目標にも短期思考の愚

2018年9月11日 火曜日

 早嶋です。

企業活動において、目先を意識するがあまり数字あそびに走る中間管理職、マネジメントが増えています。例えば、数年先のビジョンを経営者が示しても、その意味を解釈できずに、過去の数字の積み上げにとどまります。通常は、数字にギャップがある場合は、そもそもの取り組みを否定して、ゼロベースで過去から現在の取り組みを見直し、場合によっては、全く異なる行動を試すなどを行わなければなりません。が、そのような思想はないので、今の数字をどうにか調整してPLを作る発想が蔓延しています。

本来経営においては、長期と短期の思考を繰り返し行き来して、現在と将来を常に見ることが大切なのですが、過去と今にしか視野が向かないことが原因です。結果的に、将来に渡る取り組みを理解していないので、目先の数字をすべて一律にカットして、将来の価値を毀損する投資判断を行います。目標設定に対して一律で増加することには反対する人も、経費の一律カットは割とすんなりと受け入れる。うーんです。

背景には、企業のマネジメントに戦略の理解が乏しいことと同時に、ファイナンスを理解する人材が不足していることに有るでしょう。PLは誰でも直感的にわかりやすいということがあるでしょう。従い、売上、利益のみを数値として目標に掲げる。当然、その意味を理解した目標であればよいのでしょうが、最終的には意味のない数字だけが独り歩きしてしまい、将来を失った取り組みをするハメになるのです。



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