歴史は繰り返す⑥ 現在と将来

2020年1月11日 土曜日

早嶋です。

現代貨幣理論MMTは、国はいくらでも借金ができる、従い経済刺激のため借金をし支出を増やし経済を成長させるという理屈です。この考えは雇用が不完全な国には有効でしょう。生産年齢人口に余剰があり人口が増加する国に向けた考えです。日本の場合、予測よりも急速に人口が減少しており出生人口は100万人どころか2019年には90万人を下回りました。そして65歳以上の高齢者の割合が世界最高の28.4%を記録しています。

先進国において人口と経済規模は強い相関関係があります。日本の直近の税収は60.3兆円。所得税が20兆円、消費税が18兆円、法人税が12兆円です。予算は100兆円ですので不足する40兆円は借金です。そして予算100兆円の中で社会保障は33兆円もあり、国債費は23.3兆円もあります。

プライマリーバランスをゼロにすると言いながらいつも借金を増やす国。将来を度外視したオジサンの発想です。だからと言って現状の税収を増やすには所得税か消費税か法人税にメスを入れるしかありません。所得税は原資である仕事をする数が減っているので上げるには税率を更に増やすしかありません。消費税は10%で18兆円。2倍の20%にしても最大36兆円です。法人税は世界的に下げる傾向ですが、仮に倍にしても24兆円です。もちろん2倍になれば確実に本社を別の国に移す大企業が続出するでしょうから非現実的です。

労働者数が激減し高齢者が増える。国の富を表すGDPは一人あたりの生産性と人口の積です。人口が減少する今、生産性を上げるしか富を得る方法はありません。生産性を上げる策としてイノベーションだのICTだのスローガンを掲げるわりには政治家や役人の数は激減しませんし何故か取り分が増えています。本質を議論して課題を追求しないのはやはり現実逃避です。働き方改革、政府主導の最低賃金のアップ、年金改革、女性の社会進出、財政健全化、物価2%アップを目指すインフレ目標。どれもピンときませんし日本の生産性ランキングは28位をみれば本質がずれているとしか言えません。

そうは言っても企業はこの現実を受け止め取り組むことでしょう。生産性を上げるシンプルな方法に規模の経済があります。日本企業はまだ成長期のようにプレーヤーが複数存在しています。従い、今後はますます合従連衡が進むことでしょう。中小企業の数も未だ360万社もあります。ここにも規模を追求するならM&Aは無条件に加速するでしょう。企業がこの動きをする中、自治体も統合をすべきです。都道府県市町村。明治のは廃藩置県の影響を未だに受け人口が減る中行政単位が多すぎます。県があり市がある。同じような役人が同じようなことをして重複して無駄が生じています。

本当に合理的に考えないと自分たちの子供の世代は大変な国になっています。みんなで現実をみて将来のために動かないといけないのです。



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