松竹梅の形骸化した検査

2017年12月19日 火曜日

早嶋です。

日本企業の製造業を中心に今年は不正問題が多数露呈しました。中でも神戸製鋼はアルミ・銅事業から始まり、報道が進むに連れて主力の鉄鋼事業、機械事業と発覚。更に、それは組織ぐるみ、かつ長期にわたる不正であることが明かされました。また三菱マテリアルやその子会社、東レの子会社でも同様と見られる現象が発覚され素材企業大丈夫?と思わんばかりのニュースでした。

通常、工業製品や生産財として使用される部材等はその仕様を顧客と厳格に取り決めて購買契約を締結します。当然、出荷ごとに仕様を満たしているかを出荷側も検査し、同時に顧客側も受け入れ検査を行います。昔、制御メーカーに勤めていたころは、この顧客に受け渡しする製品の担当を幾つか担いましたが、その期間は納品後しばらくの間を含めてピリピリしていたのを思い出します。

が、今回の一連の報道や記事、他の方が書いている調査レポートを見る限りそのような検査等を一部行っていなかったのではと思います。過去20年間の成長が鈍化、低迷する中で日本企業はひょっとして効率とコストカットという指示命令が独り歩きして、現場レベルでも目的に反する取り組みが行われた。

例えば、受け入れrの検査に対しても納入業者毎に松竹梅を決めて松企業は無検査、竹企業は抜き打ち検査、梅企業は全数確認というような体制ができ、長い年月かけてそれが形骸化していき、松企業が新しい部材をインストールする際にも検査の体制があやふやになったのかもしれません。



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