エイサー

2007年8月28日 火曜日

早嶋です。



PC業界の勢力図が変わります。台湾の大手パソコンメーカーの宏碁集団(ACER:エーサー)は27日、米国大手PCメーカーのGateway:ゲートウェイを買収すると発表しました。既に両社の役員は了承しており、07年12月までに買収は完了します。



買収額は7億1000万ドル。合意条件を見ると、エイサーは、ゲートウェイの全ての発行済株式を買い付け価格1株1.90ドル、先週末の終値1.21ドルを57%上回る水準で買い付けます。



エイサーとゲートウェイの06年の年間売上高150億ドルを超え、PC販売台数は20000万台を超えることより、現在、世界第3位のPCメーカーのレノボを抜き、デル、HPとついで業界第3位となります。

 

さて、ゲートウェイと言えば、牛さんのはらこ柄。学生の頃は、ゲートウェイのはらこ柄のダンボールは、どの研究室に行っても転がっているくらい、多く使用されていました。2000年頃より米国本社の急激な経営悪化を受け事業縮小。01年頃に、日本市場から撤退しています。ゲートウェイの日本撤退は、当時のITバブル崩壊の象徴的な出来事として大きく報じられましたね。



個人的に、日本ゲートウェイはデルとの価格競争によって、日本のPC市場の価格低下に与えた影響は大きかったと思います。実際、日本ゲートウェイ撤退の後、デルの価格は以前ほど下げが少なくなり、日本ゲートウェイの顧客がデルに流れたため、デルは大きく収益とシェアを伸ばしています。



直近でのゲートウェイについて調べてみました。米国ではPCベンダーとしてトップ5にとどまっていたものの、HPやデルなどにシェアを奪われています。米国の調査会社IDCの資料によると、07年第2四半期に前年同期と比べて約7%のシェアを落としています。どう四半期のゲートウェイのPC出荷台数も、全米で5%ほどです。現在は、米国の中小企業向けにPCとサーバーにフォーカスしているようです。



一方、エイサーですが、最近は低価格ノートPCとコンシューマー市場の集中で勢いを増しています。IDCの調査結果では、世界市場で上位5位に入っており、約7%のシェアを持っています。



これまで、エイサーはフェラーリ社とのコラボを行うなど、デザインで自社のプレゼンスを高めています。ここに、ゲートウェイの知名度(少なからずとも、知名度はエイサーより上でしょう)を利用して、米国市場、世界市場での認知獲得を目指すのでしょう。



レノボのIBM買収から、今回の買収劇。PC業界もめまぐるしいですね。



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