大企業からミドルがいなくなる日

2016年8月26日 金曜日

早嶋です。

業界の突然死という言葉が現実になっている。1980年は日本の経済もまだまだ成長半ば。どの企業も追いつけ追い越せの戦いを繰り返していた。そのころの企業が掲げるKPIは生産性と売上アップ、そしてコストダウンだった。

企業の思考には売上はY=aXという数式に当てはめて伸ばし、1をせいぜい1.5にするような目標が多く取られた。やがて世の中にデジタル化が到来する。すると1のビジネスが急激に伸びて10であったり、100に成長したりとそのスピードが半端ない企業が出現した。1つにデジタル化の副産物であるコピペを上手く応用していることがいえる。

そんな中、今までの思考の延長では考えられないことが起きている。自動車の競争はトヨタとベンツという枠組みから、Googleやアマゾンが参入してきた。更に本屋のアマゾンは今ではeコマースの分野で首位となっている。中国ではアリババが成功を収め、次はアリペイという決済支払の領域に進出し、銀嶺を一気にぶっ飛ばしている。

繰り返すが、これまでの経営層の常識は生産性を上げコストを下げることのように捉えられていた。しかし、今では全く新しい枠組みでビジネスを起こせることや、そのような人材を見つけ出して成果を出しやすい環境を与えることに変わってきた。

このことは企業の中に山積していったミドルマネジメントの存在を脅かすことになる。成長期の企業は、トップが示した方向を規模の経済でいっきにすすめるために人的リソースを最大化して展開した。従って、トップの思いや計画を現場に伝えるためにミドルの存在が欠かせなかった。が、今はメールや動画と言った手法が日常的になり、間接的な伝言ゲームをするよりも、直接的なメッセージで伝えることがかなり柔軟になってきた。

考えれば日本は中間管理職が必要な時代は、時代が成長していて組織が肥大化し、かつ情報の流れがスムースではない時だ。その前提があって、コミュニケーションを人を通じて行っていた。が、市場は成長が泊まり日本は成熟と衰退を向かえている。更にコミュニケーションの技術も10年前とは比較にならないほど発達しているのだ。

それなのにひどい組織は、年功序列を維持するために、課長、課長補佐、部長補佐というような名前だけの役職を掲げ内部の収益率を自ら高くしている。無駄だ。新生シャープの社長である鴻海の戴氏は、上記のようなミドルには関心が無いのだろう。自信のメッセージを直接メールで社員に一発配信しているのだ。

言われたことを下に伝え、下の考えを上に伝える。そのミドルは確実に不要になるだろう。世の中の動きを考え、自分の役割を考え、会社全体の成長のために動くミドルでなければ大企業から大量にリストラの対象になると私は思う。



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