Treasure Hunt

2007年8月27日 月曜日

早嶋です。



トレジャーハント、これは宝探しと言う意味ですが、近年の消費者行動を言い表した言葉でもあります。



例えば、自己啓発に投資をするために、自分のセンスに合う、安いブランドやショップを探し洋服を購入する。かわいい息子を有名私立に通わせたいがために、日々の生活費を切り詰めて、スーパーの割引商品を徹底的に探して購入する。欲しい商品を価格.comに代表されるサイトで研究して、購入までのプロセスを楽しみながら魅力的な価格で購入する。



かつての常識から見れば、アンバランスにも見て取れる行動の裏には、全てのモノにはお金を投入する事が難しいけど、安直に安売り商品を使うのは嫌。「安く買うにもわけがある」と言ったミドルクラスの消費者行動は、まさに宝探しです。



このような現象は日本でも巨大な市場を形成しつつあります。ユニクロのファーストリテアリングは、ユニクロよりも更に安い価格帯で提供するジーユーを投入し、07年8月期に100億円、09年8月期に450億円の大型ブランドを目指しています。ジーユーは低価格ですが、ユニクロのベーシックに対して、トレンドを意識した商品構成です。ただ安い商品ではなく、自分にとってのセンスや選ぶ喜びを提供するコンセプトを持っています。



対極的なものでは、生鮮100円コンビにが登場して売上を急拡大する一方で、無農薬野菜の宅配も伸びています。コンビにの低価格帯弁当が伸びている一方で、デパ地下の高級惣菜も成長を続けています。第三のビールがシェアを伸ばす中、高価格帯カテゴリーのプレミアムビールが01年当時と比較すると、06年で3倍強のシェアを獲得しています。



消費の二極化は、個人の中でも起こっているのです。ワンランク上の価格帯を欲する一方、ワンランク下の価格帯も購入する。ワンランク下であっても、納得できる品質と安く買うことの意味や価値をあわせて提供している商品でなければ購入しない。単に値段が安いとか高いとかいう軸を超える何かを感じさせる商品でなければ消費者に響かない時代になっているのです。



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