顧客の声を聞いても、その後の活用が分からない

2019年5月27日 月曜日

原です。

顧客の声を聞くことが重要だと知っているけれど、「顧客の声を聞いても、どう活用したら良いのかが分からない。」こんな声を企業から聞きます。
マーケティング調査は、インタビュー調査などを分析して価値を把握し戦略に生かすためのものという認識が薄い傾向があります。「情報を集めれば何とかなる」と無意識のうちに感じているのではないでしょうか。

そもそも、顧客の声を聞くことが目的ではなく、顧客の声から企業や商品の課題解決となる方向性を導き出すことが目的です。つまり、マーケティング戦略・戦術立案のために行うことが前提です。
「戦略・戦術」などというと、難しく聞こえてしまうかもしれません。
もう少し分かりやすく言えば、「目的を達成するために、どのように行動するかを定めたもの」です。
マーケティング戦略・戦術の「目的」は、「商品とお金とのハッピーな交換」です。ハッピーな交換とは、企業は価値を顧客に提供し、顧客から利益を享受します。
企業としては、「どのような顧客に、何の価値を、どのように提供する」のマーケティングの考え方が必要です。
だから、2章1項3で書いているマーケティングの視点で調査し、考えながら整理したものがマーケティング戦略・戦術(目的、方向性、どのように行動)となります。そして、企画書や計画書に言語化された仮説をベースに、実行して仮説の検証を繰り返すことで目的の達成を目指していきます。

筆者は、若い頃から企業の経営計画書策定支援に取組んできました。
どんなに業績が良い企業でも、どんなに顧客の声を聞き高度な分析を行っても、100%予測できる計画などないと思います。
ですが、顧客の声を聞くことは当たり前のことです。せめて、当たり前の調査から考えた戦略を立案し、後は実際に行動しながら市場や顧客の反応を見ます。そして、計画を修正すべきは軌道修正していきます。
インタビューなどのマーティング調査の結果、当初の計画(仮説)は実行する必要はなかったという判断になることもあります。

例えば、老舗の靴の小売販売業のケースです。
4代目社長は、デザイン性の高い靴の小売販売店を経営しています。顧客の健康を考え、機能性とデザイン性が高い伝統的な履物の開発を真剣に考えています。
そして、思い描く履物に近い商品を仕入れ研究しながら、和洋折衷の履物を開発する計画を立てていました。
また、製造を委託でいる業者も探していましたが、なかなか見つからない状況でした。そのような中、弊社がマーケティング調査を依頼されました。
ところが、日頃から着物を着て生活しているような和好きな顧客からは、和洋折衷の商品は全く受け入れられない結果となりました。また、和重視の方が、健康への機能性を高めることができ、製造委託できる業者も見つかりました。
結果的には、自分が目指しているデザイン性と機能性が高い製品づくりへのゴールが見え始めました。次のステップは、第一号のプロトタイプ(試作品)作りです。そして、顧客の声を聞きながら、プロトタイプを修正し完成品を作り上げていけるのです。完成してからの顧客探しではリスクが大きいですが、作りながら顧客の声を戦略に反映していくことでリスクは軽減できます。

このように、完璧な戦略を立案することではなく、「顧客の声を聞きながら、その時点で最適な戦略を軌道修正し、判断の意思決定と行動を続けることが大切です。



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