規模対サービス品質

2018年12月29日 土曜日

早嶋です。

あるサービス業が急激に事業を拡大している。これまではシェフや支配人、スタッフの人たちまでが顔見知りで、レストランに行くと気軽に話ができて、子供の成長や何気ない近況報告ができた。それが、急激に店舗展開をするようになると、知った顔が全国の店舗に分散してしまう。

もちろん会社としては大成功だろう。が、いつも行く店舗は、無機質なシステムでの顧客管理になってしまい、電話番号や顧客IDを示さなければ、顧客を認識してくれない。

予約する際に、支配人の名前を言って連絡しようとしても、昔のようにいかず、ゼロからすべてを説明しなければならない。昔は、現場の裁量が多く、なにか待たせるようなことがあればドリンクの一杯や二杯がすぐに出た。が、今はそのようなこともない。

サービス業とホスピタリティは規模による制約が大きいものか。大きな組織になれば、なんだかマニュアル的で、人の心の通じたサービスを感じない。客単価3,000円の店であればまだしも1万円を余裕で超えるのに。なんとなく足が遠のく。

現在、小さな規模だが全国、場合によっては全世界からわざわざ人が来るブランドやショップのコンサルを行っている。規模を追求する以前にサービスが劣化するのであればその選択肢をしない。というのが共通の考え方だ。しかし、一方で資本主義的な発想では先は誤りになる。



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