期待不一致モデル その2

2008年9月28日 日曜日

早嶋です。



「これだ!」と思って買った商品が、一時経って、同じ店で割引価格で販売されていた事はありませんか?損した!という気持ち以上に、その割引されている製品に対するネガティブな訴求点を探すことでしょう。例えば、色が褪せているとか、少し傷がついているとか。



上記は、人の言動に対して常に思考や感情を整合させようとする傾向から起こります。自分のミスを認めたくないという感情からくるのでしょう。もし、認めてしまえば心の中に違和感、つまり不協和が生じてしまうからです。



従って多少の問題がある商品を購入したときでも、自分はそれなりに賢い選択をしたのかな、なんて考えることでしょう。自分の行動に対してつじつまを合わせようとするのです。



ブログ「認知的不協和」でもコメントしましたが、まさに認知的不協和です。しかし、顧客はいつまで経っても認知的不協和を緩和するわけではありません。購買前に抱いていた顧客の期待が余りにもネガティブな方向に動いた場合、認知的不協和を緩和することなく、その購買した商品に極端に落胆していきます。この事は対比理論として知られています。



何故、このようなつまらない商品を購買してしまったのだろう・・・。このような感情に陥ると、二度とこの商品を買わないぞ!とか、その商品を提供しているショップやメーカーに対してもネガティブな印象を抱く事だってあります。



顧客の期待を大きく裏切るような消費者の行動の一連を期待不一致モデルといいます。上述のように顧客の期待がネガティブな方向に大きく動けば対比理論の行動に向かいます。しかし、期待不一致モデルにはポジティブなものもあります。



これは期待値が低いときに実際に得たモノがはるかに高い期待値であったときです。格安のホテルだったのに、アメニティーが充実していたり、意外にフロントの対応が良かったときなどです。良い意味で期待を裏切られた場合に起こるのです。



前回コメントした「顧客満足」での医者の対応は、期待不一致モデルをうまく利用した結果だとも考えられます。



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