ダノンとヤクルト

2013年5月2日 木曜日

早嶋です。

ヤクルトとダノンが海外での提携を解消(※1)したことを受け、ヤクルト本社の株価は一時ストップ安まで下がり、その後回復しています(※2)。

※1参照:http://www.yakult.co.jp/news/file.php?type=release&id=136689344331.pdf
※2参照:http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2267.T&d=1m

この出資比率をめぐる交渉は下記記事(※3)よると2007年の契約に遡ります。
※3参照:http://toyokeizai.net/articles/-/11170?page=6

ヤクルトとダノンは、
○2007年に現状の保有比率を5年間引き上げない旨の契約を交わしている
○これが2012年5月15日に失効
○その後ダノンが買い増しを提案した場合、6か月以内に合意しなければ契約打ち切りという内容になっていた
○当然、ダノンは買い増しを提案していたが、ヤクルトがそれを拒否し続けた

ヤクルトが拒否し続けた理由は、契約の付帯条件に合意できなかった。ダノン側に有利になる条件があったと判断したからだと思います。

○ヤクルトの研究開発の成果をすべてダノンが利用できるようにすること
○ヤクルトレディがダノン製品も扱うこと

ここまで整理すると、契約での株の買増が制限されていた。従って、株の買いまし交渉を行なっていた。その交渉が決裂した。と言うことは、当然、元の契約も破棄される。つまり、契約による買いましの制限が解除されたことになります。結果的に、今後はダノンがヤクルト本社の買いましに動き始めるというシナリオになると思います。

ダノンにとって、ヤクルトの技術力はさることながら、ヤクルトレディを介したきめ細やかな流通が魅力的なのだと思います。これは交通網が発達していないインドの地方部でも注目されています。今後の新興国進出の手本であり、ぜひとも手に入れたいところでしょう。



コメント / トラックバック1件

  1. あつろう より:

    自社にない資源を取り込む典型ですね

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