ペルソナQ&A

2008年4月30日 水曜日

早嶋です。



連休と連休の間をつなげてロングバケーションを楽しんでいる方もいらっしゃると思いますが、皆様はいかがお過ごしですか?



ブログ「ペルソナ」「ペルソナとイメージング」では、ペルソナを使ったマーケティングを少し紹介しました。今回は、Q&A方式でペルソナに対して更に深く考えて見ます。





●そもそもペルソナって何?



想像上の人物描写で、その商品(製品、サービスを含む、以下商品)のユーザー像やその商品のユーザに関わるデータなどを関係各社が共通して持つ認識を具現化したもの。詳細は、上記のペルソナを参照下さい。





●どうしてペルソナを作るの?ユーザーのことを話合うのではダメなの?



もちろん、ユーザーのことを話し合うことは重要なことです。しかし、ユーザー自体、商品を使う人を適切に表現している言葉ではありません。ペルソナは、ユーザーと違って、個々の人物描写を行ったモノです。例えば、開発プロセスにおいてペルソナを作成、使用する事で、ユーザーの姿が明確になり、提供する価値の焦点(ポジショニング)が明確になります。話合っただけでは、イメージとして残りにくいですよね。



とある小売業での話です。そこでは、常にお客様第一!というスローガンがあり、全社員に浸透していました。そこで、「お客様ってどのような方ですか?」と質問しました。唐突な質問でしたので、「・・・」。



様々な社員の方、役職の方に同じ質問をしました。かえってきたお客様像は、皆ばらばらです。お客様という言葉は非常に便利ですが、姿が見えません、姿が見えない人に対して、何を提供すると良いのか?これはとてもタフなことですね。ペルソナは、お客様と流されている部分をまさに、見える化するツールでもあるのです。





●ペルソナは全てのユーザーの代表となりえるの?



No!、ペルソナは全ての顧客やユーザの代表にはなりません、また、なるべきでもありません。ペルソナはあくまで、商品やビジネスを成功に導くために重要と位置付けられたユーザーセグメントやマーケットセグメントの中に存在する人物の代表だからです。



つまり、マーケティング活動のセグメンテーションやターゲティングという作業が行われた上で、よりターゲットを明確にするためのツールとして考えた方が良いのです。





●じゃ、実在の人物を選んで、その人に合わせて商品を提供したほうが良いのでは?



ペルソナを作って商品を開発・提供する事と、実在の1人に対して開発・提供する事はまったく別次元のことです。実在の人物はその人の癖を持っていますが、ペルソナはファクト(データ)から導きだされた特徴のみを持っているからです。



これは商品開発やプロモーションの方法を決定するときに重要な意味を持ちます。ペルソナによって、実在の人物の個人的な好みや経験などに影響されずに、多くのユーザーが持つ重要な特徴に焦点を当てることが可能になるからです。



ペルソナは、事実に基づいたデータセットの中から抽出した情報を元に、名前や顔、行動特性などの傾向を明らかにするためのツールなのです。





●商品が多岐にわたって使用される場合は、全てのユーザーを網羅するようなペルソナを作るべきでは?たった一人のペルソナでは筋が通らないよ!



Yes!、その通りです。



ただし。1人の好みに合わせて商品化することも現実的ではなければ、万人にとって好ましい商品を作るのも現実的ではありません。ここでもやはり、マーケティングのポジショニングの作業が重要になってきます。つまり、特定のユーザーに対して自社が提供できる価値を最大にするためにどのような位置付けを行うか?です。



そして、その提供するターゲット層が複数ある場合は、その層に対してペルソナを作成していけばよいのです。その意味でのYesです。



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