ファーバーカステルのローラーボール 連載001

2018年4月12日 木曜日

早嶋です。

ファーバーカステルのローラーボールペン。商品名はオンドロ。1761年、同社のスカパー・ファーバーはニュールンベルグのシュタインで鉛筆の製造を始めました。そして1851年に鉛筆の形状の標準を世の中に誕生させました。あの六角形のデザインです。それから鉛筆の長さ、太さ、高度、形が徐々に世界に浸透して今のスタンダードな商品が出来上がったのです。

ファーバーカステル社の鉛筆はプロセイン当時のビスマルク首相やフェルナンド・ポルシェ博士にも愛用され現在に至っています。ポルシェ博士はファーバーカステルの鉛筆で数々の名車をデザインされたようです。そしてこのオンドロの六角形の形状はそんな鉛筆元祖のファーバーカステルの偉業を記念してデザインされたペンなのです。

が、私がこのペンに出会ったのは別の経緯でした。それはパイロット社のフリクションボールのリフィルがそのまま改造せずに使えるからです。フリクションボールは、温度変化により色が変わるインクを使用し、間違って書いた文字や線を専用ラバーで擦り熱を与えることでインクの色を無色にすることができます。

鉛筆と消しゴムの関係は、鉛筆の成分が紙に吸着した部分を消しゴムを使って削ることで文字を消します。一方、フリクションボールはインクを摩擦熱で透明にすることで消した感覚を提供するイノベーティブな商品です。これだと消しかすが出ないし、紙が削られることがないので、きれいな状態での書き消しを実現出来る全く新しい顧客体験を提供する商品になりました。日本では2007年に発売され、それ以後驚異的なスピードで販売を続けています。

当初、フリクションボールを好んで使っていましたが、徐々になんだかテンションが下がります。機能は好きでもペンそのもののデザインが気に入らないのです。確かに書き心地と機能性は抜群でメモや相談業務の時、あるいはスケジュール帳の利用には最高の使用感ではありました。が、毎回そのペンを握るために、かなり残念な気持ちになるのです。

ある時、フリクションボールのリフィルの形を見ていると、なんとなくペリカンのローラーボールのそれとにていると感じました。そこで実際に、ペリカンのローラーボールにフリクションのリフィルを入れてみましたが、やはり引っかかってうまく使えません。が、その時からひょっとしての感覚で、熱意持ってフリクションボールのリフィルがそのまま入る形状のイケてるボールペンを探し始めたのです。

出張中、時間がある時は文房具屋に行きました。そして私の経緯と思いを説明しました。それから「フリクションノールのリフィルが入るか確認させて欲しい。もし、入ったら買います。」と。しかし半数の文具屋さんは受け入れてくれず、試させてくれませんでした。まぁ、売り物に何かあったら誰が保証するの?的な感じはわかりますが。

同じ要領で暇を見つけては文具屋に入っていた時、羽田空港に入っているペンショップで実験させていただくことが出来ました。販売員さんもペン好きだったようですし、私のペインも十分に理解して頂けたようです。そして、幾つか持ってきましょう。同じようなリフィルが入りそうなペンがいいですね。と。さすが餅屋、形状を見てどブランドやどの種類が良いのかの当りがあるのです。

そこで出会ったのがこちらのファーバーカステル。当時、限定色として売りに出されたオレンジの商品は定番としてラインナップされているようです。鉛筆が出来て150周年を記念して作られたモデルとか。そちらでそのモデルを購入して使い続けています。

現在は、エンジのペンに赤のリフィル。黒のボディーに黒のリフィル、木製のペンに青のリフィルを入れて使っています。文字を消す際は、フリクションボール純正の消しゴムが単体で売っているので、そちらを個別に使っています。そう今、興味の対象は、そのフリクションボールの消しゴムを納める筒です。やはりプラスチック製でパイロットのロゴが目立ち雰囲気がありません。今度はこちらを何かで削り出してケースを作ろうと考えています。

絵:岩間杏美

参照:http://www.faber-castell.jp/products/rollerball-pens/



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