『社会の変化と企業戦略』 経営戦略2/4

2008年5月24日 土曜日

早嶋です。



経営戦略について2000字×4回セットでとある媒体に投稿することになりました。ドラフトであらい内容ですがブログで先行して公開します。OLと講師の掛け合いを想定して書きました。フィードバックをいただければ、実際の原稿の修正に活用します!





講師

前回は、戦略を考える上での3つのポイントを説明しました。それから、企業活動がどのように行われているか経営ピラミッドを使って説明しました。○○さん、覚えていますか?



OL

はい、考え方のポイントはゴールイメージを明確に持ち、モノゴトを大きく捉え、しない事を明らかにする事でしたよね。それから、企業活動は経営理念を達成するために、何をしなければならないのか?という視点で目標があり、達成するための作戦、つまり戦略があって、計画があって、管理体制を敷くという流れでしたね。



講師

その通りです、良く理解できていますね。さて、今日から3回にわたって企業戦略の立て方について見ていきます。戦略の立て方の大きな流れとしては、次の4つのステップがあります。



1)世の中の変化にどのように対応していくか考える

2)自社の進むべき方向性を明確にする

3)企業の競走上の優位性を確保する

4)経営資源を有効に配分する



はじめは、世の中の変化にどのように対応していくのかを考えます。ここに関しては今回、お話しましょう。



次に、自社の進むべき方向性を明確にすることを考えます。長期的な視点で企業活動全体の方向つけを行うからには、長期的に企業が成長する事業分野を探して選択することが必要だからです。これに関しては次回(3回目)、お話します。



その後、企業の競走上の優位性を明らかにします。選択した事業分野において、いかに競合他社との違いを明らかにして優位な立場に立てるかを考えます。そして、最後に経営資源を有効に配分することについてお話します。



それでは、はじめの「世の中の変化にどのように対応していくか考える」について見ていきましょう。



OL

ところで、世の中の変化と企業の経営って関係があるのですか?



講師

その疑問はとても重要な視点ですね。順を追って説明しましょう。まずイメージを掴むために、企業にとってコントロールできる事とコントロールできない事を考えましょう。



OL

コンロロールできる事と、コントロールできない事・・・?



講師

例えば、身近なコンビニエンスストア(以下、コンビニ)で考えて見ましょう。来週、近隣の中学校で運動会が開催されるという情報がはいりました。もし、○○さんが店長だったらどうしますか?



OL

うーん、運動会があると飲料水やお弁当が沢山売れそうだから、通常より沢山仕入れしますかね?



講師

○○さん、素晴らしいですね。では、3時間後に雨が降ることがピンポイントで予測できたら?



OL

雨?今、晴れていると仮定したら、急に雨が降れば困るヒトが出てくるだろうから傘やレインコートがあればいいな。



講師

そうですね。雨が降ると分かれば、入り口付近に使い捨て傘を並べ替えるでしょう。雨が降ると○○さんが考えたように「困ったヒト」が出てきて、その解決策として傘を捜し求めるヒトが増えますからね。

ここで1つ考えて見てください。雨や近隣のイベントですが、コンビニでコントロールする事はできますか?



OL

うん、それは難しいですね。



講師

その通りですね。コンビニの事例は、「世の中の変化にどのように対応していくか考える」のヒントになります。企業経営は、常に自分たちでコントロールできる環境(強みと弱み)と自分たちでコントロールできない環境(世の中の変化)に接しています。そして世の中の変化に対して、困ったヒトが何らかの解決策を求めているのです。

コンビニの例では、雨(=世の中の変化)、に対して3時間後に雨が降ることを予測した上で商品の配列を買えるというコンビニの柔軟性(=強み)をいかして困ったヒトに傘を提供(=解決策)しました。世の中の変化から困ったヒトを見つけ出して、自分たちの強みを活かすことが企業にとってとても大切なのです。





OS分析講師

コントロールできない事、つまり世の中の変化には、企業にとってビジネスチャンス(機会)になることもあれば、脅威になることもあります。脅威の例は、隣に別のコンビニが進出したときなどです。同様にコントロールできる事にも強みと弱みがあります。コンビニは立地条件や柔軟な棚の回転が強みになりますが、店舗面積が限られているため、商品数を限定しなければなりません。これは弱みですね。



OL

なるほど。このように考えると世の中の変化と企業経営って密接に関係しているんですね。



講師

「世の中の変化にどのように対応していくか考える」ときに有用な考え方を1つ紹介しましょう。と言っても、先ほど説明した考え方を整理しなおすだけですが。SWOT分析(スウォット)と言うものです。

戦略を考える際に、自社でコントロールできる事(強み(S)と弱み(W))と自社でコントロールできない事(機会(O)と脅威(T))を考えます。それから、①事業機会を活かして自社の強みを発揮できることは何か(コンビニの事例)?②世の中の脅威を自社の強みで回避できないか?③自社の弱みで事業機会を逃さないためには何が必要か?④脅威と弱みが重なって、最悪の事態にしないためには何をすればよいのか?ということを分析していくのです。SWOT分背の詳細についてはマーケティングで触れることにして、戦略はおおきな流れを説明していきます。



OL

SWOT分析って言葉は聞いたことがあったけど、要はチャンスを最大限、活かすことなんですね。そのための分析手法だったのですね。



講師

毎回、理解度が早いですね。次回は、自社の進むべき方向性についてお話します。



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