フィリピン紀行⑤ 出稼ぎ経済

2013年2月14日 木曜日

フィリピンは世界一の出稼ぎ国家と称されます。新しい機会を求めて中国からフィリピンに移住して経済の中枢をささえるチノイ。これと反対に海外からフィリピン経済を支えるフィリピンの人をピノイと言うようです。国民の10人に1人が出稼ぎのため国外で働いているとも言われています。このピノイのフィリピンへの送金は家族だけでなく国家にとっても貴重な収入源になっています。

出稼ぎというと、なんだか肉体バリバリの労働をイメージしてしまいます。もちろん、そのようなハードワーカーも多数いるでしょう。しかし、英語と専門職を武器にホワイトカラーの分野で仕事をしている人が海外に数百万の単位で働いているようです。その彼らが現在、財力と専門スキルを有して徐々に本国に戻ってきているようです。マニラでは、専門職への投資機会が増えているので、同時に海外からフィリピンへの投資も増加しています。

上記のような現象は中国大連でも観察されました。主に海外の大手ITメーカーで長年勤務していた中国人が、活躍の場を本国に求めて帰国してきたのが数年前の大連です。いまでは、香港、マレーシア、シンガポールの華人が中国本土に戻ってきて事業を多数行っています。彼らが内需をさらに活性化させ経済の牽引に尽力していることは周知の事実でしょう。

この繰り返しがフィリピンでまさに起きているのです。考えてみれば、フィリピンの優秀な人は日本には来ないでしょう。それは言語の問題で英語が話せても日本では活躍する仕事にありつけません。そのため、始めから英語圏に行くことが当たり前になっているのです。従って、日本国内のフィリピンのイメージはいつまでたっても能力が劣る国との認識があるのだと思います。能力の高い人が活躍しにくい場になっていたからです。このギャップは実に危ういですね。島国日本は、世の中の動きが見えているようで、やっぱり井の中の蛙になっている部分もあるのですね。

参照:http://www.jitco.or.jp/send/situation/philippines/index.html



コメント / トラックバック5件

  1. 壁際珍事 より:

    日本もフィリピンも、島国。なのに、この英語力の差、感覚の開かれ具合の差は、一体何なのでしょう。

    フィリピンは、スペイン、次いでアメリカの植民地でした。外国人を受け入れ(というか押し入られ)、交流があり、意識が開かれた、のでしょうか。であれば、日本は、なまじ独立を通したことで、意識が閉じてしまっているのかもしれません。もしそうだとしたら、残念なこと。せっかく独立を通したのだから、独立国家の国民として、堂々と外国人と対等に付き合えるように、言葉も意識も鍛えなおさねばなりませんね。43歳は遅すぎますが。若い人に期待です。

  2. あつろう より:

    日本にフィリピンから優秀な人材が来ないのではなくて、有能な人材は日本には行かないということなのですね。とてもインタレスティングです。

  3. biznavi より:

    意識の部分、多いにあると思います。頑張りましょう!

  4. あつろう より:

    日本もインド、フィリピンのように英語圏の植民地になればよかったのに…。

    余談でした

  5. biznavi より:

    日本語が良い部分もあるし、英語が良い部分もある。学べるのであれば、我々は修得できる。日本語の良さを活用しながら、英語を受け入れる。そんな姿勢もありだと思います。

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