カルビー、コスト削減をマーケティング費用に

2014年9月5日 金曜日


カルビーは、上場来高値を更新しています。以前読んだ松本新体制の取り組みでは、
1)14工場の資材調達管理が各工場毎に行われていたのを、本社購買の集中管理に変更
2)物流も同様に7エリアが別々だったのを、共同配送に変更。また、M&Aしたジャパンフリトレーも含めて効率アップをはかる。
3)安売りをしないために、商品の生産と販売量を一定量以上増やさないことを最適という従来の思想を逆転した。

なんら違和感がないと感じる取り組みですが、元々カルビーには良い商品のためにはカネを惜しまないという社風が存在していたようです。当時のインタビュー記事では松本氏は「会社の社風は、適宜に外の環境との接点を持つことが重要」とコメントしていました。

カルビーはcost reductionという松本氏の戦略が転機になっていると思います。過去から良いものを作るという社風にメスを入れ、変動費を軸に無駄を排除。そして売上原価率を2009年より60%から56%まで下げていることが大きいと覆います。興味深いのが、その続き。ただ単にコストを下げていたのではなく、そこで産んだ原資をマーケティングに費やしていたのです。実際2009年のマーケティングコストをみると11%から15%まで拡大しています。

20年頃前より経営の世界では、日本企業はモノづくりは良いがマーケティング下手。ということを只々実践している。が、それを実行した組織はまだまだ少ないということか。いずれにせよカルビーの取り組みは今後のマーケティングや企業全体の経営にインパクトをあたえる事例となったと思います。



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