地政学的な視点②

2020年2月16日 日曜日

早嶋です。

歴史の重要性を語る識者が多いのは、「失敗こそ再現性高く繰り返されている」からだと思います。成功が再現されれば、基本失敗が無いので、太平の世が続いているはず。しかし、実際はそうではない。そう考えると成功は再現性が低い現象なのです。まぁ、若干パラドックスのような気もしますが。

ある出来事とある出来事の関係を見出して、過去の複数の失敗をみてみる。そして世の中がどのように変化したかを後付だけど理解しようとする。そして考察する。これは地政学の分野になるのでしょうが、その根底にあるものは過去と現在を結ぶ歴史になります。

現在の北の姿は、我々からみるとある種の滑稽を想像するでしょう。しかし瞬間風速の映像や状況だけでは物事の判断をあやまる可能性が高いかもしれません。

歴史が真実であれば、19世紀、朝鮮は西洋諸国との外交を拒んでいました。同時に中国との同盟を望んでいました。北朝鮮と中国と西洋の立地関係を考えたら朝鮮が取る戦略としては合理的です。しかし日清戦争によって日本が勝利し、1897年に時の皇帝が大韓民国の建国を宣言し中国の従属国ではなくなります。1910年日本は大韓帝国を併合して同化政策を実施します。

第二次世界大戦後の1948年、米ソは朝鮮半島を緯度38度で分断して北部をソ連、南部を米軍が占領することで合意します。北部は共産主義政府になり38度線を堺に対立を深める構図が出来上がりました。1950年、ソ連の支援を受けて北朝鮮は韓国に侵出、半島全体が共産主義になることを危惧した米国は北朝鮮の攻撃を始めます。

上記は史実、表現、立ち位置が多少違っても大筋正しいとされている歴史です。北の姿を鑑みるだけでも、ソ連と米国と韓国と日本と利害関係の前後を把握しないと簡単には語れない部分があるのです。

これは会社や事業や組織や、場合によっては個人にとっても相当するものがあるでしょう。その瞬間だけを捉えるのではなく、その前後の歴史、あるいは背景を知る。その上でなにかの行動を起こす場合は、相手の気質を理解することで、こちらがわが取るべき戦略もある程度整理できるし、その後の反応も少しは推測しやすくなるのです。



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