速い思考と遅い思考

2013年1月23日 水曜日

早嶋です。

以下の問題を直感で答えて見て下さい。

バットとボールは合わせて1ドル10セントです。
バットはボールより1ドル高いです。
ではボールはいくらでしょうか?



おそらく、数字が閃いたと思います。10、つまり10セントと。この問題の特徴は直ぐに答えが思いつくことですが、実際は間違っていることです。実際に検算すると間違いだと直ぐに分かりますね。仮にボールが10セントだったら1ドル高いバットは1ドル10セントになり、合計が1ドル20セントになります。直ぐに間違いだとわかるのに、直感の世界では10セントがちらついてしまう。

人の思考には速い思考と遅い思考が存在します。速い思考は自動的に高速で脳が判断する。努力は不要でストレスもかからない。そして自分で脳をコントロールしている感覚は無い。一方、遅い思考は、複雑な計算など意図的に脳を使わないと考えを導き出せない。困難な知的活動のため脳がストレスを感じることもあります。

前者は、発想とかアイデアが出る瞬間のようなもので、後者は論理的な思考のようなものです。本来、遅い思考の役割は、速い思考が提案した考えや行動を監視したり、制御することです。速い思考の提案を一部許可して行動を許したり、逆に残りを却下して修正を行ったりする役割です。

しかし、多くの場合、速い思考を遅い思考で検証する作業は、やや脳に負担をかけるため、場合によっては無視されることもあります。遅い思考が怠けると、先入観や思い込みによる間違いを犯してしまうのです。



コメント / トラックバック5件

  1. あつろう より:

    企業においては

    逆に全体のコンセンサスを得なければならないで、意思決定が遅くなり市場の変化スピードについていけないケースが多い気がします。
    スピードを求めると思考が浅くなる
    思考が深いと遅くなる

    書いていておもいましたが
    早嶋さんがおっしゃるように
    ひらめきやアイデアうを熟慮してコントロールするこのバランスは大事だとおもいます

    書いていて何がなんだんだかわからなくなりました。すみません

  2. biznavi より:

    バランスが重要だと思います。論理的な思考を積み重ねることで、速い思考も確度があがります。しかし、やはり時々は遅い思考で確認をすることを意識しないといけない。脳みそは良くできていると思います。

  3. 壁際珍事 より:

    1ドル20セントのたとえは、分かりやすくて、いいですね。

    早い思考というのは、勝手知った業界では、慣れもあり、本来遅くなる思考でも、早くできる、ということがあるのかもしれません。将棋のプロは、早指しでも、熟考する僕に勝つでしょう。ゴーンさんは、トヨタに移ってもスピーディに意思決定できるが、ロッテに移ったら、やはり難しい意思決定には時間を要する。自動車業界に慣れているからです。
    だから、たまに脳のトレーニングで、別の業界について考えることもいいかもしれませんね。

  4. biznavi より:

    脳トレで様々な業界の意思決定をすること。すごくいいと思います!

  5. あつろう より:

    壁際珍事様
    レスつけさせていただきます。
    あつろうともうします。よろしくおねがいします。

    マインドセットをとっぱらうのに他の業界を見てみるのはいい方法だとわたしもおもいます

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