IoTとAIとX理論とY理論

2017年1月20日 金曜日

早嶋です。

人の見方に有名な理論がある。X理論とY理論だ。

X理論は以下の考え方を前提としている。

– 人は生まれつき仕事が嫌い、できるならば仕事はしたくない
– 従い人は強制、統制、命令、処罰の恐れがなければ、動かない
– 人は命令を好み、責任回避をし、野心を持たず、自分の身の安全を望む

ということでX理論のマネジメントは、明確に規定された仕事を与え、基本は監視することをベースに考える。人の動機づけは懲罰で脅しながらも賃金をちらつかせる。結果、管理者は部下の不信感や敵意を招き更に独裁的な管理方法を採用する。提唱者のマクレガーの表現では従業員を「凡庸なる大衆」と決めつけるかのようだ。

Y理論は以下の考え方を前提としている。

– 仕事は遊びや休暇と同じように当たり前のことだ
– 人は仕事が嫌いではない
– 自分で管理可能な条件次第で仕事が満足感の源泉にも苦渋の源泉にもなる
– 外部からの圧力以外にも人を動かすインセンティブがある
– それは自己管理、自己統制を発揮する内部、つまり個人の意志がそれだ
– 達成による報酬は献身的な目標達成に導く
− しかしそれはエゴ、自己実現の欲求を満たすことが最も重要
– 適切な条件下では、人は責任を引き受け、自ら進んで責任を取る
– 責任回避、野心のなさ、安全第一は経験が作るもので、本来の人間の性質ではない
– 問題解決に必要な高度な想像力、創意工夫は、誰にでも備わっている
– 企業では従業員の知的能力のほんの一部しか活かされていない

ということでY理論のマネジメントは従業員との協力的な関係をもたらす。個人の欲求や目標を企業の目標と強調協和させることが、仕事の達成確率を高める。一方で、マクレガーはY理論はあらゆる問題解決の万能薬ではないが、人の可能性を制限するX理論を放棄し、Y理論を考慮すべきとの結論を出している。

最近IoTとAI絡みのニュースで次の2つが気になった。「メガネ専門店のJINSが社員の働きすぎを把握する企業向けサービスの開始」と「キャノンITSが在宅勤務の社員をPCで監視する仕組み」だ。

参照:JINSの記事 http://japan.cnet.com/news/service/35095208/
参照:キャノンITSの記事 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO11735970W7A110C1X13000/

前者JINSの取組は、社員の働きすぎを把握するための企業向けサービスで、後者キャノンITSの取組は、在宅勤務をする人がPCの前に座って仕事をしているかを監視するサービスです。

目の動きを計測しながら人の集中度合いを解析、集中度合いを視覚化することで働き過ぎの社員を減らして働き方改革をすすめるツール。働き方改革の一貫として在宅勤務をすすめるも、本当に仕事をしているかを確認するためにPCの前に座って仕事をしているかを関しするツール。

X理論とY理論を表した取組だ。基本、世の中に時間をかけて比例して成果が出る仕組みは時給でよいが、時間に関係なく成果が出る仕事の重きが増している。海外ではホワイトカラーエグゼンプションの取組が進む中、日本はX理論バリバリの世界になっているではないか。感覚的にだが、Y理論を重視する企業の取組が結果的に飛躍的な成果を上げているように感じる。



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