前回まで
営業所長の松本さん,営業の西村君の訪問予定の中で,重要なターゲットであるA社の進捗状況と翌週の訪問予定を確認しました。一塁ベースは回った(担当者と良好な関係ができた)と判断した西村君は,次回の訪問で二塁ベースに向かう(A社の現状についてお尋ねをする)つもりだと報告しました。
それに関して松本さんは二つのアドバイスをしました,1)お尋ねをする前には,「質問に答えて頂けるかどうか」をストレートに確認した方がよい。2)初回の質問から,「現在の取引に関してご不満はないか」などと訊くのは無理がある,ということです。西村君はA社の吉田さんに電話して,お尋ねしてもよいかを確認して報告することにしました。
西村:松本さん,少しだけ時間をいただけますか,A社の件で報告があるのです。
所長:あの件ね,ちょっと待って,パソコン閉じるから。お待たせ,じゃあ聴こうか。
西村:吉田さんに確認しました,可能な範囲で教えて頂けるそうです。有り難うございま
す,これで自信を持って訪問できます。
所長:それは良かった,それを「パーミッション(許可)を得る」って言うんだよ,そう
やって実績を作って,次第にパーミッションのレベルを上げて行くのさ。
西村:そういう事なんですね,つまり,もう質問することは許される関係ができたという
ことなんですね。新規のお客様に営業をするときには意識して行うようにします。
所長:そうだね,きっと役に立つと思うよ。それにこのやり方にはもう一つ利点があるん
だ,一種のリトマス試験紙見たいなものと言えばいいかな。
西村:リトマス試験紙ですか???
所長:そうだよ,いきなり質問して断られたりすると気まずくなるだろう。そんなリスク
を冒さないで相手との間合いを測れるんだ,「進むべきか,進まざるべきか」だよ。
コーチングにしてはアドバイスが多いとお感じの方もいるかもしれませんね,でもそんなことはありません,社内で上司がコーチするシーンでは教えることも多いのです。仕事上で「良いコーチ」と言うのは,部下が成果を出すことを可能にするコーチのことです。
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‘コーチング’ カテゴリーのアーカイブ
上司のコーチング 17
上司のコーチング 16
前回まで,
上司の松本さん,部下の西村君に来週の行動予定を確認したところ,問題が発覚しました。
二つあります,12軒の計画に対して,実際にスケジュールが入っているのは5件だけで,
その上に,その5件に対しても目的が明確でなく,従って準備も通り一遍のものでした。
松本さんは西村君に,計画した通りにお客様にアポイントをとり,訪問先に対しては,
進捗に応じた目的とゴールを決めて報告するようよう命じました。期限は15時です。
西村:所長,今朝の会議で指示を頂いていた件の報告に参りました,これが計画表です。
所長:そうか,早かったじゃないか,来週の行動の準備はできたんだな。
西村:全部ではありません,一部アポイントが取れていないところもありますが,それは今日の18時までには必ず完了して報告いたします。
所長:わかった,じゃあ来週の訪問予定の中で,A社に関して進捗を聞かせて貰おうか。
西村:ここは担当者との関係はできたと思いますので,今回は現状を教えていただきます。
所長:なるほど,関係ができたと判断する根拠と具体的には何をお尋ねするの?
西村:先月あたりから必ずアポイントも頂けるし,携帯に連絡を頂くようになったんです,だから多分大丈夫だと思います。
所長:それはよいサインだね,もっと確実にするにはストレートにお聞きするといいね。たとえば「次回,幾つか教えて頂きたいことがあるのですが,お尋ねしてもよろしいですか?」などと聞いてみてはどうだい。
西村:はい,そうしてみます。この後でもう一度電話してみます。それとお尋ねすることは,1)現在ご利用のサービス,2)ご取引の期間,3)お取引の条件,4),取引可能性,5)ご不満なことなどを教えて頂ければと思っています。
所長:そうだな,最初はその程度から始めた方がいいだろうな。そこで気になるのが「ご不満なこと」だよ,これは最初の質問にしてはハードルが高いよ。今回は質問に答えるという実績を作れば十分だろう,「急いては事をし損じる」だよ。
西村:はい,ありがとうございます,気をつけて進めます。
こんな感じで進めてみるのはいかがでしょうか。
上司のコーチング15
前回まで、
「営業マネジメント」のありかたを変える,具体的には“「事前管理」を行う事で,勝手な
行動は許さない”をとりあげました。今回はそれを具体的に週末の営業会議での会話に置
き換えてみましょう。
上司:西村君,来週の君の行動計画を聞かせてくれないか? 訪問予定は何軒だい?
部下:はい,来週は5件の予定です,あとは飛び込みで訪問するつもりです。
上司:そうかい,それに関して二つ尋ねたいんだ。まず,本来月間計画に沿って考えると,訪問すべきお客様は何軒だったの?
部下:当初の予定では12軒でした,なかなか予定通りにいかないんですよ。こちらの都合通りにアポイントを頂くこともできませんし。
上司:なるほど,アポイントが取れなくて訪問すべきお客様に訪問できないでいる訳か。それじゃあもう一つの質問だが,その5件にはアポイントは頂いているんだね?
部下:ええ,一応伺う事はお伝えしています,ご担当の方も恐らくいるだろうっておっしゃっていましたので。
上司:つまりはっきりとした約束を頂いているわけではないんだね,それでは君の訪問の目的は何なんだい? その5件に対して,それぞれどんな準備をするつもりなの?
部下:ええ,目的は情報収集です,まあ色々と情報を頂こうと思っています。
準備って・・・,サンプルの提案書をお持ちしようと思います。
上司:お話をお聞きできるところまでは進んでいるんだな,それで今週は何について情報を頂くつもりなの,進めるためにお尋ねすべきことはリストにしてあるのかい?
部下:そこまではまだ・・・
上司:いいかい,今から言う事を今日中に仕上げて報告してくれないか,15時までにね。一つは本来の予定通りに12軒全てのしかるべき人にアポイントを頂くこと。もう一つはそれぞれのお客様の訪問目的とゴール,そのために何を準備するかだ,いいね。
部下:はい,分かりました。
こんなシーンはありませんか,もしこんなことが起きているようなら赤信号です。成果を
挙げるためにはもう少しキメの細かい指導が必要ではないでしょうか。
上司のコーチング 14
前回まで、
“行きやすい所にばかり行っている”という問題を解決するために「営業マネジメント」
のありかたを変える,具体的には「訪問計画を長い視点で考える」事をとりあげました。
そして管理先の顧客数,ABCのランクに分けた顧客軒数,一カ月に訪問できる回数を計算し
て,年間の訪問計画を立てるところまで進みました。ここで大事なことは,“80%以上の売
り上げや利益を頂く約20%の重要な顧客に,80%以上の時間を充てる”ことでしたね。
一般に営業パーソンはお客様を万遍なく訪問したがる,特に「好きな顧客,気が合う顧客,
気楽な顧客」に時間をかけたがるものです。お分かりのことでしょうが,これは意味がな
いばかりか有害です,マネジャーは何が何でもこれは阻止しなくてはなりません。
そのためにはアクション・コントロール(行動管理)が有効で,唯一効果的な管理方法だ
と思います。具体的に言うと,「事前管理」を行う事で,勝手な行動は許さないことです。
勿論,全員がそうではありません,正規分布の問題です。自分で考えて,効果的な訪問計
画を立てられる営業パーソンもいます,しかしそれは“100人に一人か二人”が実感です。
顧客ランク別に毎月の訪問回数を決めましたね,管理するというのは,“4回行くと決めた
顧客へは確実に4回訪問する”を確実に実行させることです。実際の指導の場面では,例
えば毎月の会議でなら,年間で計画したとおりに訪問計画を立てているか,計画の通りに
目的を明確にして訪問を計画しているかです。
「他にも大事な顧客があって,予定通りには訪問できません」などと言わせないでくださ
い。繰り返し言いますが,大事な顧客とは大きな売上計画を立てている顧客のことです,
担当者が行きたいところではないのです。
毎週のコーチングなら,その週に予定した顧客がもれなく訪問されるようになっているか
を問題にします。週間計画で大事なことは“訪問目的に照らして本来会うべき人にアポイ
ントをとっているか“です。「会うつもりでしたがアポが取れませんでした」とか,「訪問
したけど会いできませんでした」などと言わせないことです。
次回はこのやり取りを実際の会話に置き換えてお届けします。
上司のコーチング 13
前回まで、
“行きやすい所にばかり行っている”という問題を解決するには「営業マネジメントのありかたを変える」こと,具体的には、1)訪問計画を長い視点で考える。1)日常の指導は「行動予定」に対して行う。3)個々の顧客との取引の進め方を一緒に考える、でした。
つまり,営業マネジャーがマネジャーとしての仕事を確実に行う事です,しかもそれを適切なやり方で行う事が出来れば,目標達成の確率を上げることにつながります。近道はありません,地道にやって行きましょう。
今日は前回の続き,「年間行動計画」を立てるためのコーチングのシーンです;
上司:君のお客様の総数は何件だったっけ?
部下:総数ですか、約200軒です。
上司:すると管理対象の顧客は約40軒だね,どんな訪問計画を立ててるの?
部下:実はまだ立てていません,どうやって立てるのかよくわからなくて。
上司:今時間があるなら,ここで基本的な考え方を整理しておこう。資料を準備して。
部下:はい、分かりました。
上司:まず訪問回数の総数を考えてみようか,君の場合一カ月に何回訪問できるの?
部下:そうですね,一日5軒として,1週間に5日ですから,1か月で100回です。
上司:ちょっと待って,それじゃ余裕がないね,週に4日にしてはどうかな。
部下:そうですか,そうすると80回です。
上司:それで顧客をランクに分けたよね,A,B,Cランクはそれぞれ何軒だっけ?
部下:Aが5軒,Bが10軒,Cが25軒です。
上司:訪問頻度はどのように考えてるの?
部下:Aは月に4回,Bは月に2回,Cは月に1回です。
上司:4×5+2×10×1×25=65,全部で65回は管理先に充てるという事だね。
80回の訪問のうち,80%を主要な顧客に充てる訳だから妥当な数字だね。
部下:そういうことになりますが,他の顧客への訪問ができそうもないですね。
上司:80%以上の売り上げや利益を頂く顧客に,80%の時間を割くのは当然だよ。
これをもとにして,あしたの正午までに年間の訪問計画を立てて見せてくれないか。
部下:はい,分かりました。
こんな感じで進めて見ませんか?
上司のコーチング 12
上司のコーチング-12 解決策を考える
前回まで、“営業のあり方に問題がある”という問題に対して、具体的な現象としては“売上の少ないお客様に訪問が集中している”ということが分かりました。これはどこの会社の営業パーソンにも見られますが、行きやすい所にばかり行くようですね。
そのような問題が起きていて、なおざりにされていることの原因は何だろうかと考えてみると、“行動計画のスパンが短い”、“結果報告を受けて、次の指示を与えるだけになっている”、“どこで何をするかは個人任せになっている”ことが見えてきました。
それがなぜ起きているかを更に深く考えると、営業マネジメントのあり方に問題がありそうだということが分かります。つまりこの問題を解決するには「営業マネジメントのありかたを変える」ことです。この辺りになると、上司の経験と勘が生きてくるところです。
具体的に何を変えるかと言うと、1)訪問計画を「年間」⇒「月間」⇒「週間」の順に、長い視点で感がえる。1)日常の指導は「結果報告」でなく、「行動予定」に対して行う。3)個々の顧客との取引に関して、何をどのように進めるかを一緒に考える、などです。
まずは訪問計画から行きましょう、コーチングのモデルです;
上司:今年度から訪問計画は、年間、月間、週間の順に立てて貰うことにするよ、まずは
年間の計画を立ててくれないか。お客様ごとに、毎月の訪問頻度を考え欲しいんだ。
部下:年間ですか、そんなの難しいし意味ないですよ。お客様の数は多いですし、
全部に対して計画を立てるなんて日現実的ですよ。
上司:お客様の数が多いから、年間訪問計画は難しいと思うんだね。僕も全ての顧客に対して必要とは思っていないよ。いつも言ってるけど、目的は何だと思う?
部下:目標達成の確率を上げることです。
上司:そうだったね、パレート分析は覚えているかい? それにどんな意味があったっけ?
部下:上位20%のお客様で80%以上の売り上げや利益を上げている、そうか、全てのお客様でなくて構わないんだ、上位の行くべきところに確実に行くことが重要ですね。
上司:そういうことだよ、それならできるね、今週中に出してもらえるかな?
部下:はい、大丈夫です。
上司:行くべきところを決めるうえで、大切なことは何だったか覚えているかい?
部下:実績だけではなくて、ポテンシャルを考えて上位の顧客を決める。意図した顧客で80~90%を確保するということでした。
上司:その通りだ、よくわかっているね、それじゃあ頼むよ。
上司のコーチング その11
上司のコーチング-11 問題の本質を探る-2 0324
前回のコラムでは、下のような上司からの問いかけで終わっています。これらの問題が起きた理由は何だろうかと考えることに、コーチングを進めて行きます。
1.売上の少ないお客様に訪問が集中している原因は何だろうか?
2.前年の売上が大きいお客様への訪問が少なくなっているのは何が原因だろう?
皆さんも一緒に考えてみませんか、営業パーソンが売上の少ない顧客に何度も訪問して、多くの時間を費やしているのはどのような理由によるものだろうか。実はこの現象はどこの会社にも少なからず見受けられることなのです、私がこれまでにデータを分析した企業は、大企業から中小企業までこの傾向が顕著に見られました。
今までに研修でお尋ねした時の受講者からの答えは以下のようなものでした。
・ 行きやすい所に行っているのではないだろうか?
・ 都合良く遣いっパシリにされているのではないだろうか?
・ 仕事の段取りが悪く、同じことで何度も足を運んでいるのではないか?
・ 急な呼び出しで仕方ないのではないだろうか?
いろいろな理由が考えられますね、どれも間違ってはいないと思います。しかしここで大切なことは、それが起きている理由は何かということです。どれも決して容認できることではありません、そして改善するためにはその原因を見つけることが必要です。
考えてみる点は以下のようなことです;
・ 行動計画のスパンが短いのではないだろうか?
・ 営業管理のあり方が結果志向になっているのではないか?
・ 行動計画が個人任せになっていて、上司が見ていないのではないか?
このように問題がある部下をコーチングする場合に大切なことは以下の三つです。
1. フレームワークを使う、ここでは「問題解決のプロセス」を使っています。
2. 仮説を立ててコーチする、これには知識と経験、そして人間理解が必要です、
3. データを使う、ここでは前回から引き続き「散布図」を使いっています。
上司のコーチング その10
上司のコーチング-10 問題の本質を探る-1
先月までと同様に、営業管理者が部下の営業パーソンをコーチするという想定で進めて参ります。データを使って問題の本質を探ります、何が原因でそのような問題が起きているのかを部下と一緒になって考えることです。
今回のような問題“上位20%までの優良顧客で、昨年年初から顧客シェアが約20%低下している”では「散布図(グラフの一種)」を作ることをお勧めします、これはエクセルを使えばだれでも簡単に作ることができると思います。
必要なデータは、3つだけです。1)顧客ごとのポテンシャル(購買力)、2)顧客ごとの年間売上高、3)顧客ごとの年間の訪問回数です。例えば2)と3)の組み合わせで、グラフにしてみます。見えるのは時間の使い方が適切かと、営業が効果的かということです。
ここから部下とのやり取りを想定してみましょう。
上司:このグラフが表すのは君の営業活動だけど、これを見て何か感じることある?
部下:何をみればいいのでしょうか、よくわからないのですけど。
上司:横軸が訪問回数、縦軸が売上高なんだけど、どんな形の分布が理想的だと思う?
部下:そりゃ右肩上がりです、訪問回数が多いほど売上高も多いのが自然ですから。
上司:君のグラフはそうじゃないよね、これが問題の原因じゃないかと思ってるんだ。
部下:つまり、営業活動のあり方が問題なんじゃないかということですね?
上司:そうだな、売上の大きい所で訪問が少ないし、売上が少ない所に訪問が多いね。
部下:確かにそうですね、何となくそんな気がしていたのですが・・・。
上司:そこには何か意図があったのかい、それとも無意識だったの?
部下:無意識です、何となくそうなっていたようです。
上司:そうか、二つ考えてみようか。
売上の少ないお客様に訪問が集中している原因は何だろうか?
前年の売上が大きいお客様への訪問が少なくなっているのは何が原因だろう?
部下:そうですね・・・。
こんなやり取りで進めることができます、そしてそこから“その問題を解決するためにどんな方法があるだろうか”を考えて行きます。データを使った問答無用のコーチングです、皆さんもやってみませんか?
上司のコーチング その9
上司のコーチング-9 現状を確認する-3
前回は「何が起きているのか」を明確にすることを取り上げました、今回はその問題が「なぜ」起きているかを考えることにします。ここではデータを眺めながら、部下と一緒にその問題を考えます。
例えば、「上位20%までの優良顧客で、昨年年初から顧客シェアが約20%低下している。他社商品への買い替えが進んでいるようである」という問題が見えたとします。それに対して原因を究明しなくてはなりません、いったい何が原因だと考えられるでしょうか?
たいていの場合、上司は部下に問いかけます、「君、一体どんな理由でシェアを落としているんだ?」と。そしてほとんどの場合、部下は答えます、「価格差で負けるんです」或いは「商品力で負けています」、「会社の知名度が違うんです」と。
自分の営業のあり方が問題だと思っている営業パーソンは余り見たことがありません。いたとすれば体育会系の反応です、「申し訳ありません、私の責任です、どこかで挽回します」、潔くはありますが、何の解決にもなりはしません、こんなやり取りは無益です。
大事なことは、何が原因でその問題が起きているのか明らかにすることです。そして問題の解決策を見つけるのです、今までに起きてしまったことは仕方ないとして、これ以上は食い止めなくてはなりません、できれば失ったシェアを少しでもとり戻したいところです。
問題は「営業活動が偏っていた」、自分にとって行きやすい顧客ばかりに行っていたのです。「各顧客の昨年の売上高実績と訪問回数を出してくれないか」と部下に要求しました、分かったことは、重要顧客の入札に応札できていない事が何回もあったことでした。
次に考えるべきことは、「今後同じような問題を起こさないために何をするか」と「少しでも挽回するために何をするか」です。これも押しつけるとやりません、部下と一緒に考えて「こうやります」と合意できること、そのためにはデータを使って指導することです。
上司のコーチング その8
上司のコーチング-8 現状を確認する-2
前回は「現状を確認する」について「営業利益」を題材に考えて頂きました。もう少しこれについて考えて行きます、テーマは「売上高が減少している」です。前にも書きましたが、ここでいきなり「なぜ?」に飛びついてしまうと大間違い、まずは「何が起きているのか」を明確に認識することから始めましょう。そんな時、例えば「5W2H」から「WhyとWho」を除く「3W2H」で考えると便利です。
「Where」:売上高の現象はどこで起きているのだろうか、「どこ」の考え方にはいろいろとあります。例えば「上位20%の顧客、Aランク顧客、ヘビーユーザー」などの顧客ランク、或いは「都市圏の顧客、郊外の顧客」などの地理的な分類、また「製造業、サービス業」などの業種、「売上高xx億円以上の顧客」など規模や発生の範囲もあるでしょう。
「What」:その市場で何が起きているのだろうか、「なに」の考え方にもいろいろあります。例えば「中間の価格帯が売れない、客単価が下がっている」などの価格の特性、或いは「買い替えサイクルが長くなった、他社商品への買い替えが増えた」などの買い方の変化、「成約率が低下した、競合の勝率が低下した」などの取引上の問題点が見えるかもしれません。
「When」:これにもいろいろあります、例は割愛しますが、「いつから始まったか」、「どんな時に起きているか」、「いつも起きているのか、それとも特定の時だけか」「いつ気がついたか」など、問題の発生と時間に関ることも考えなければいけません。
「How」:これも考えることはあります、発生のあり様とでも言いましょう。例えば「突然起きた」「一気に拡大している」「ゆっくりではあるが拡大している」「拡大の傾向が強まっている」、「影響の範囲が広まっている」など、インフルエンザの報道みたいですね。
「How Much」:ここでは発生の規模や頻度を考えてみます、「低下した客単価、失った金額、変化した顧客数、失ったシェア」など問題の大きさを表すことを考えて下さい、もう一つは問題のインパクト、「低下率xx%」「逸失率xx%」などがあるでしょう。
このように「何が起きているのか」と問題をいろいろな角度から眺めて問題の全容を明確にし、その上で「最も大きな問題」はどれかを考えるのです、それが「現状を確認する」ことの意味です。










