怪我一生

2007年8月16日 木曜日

早嶋です。



注意一秒、怪我一生。小学校で教わったような教訓ですが、ビジネスにおけるリスクについても然りです。



アーサーアンダーセン、雪印乳業、三菱自動車、不二家の苦境の事例を見ればビジネスリスクにおける社内教育が十分になされていない現状を知ることができます。小学校では注意一秒ですが、企業のリスク・マネジメントで必要なのは永続的な注意だと思います。



本日の紙面で「白い恋人」の石屋製菓が賞味期限の改ざんで報道されています。過去10年にわたり日常的に行われ、石水社長も実態を把握していたとのことです。過去にも同じような報道があったので、もう、無いだろうと思っていたら、また出てきましたね。



リスクに対してのリーダが取るべき対処の鉄則として、1)危機の認識、2)組織として危機に注目、3)予防に必要な経営資源を用いて対応という、3つのステップがあります。



エイズ・ウィルスが種を超えて広範囲に人間に感染する事は予測できなくとも、企業を不意に襲った危機に関しては、大多数は予見可能であったという論文があります。危機を認識できたか否かは、組織のリーダーが危機に対してのデータ分析や解釈をしっかりと行っていたかによります。これを怠っていれば、リーダーの責任です。



予測可能な危機は、それに気付きながらもしかるべき注目を怠った場合に発生します。忙しいからと言っても理由になりません。ただし、起こりそうな可能性と、起こりそうも無い可能性を如何に見分けるかは、区別することは出来ないでしょう。必ず不確実性が伴うからです。しかし、リーダは優先順位を設定し、会社の企業価値をどのくらい損ねるのか?と言った分析を正しく行っているのであれば、注目不足とは言われないでしょう。



危機の可能性が深刻化したのならば、その予防策を講じるのもリーダーの責任です。既にリスクに見合った対策を講じていれば、リーダーに対しての責任もそこまででしょう。効果的に対応する上で必要な経営資源がそもそも足りない場合もリーダーの責任とはいえないでしょう。



今回の「白い恋人」。問題外です。危機の認識が出来ていないからです。同様のことで、多くの企業が瞬間的に無くなっているのにですよ。







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