ゲーテの言葉に

2007年7月24日 火曜日

早嶋です。



「これこそ人間精神のもっとも立派な発明の一つだ」、この言葉は、「ヴィルヘルム・マイストルの徒弟時代」(ゲーテ著:小宮豊隆訳)に出てくるゲーテの言葉です。



さて、この言葉が指す、発明は何を指しているでしょう?答えは複式簿記です。複式簿記は、15世紀にベニスの商品たちがつけた帳簿から始まったと言われます。財務諸表の仕組みを知れば知るほど、論理の一貫性に感心します。しかし、財務諸表(PL、BS、CFS)の中には人や知恵の価値の表現がありません。



人に関しては、給料や退職金などは明記されますが、人の能力やパッション(情熱)に関する価値は表現されません。それから特許件や知的財産などの知恵の評価も財務諸表にはBSの無形固定資産に特許取得費用が計上されるだけにとどまります。



もちろん、有力特許が高額で売却された場合などは別ですが、基本的には特許の取得にかかる費用を記載するのが通常です。これは、社内で社員研究員が何か開発した特許でも、基本的にはその価値が正しく評価してBSに記載されることはないのです。



当然、ノウハウなどもそうです。製造ノウハウ、営業ノウハウ。社内には過去からの受け継がれてきたノウハウや新しいノウハウの蓄積がありますが、これらも反映されることはありません。



財務諸表を見ると会社の経営内容は把握できますが、上記に記述した内容、将来の会社の伸びを示すための判断材料である、社員の能力や知財価値などは数字に表れてこないのです。



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