実行して意味があります。実行しなければ意味がありません。戦略に関わる人の全てが何をするのか?イメージがつくことが大切です。全体像を共有した上で、自分の役割を遂行することが大切です。そのためには、個々を綜合する作業は極めて大切なのです。
それから戦略は実行しないと検証できない事もあります。従って、こうなるだろう!というよりは、こうしよう!という意思が大切になる場合もあります。ある意味、皆が信じて行動できているか?ということが大切になるかも知れません。どちらかといえば右の脳みその役割になるかも知れませんが、皆が信じて行動する。そのためには全体のつながりを皆が意識して納得できていることが大切です。そういう意味で戦略は未来に向けた意思とも言えるでしょう。
さぁ!皆さんも戦略を立てて、それを綜合してみましょう。きっとワクワクするコトでしょう。人は将来を考えると脳みそが活性化するそうです。思わず人に話したくなる様な戦略を構築して実行しましょう!
経営と理屈
早嶋です。
経営学と書くとアレルギーを示すヒトが多いと思います。そして、経営は学問として片付けられるほど簡単なものでは無いと主張するでしょう。実際、感覚的なものですが、2割くらいは理屈で表すことができますが、のこりは経営者の勘や経験や運などです。理屈では表せない部分です。しかし、一方でその勘や経験や運などを継続的に自分の経営と結びつけている人がいます。これは何でしょう。
理屈とは何かと何かを結びつける考え方、つまり因果関係を明らかにすることです。自分の経営を振り返り、何故成功したのか?何故失敗したのか?更に成功するためには何をするのか?失敗を事前に防ぐにはどうするのか?現状と将来の結果を結びつけて考える必要があります。これは理屈です。そして、その時の考え方をサポートするのも理屈です。つまり、何もしらならい手探りの状態で将来と現状を結びつけていくよりは、様々な理論を体系化した中で結びつけて行った方が将来の再現性が高くなることも考えられます。
経営学と実際の経営を結びつけて考えている時に感じることがあります。現象はコロコロと変わっていますが、それを考えるための根底やベースとなる考え方、つまり理論は変わらないと言うことです。ってことは、変わらない理論を知っていて経営を行っているということはとても軸足が固定されてパワフルに経営ができるということです。
文殊の知恵か、船山に登るか
早嶋です。
三人寄れば文殊の知恵。文殊とは知恵を司る仏で文殊菩薩のことを指します。特別に賢い者では無くとも、三人あつまって相談することで何か良い知恵が浮かぶということです。坂口安吾の探偵小説とは、の一節に「推理小説ぐらい、合作に適したものはないのである。なぜなら、根がパズルであるから、三人よれば文殊の知恵という奴で、一人だと視角が限定されるのを、合作では、それを妨げる。」とあります。なるほど、確かにそうですね。
一方で天才を集めても、平凡な結果しか出ないこともあります。この場合は、船頭多くして船山に登る、です。指図する人が多すぎると統率がとれずに意に反した方向に進んでいくということです。何でもかんでも力を合わせればOK!と言うわけではないのです。先の一節の続きで、「知恵を持ち寄ってパズルの高層建築を骨組堅く組み上げて行く。十人二十人となっては船頭多くして船山に登る、というおそれになるが、誤認ぐらいまでの合作は巧く行くと私は思う。」と、こちらも確かにそうです。
さて、この違いは難でしょうか?烏合の衆、つまりただの集まりか、共通のゴールを持ったチームか。早嶋はそう思います。現在、三社が共同で特許を取り、その技術をベースに市場展開するプロジェクトのコンサルを行っています。A社、B社、C社とします。3社共通のゴールは、この技術をベースに社会に役立てて、かつ、自分たちも利益を上げることです。しかし、コンサルに入る前は、3社がそれぞれ動いていて、情報の共有がうまくなされていませんでした。
A社とB社が知っていてもC社が知らない。B社とC社が知っていてもA社が知らない。C社とA社が知っていてもB社が知らない。なんかじゃんけんのような関係で3社が共有しないまま仕事が進んでいるようで、実際は停滞していました。そこで行ったこと。3社を集めて共通のゴールを設定する。3社の役割を明確にして、互いが行うことを共有する、です。そしてプロジェクトの直近は定期的に情報共有の会議と次のアクションを決定する会議を開催しました。
たったこれだけのことですが、文殊の知恵が出てプロジェクトが円滑に進み始めました。共通のゴールを設定して、その達成に旗振り役をつけること。言葉ではリーダーになるのでしょうか。文殊の知恵になるか、船山にのぼるか。ちょっとしたキッカケですが、やるかやらないかで大きな違いが出てきます。










