分析による差別化

2008年8月25日 月曜日

早嶋です。



ブログ(BIA)でBI(ビジネスインテリジェンス)について簡単に触れましたが、利益を出している企業や成長を継続している企業の中でも、分析力を競争要因にしている企業が突出して目立ちます。



最近読んだ本、Competing on Analytics: The New Science of Winningは、ブルーオーシャン戦略に次ぐ著書!ということでBIの重要性の全貌を解説しています。



分析力を競争要因にすると何が良いのか?このような疑問を持たれた経営者や経営幹部の方は、ビジネスインテリジェンスによって企業がどのように収益を改善したり利益を向上しているのかを学習することをお勧めします。



なぜなら、多くの企業の場合、トップの理解が無いがために分析はバックオフィスの仕事となり経営全体に影響を与える環境が無いからです。逆に、トップの意思があり、データ分析や分析力が経営にとってインパクトがあると理解すると、例え分析技術が無くとも何とかなるものです。実際、自社で分析作業を行わなくとも業界ごとに特化した分析屋さんが世の中には存在するからです。大手の航空会社でもデータ分析を丸ごとアウトソーズしている会社も存在します。企業が分析力を活用しきれないのは、分析手法やデータ量の有無ではないのです。





実際、多くの企業の症状はつぎのようなものではないでしょうか?



○「ウチでは昔からこうしてきた!」という「根拠の無い常識」が幅をきかせているため、データによる正当性がまったく検証されない。



○ボードメンバーがデータやファクト(事実)の裏付けの無い意思決定をしても一切批判されない。むしろ、なぜか閃き型のリーダーが賞賛されたりする。



○そもそも、データの山から宝を発掘しよう!という人間がいない。何も思いつかないときに渋々行うのが分析だとされ、もし行われたとしても分析を行う人が専門知識に欠けている。



○分析した結果、結論つけられたアイデアの良し悪しよりも、誰が言ったのか?という本末転倒な議論が盛り上がる。





多くの企業からヒアリングをしていると、社員は経営者を喜ばせることに命を懸ける一面もあるようです。つまり、経営者や社長を喜ばせるために、あるいは、彼ら彼女らに受け入れられるように内容を伝えるのです。そのため、経営者や社長の業務は一段と難しくなるのです。見抜く必要があるからです。そのためにもデータやファクトベースの裏付けは必ず必要になるのです。



ちまちまとデータ分析なんぞするのはねー!それより大胆なビジョンを掲げてチームを引っ張る経営者が魅力的さ!と考えることは、一見かっこよさそうです。しかし、ダイエット運動もせずに痩せようとするようなものではないでしょうか?



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