地政学的な視点①

2020年2月15日 土曜日

早嶋です。

ポピュリズムが台頭して、今回の一連のパンデミックをみているとやはり地政学的なモノのミカタは非常に役に立つ視点だと思います。

基本的に、
●偽善
国際社会においての大原則は『偽善』という立場を持ったほうが良いと思います。イソップ童話や道徳の時間では、皆の利益を最大化することが大切だとの教えですが、国際政治においては、自国の利益を最も中心に捉えるのが定石です。利害関係が全てで、その利害は時系列によって変化するのです。

交渉などの世界ではWin-Winの交渉が美しいですが、異なる2国や地域や組織が永続的に共通のゴールを満たすという知見は若干甘いのかもしれません。ニュースをみていると同盟国や友好関係が強い地域であっても、時として一方からすると理不尽に思えるのも、味方を変えればそれが当たり前なのです。

●影響力
組織は常に2つに分かれます。強いものと弱いものです。強いものは支配国となり、弱いものは被支配国となります。被支配国は軍事、経済、文化、思想といった様々な形態で服従する必要があり、合理性を無視して受け入れざるを得ません。弱者の理由は如何にせよ弱いと感じた瞬間に最も強い参加に収まったほうが安全になり、それが故の権利を行使できるようになると信じるのです。

●争い事
ヒトの本質を平和と捉えるのではなく、争うと捉えたほうが良い。というのは『偽善』でもコメントした通りです。組織において利害やあり、それ故に思想の違いがあれば、認識の違いや文化の違いが生じます。結果的に争いは不可逆です。強いものは、強い状態を常に望むため、権力を保持する支配国は常にどんな手段を用いても自国の覇権を妨害する個人や組織や地域や国を排除したいと思うでしょう。基本はなくすことは難しいのです。

なぜ、争いをなくすことができないか?と考えても、強いものの争い自体に合理的な動機がないからです。逆に、弱いものも常に、覇権を狙っています。いつか自分たちが形成を逆転して平和な世界をつくろう。と思っても、いざその立場になれば、昔の経験を繰り返したくない気持ちから、強いものの歴史がまた始まるからです。

カントが人間の自然な状態は平和ではなく戦争と断言した理由も同じようなものだと思います。



コメントをどうぞ

CAPTCHA